香取慎吾『アノニマス』7話 すべての先入観を捨ててたどり着いたアノニマスの正体
イラスト/ゆいざえもん

※本文にはネタバレがあります

最終章に突入『アノニマス』7話<アノニマスの正体>

SNSの誹謗中傷問題が加速する現代。PCやスマホなどキーボードによる殺人、“指殺人”の対策室を舞台にした『アノニマス ~警視庁“指殺人”対策室~』。最終章に突入した第7話は、ついにアノニマスの正体が明らかになった……。


【前話レビュー】居場所を奪われ暴走する男性に共鳴した咲良に万丞が自身の苦い経験と想いを語る

香取慎吾『アノニマス』7話 すべての先入観を捨ててたどり着いたアノニマスの正体
(C)「アノニマス」製作委員会

「インターネットは無法地帯ですか!」
食品メーカー「カバヤマフーズ」の社員が、上司からのパワハラによって自殺を図った。ネットにはブラック企業だと書き込まれた上に、爆破予告を受ける羽目に。困惑する社員に、「必ず犯人を特定し逮捕します」と碓氷咲良(関水渚)がハッキリと言葉にした。

万丞渉(香取慎吾)が爆破予告の書き込みをした大学生と接触。「あんな書き込みをなんでした?」と問いただすも、「悪は成敗しないと」と、彼に悪びれた様子はない。咲良が「ネットの書き込みを鵜呑みして、ガセだったらどうするつもりなの?」と諭すも、「それはないですよ。だって、その情報をネットに流したの、あのアノニマスなんですから」。盲信状態だ。

香取慎吾『アノニマス』7話 すべての先入観を捨ててたどり着いたアノニマスの正体
(C)「アノニマス」製作委員会

事件の度に「裏K察」に情報を書き込むアノニマス。客観視すれば、姿形もわからない人物の書き込みを信用するなんて……と思うが、内部の人間しか知り得ない詳細な情報を握り、次々と事件を暴く、実績が物を言う。

「アノニマスがまた成敗した」「アノニマス様しか勝たん」ーー悪を成敗するアノニマス。匿名でありながらもダークヒーロー的な存在としてじわじわとネットユーザーの支持を得ていった。


書き込みに端を発し、社内から内部告発をする者も現われるなど、ひと騒動に発展。社長の謝罪会見としつつも、曖昧なまま会見は終了。どこかで目にしたような光景だ。

香取慎吾『アノニマス』7話 すべての先入観を捨ててたどり着いたアノニマスの正体
(C)「アノニマス」製作委員会


「アノニマスの正体を暴け」

アノニマスの正体を暴けと正式に指令が下ると同時に、“指対”も存続の危機にさらされた。事件が起こる度に一つのテーブルを囲むシーンも増えるなど、指対メンバーとの距離も近くなっていったが、今回はさらに、だった。

香取慎吾『アノニマス』7話 すべての先入観を捨ててたどり着いたアノニマスの正体
(C)「アノニマス」製作委員会

「大田区社長刺殺事件をゼロから洗い直したい。アノニマスの正体を暴くには、すべての先入観を捨てるしかない。力を貸してほしい」

珍しく万丞がメンバーを頼った。

「警察に正義はない」というアノニマスからの音声動画の投稿により大きく展開した。アノニマスは「大田区社長刺殺事件、容疑者を逮捕」という見出しで2019年2月1日に大きく報じられた事件について言及。この事件の殺人犯を警察が捏造していると挑発した。

事件は、貸金業の社長・伊勢崎正樹が路上で刺されて死亡したというもの。被疑者として同じ区内にの住むフリーライターの沢登一を確保、物的証拠も挙がったが、沢登は留置所で自殺を図ってしまう。
被疑者死亡としてこの事件の捜査は打ち切られた。が、しかし……。

香取慎吾『アノニマス』7話 すべての先入観を捨ててたどり着いたアノニマスの正体
(C)「アノニマス」製作委員会

香取慎吾『アノニマス』7話 すべての先入観を捨ててたどり着いたアノニマスの正体
(C)「アノニマス」製作委員会

本件について初めて詳しく触れたメンバーとは対照的に、万丞は「一日だって忘れたことはない」「2年前もアノニマスは同じ主張をしている。それを信じたのが俺の相棒だった倉木だ」と言う。

当時、アノニマスの情報を受けた倉木(シム・ウンギョン)は、一度は万丞に相談したものの、万丞の助言もむなしく、独断でアノニマスから犯人だと告げられた山室康介(山中雄輔)と接触した。そして、撃ち合いの末、倉木は精神喪失状態に陥った。発端となった事件、倉木の経緯が明らかになった。

香取慎吾『アノニマス』7話 すべての先入観を捨ててたどり着いたアノニマスの正体
(C)「アノニマス」製作委員会

「すべての先入観を捨てるしかない」万丞が視点を180度変えたことで見えてきた真実。犯人のものと思われる物的証拠、ネットの書き込みなんて……それも先入観だった。疑いの目を持ちつつも、それらしきものを信じてしまう。そして一度認識したものはなかなか頭から抜けない。何のきっかけもなく視点を180度転換するのはなかなかできることではない。
そして万丞は、事件の捜査に越谷(勝村政信)が大きく関わっていたことに気付く。

香取慎吾『アノニマス』7話 すべての先入観を捨ててたどり着いたアノニマスの正体
(C)「アノニマス」製作委員会


事件当時、真犯人を突き止めた越谷。しかし上層部からの圧力もあり、証拠隠蔽に加担させられたこと、自分の立場などもあり、山室との接触を倉木に委ねたと自白した。しかし、現在も続く“アノニマス”ではないと言う。内部情報にアクセスした履歴から浮かび上がったのは……倉木だった。

香取慎吾『アノニマス』7話 すべての先入観を捨ててたどり着いたアノニマスの正体
(C)「アノニマス」製作委員会

倉木の病室に匿名で送られてくるヒヤシンス。前回、青いヒヤシンスと書いたが訂正したい。青ではなく紫、花言葉は「悲しみ」「悲哀」だった。わずかな色の違いによって意味合いが大きく異なった。いまでも見守る気持ちがあることは、まだまだ捨てたもんじゃないと思うが、当時も今も、もう少し歩み寄れたら……。また違った展開をみせたのではないか。

万丞も倉木も、越谷も、いまとなっては後悔もたくさんあるだろう。
正義感に突き動かされるようにして、その当時だって自分なりに考えて、最善の判断をしてきたはずだ。

物語が急展開した第7話。そして次回、いよいよ最終話を迎える。心神喪失状態とされている倉木だが、アノニマスとして敵を仕留めるスナイパーのように相次いで書き込みを続ける。ラスト、万丞とどんな対話をするのか。

香取慎吾『アノニマス』7話 すべての先入観を捨ててたどり着いたアノニマスの正体
(C)「アノニマス」製作委員会

香取慎吾『アノニマス』7話 すべての先入観を捨ててたどり着いたアノニマスの正体
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※第8話のレビューを更新しましたら、エキレビ!のツイッターにてお知らせします

●第8話あらすじ
万丞渉 (香取慎吾)の元相棒・倉木セナ(シム・ウンギョン)が凶弾に倒れた2年前の事件の真相、そしてアノニマスの正体に辿り着いた指対メンバーたち。だが、警察の信用を失墜させ、集合知による正義の執行を唱えるアノニマスの暴走は歯止めが効かない。ネット民だけでなく世論までもがアノニマスの支持を始める中、暴走阻止のキーパーソン・城ヶ崎刑事部長(高橋克実)までもが行方をくらまし……。対アノニマス最後の闘いが始まる!

――番組公式サイトより


番組情報

テレビ東京系
『アノニマス ~警視庁“指殺人”対策室~』
毎週月曜よる10時〜

出演:香取慎吾(プロフィール)
関水渚(プロフィール) MEGUMI(プロフィール) 清水尋也(プロフィール) 勝村政信(プロフィール) シム・ウンギョン(特別出演)(プロフィール) 山本耕史(プロフィール)

監督:及川拓郎(プロフィール) 湯浅弘章 大内隆弘
脚本:小峯裕之 玉田真也 入江信吾
音楽:山下宏明 丸橋光太郎

制作:テレビ東京/ギークピクチュアズ
制作協力:ギークサイト
(C)「アノニマス」製作委員会

番組サイト:https://www.tv-tokyo.co.jp/anonymous/


Writer

柚月裕実


Web編集/ライター。ジャニヲタ。アイドルがサングラスを外しただけでも泣く涙腺ゆるめな30代。主にKAT-TUNとNEWSですが、もはや事務所担。

関連サイト
@hiromin2013

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