
心がしんどくなる前に読みたい本を『世界一受けたい授業』が紹介
15日(土)放送の『世界一受けたい授業』(日本テレビ系 / よる7時56分〜)では、▼原田知幸先生
体が無理をすると、体内はブラックな職場に!『はたらく細胞BLACK』
▼藤野智哉先生
精神科医がベストセラーから選んだ!ストレスを減らす『心の処方箋』
の2つの授業をお届け。生徒(パネラー)には、勝地涼、藤田ニコル、森泉、森富美(NTVアナウンサー)が出演する。
「精神科医がベストセラーから選んだ!ストレスを減らす『心の処方箋』」の授業では、ソフトな語り口が評判の精神科医・藤野智哉先生が登場。
言われたことを気にしているのは自分だけで、相手は案外忘れているもの。そう考えるだけで気持ちが楽になることを教えてくれる、シリーズ累計30万部の大ヒットとなったマンガ『多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ』(jam著・サンクチュアリ出版刊)や、発売2週間で10万部を突破したオードリー若林のエッセイ『ナナメの夕暮れ』(文藝春秋刊)など、いま、しんどくなりそうな心を軽くしてくれるヒントが詰まった書籍が好評を博している。
――番組でも多数紹介されている、ストレスを軽減してくれるちょっとしたヒントが書かれた書籍。書店でも特集コーナーが設置されるなどブームを超えて、定番のジャンルとなりつつあります。そういった現状をどうとらえられていますか?
藤野先生:書籍のトレンドのようなことは専門家ではないのでわかりませんが、やはりストレス社会ということは言われていて、患者さんの数は昔から比べれば増えています。こういう方が増えたなとか、こういう年代の人が増えたなというのは、(自身で)統計を取っているわけではないので明確には言えないですが、コロナ禍では主婦の方の(心の)負担が増えているのではないでしょうか。
リモートワークが進んできた関係で、これまで日中は家に居なかった夫やお子さんがずっと家にいて、ご飯を作る手間が増えたりとか、趣味や外出もできなくなってしまった。そういうことで、負担が大きくなっていると言われてます。
また、お子さんの患者さんも増えています。休み明けに行くのがしんどい。
――家庭や学校、職場などで、ともに時間を過ごす人たちの心の不調を気づいてあげることができるサイン、兆候のようなものはあるんでしょうか?
藤野先生:いちばんわかりやすいのは、食欲が落ちること。あとは、ストレスが高まると頭の回転が遅くなってミスが増えて、思うようにいかなくなる人もいます。それがイライラとして出ることもあって、普段はすごく穏やかな人なのに攻撃的で噛みついてくる発言がちょっと目に付くとか。
ほかには、余暇を楽しむことができなくなって、SNSなどに趣味のことを投稿しなくなる。そうすると、話題の幅も減って次第に人付き合いも悪くなったりします。
――そういった兆候に気がついたとき、周囲はどんなことができるでしょうか?
藤野先生:やっぱりコロナ禍の中であってもつながりを保つことがいちばん大事だと思います。特に何かを言ってあげるとかでなくても、本人が何か言いたくなったときに聞いてあげられる状態でいること。誰かに話すことで整理したり発散になったりします。
ちょっとしんどそうな人に連絡するのは、こっちもしんどくなりそうで、みんな「また今度でいいか」って考えてしまうと思うんですけど、気になったときに連絡をしてあげる、聞き手になってあげるってすごく大事だと思います。
ただ、聞き手が思い入れを強くしすぎて、「今度もっとこうしたらいいよ」とかプレッシャーになるようなことを言って、アドバイスの通りにいかなくて「お前のせいだ」と責められると最悪な形になってしまいます。
本当は踏み込んであげたくなると思うんですけど、ちゃんと距離をとる。僕ら(精神科医)が診療するときも、感情移入すると治療がうまくいかなくなるし、患者さんが僕らに依存しても治療はうまくいかなくなります。
――前回、番組に出演された際は、毎朝鏡に向かって自分を褒めるとストレスが軽減すると教えていただきましたが、ほかにも自分自身でできるストレスケアがあれば教えていただけないでしょうか?
藤野先生:いろいろありますが、いちばん簡単なのは、「いま自分は何が不安か?」「何がしんどいのか?」書き出してみることです。よくカウンセラーさんがやりますけれども、何が実際に不安なのか具体的に書き出して整理すると、不安に思っていることにどんな対策をする必要があるのか見えてくる。
人に話すこともけっきょく、話すことで整理ができるわけですね。あとは必要以上に怖がっていないかとか客観的に見ることもできます。実はそんなに不安のことは数多くなかったりします。
イライラしていることも書いてみると、だいたい書いている間に落ち着いてきたりスッキリしてしまう。誰かに見られると思うと、書くことすら本音で書けない人がいますが、書いた後に破り捨てるつもりで書けば大丈夫です。
けっきょく昔から言われているのは、「王様の耳はロバの耳」と一緒で、不安はどこかに出してしまうこと。誰にでも簡単にできることです。
今回の授業では、藤野先生自身が普段行っているストレスケアも紹介。自分に適度なご褒美をあげる「一人焼肉」やストレスを忘れるため「弓道」で集中したりと、ユニークな様子にも密着 します。
――そもそも、藤野先生が精神科医を志したきっかけは何だったのでしょうか?
藤野先生:精神科医を志したきっかけは犯罪心理に関心があったからです。裁判において精神鑑定を行う場面があるのですが、なぜこの人は殺人を犯したのか? 責任能力があるのかないのか? 鑑定が一審と二審で判定が割れたりして、なぜこの人が無罪になったんだろう?とすごく気になっていたんです。
判断が偏っていたり、鑑定は本当に正しかったのか? そこはブラックボックスの世界。精神鑑定は「きちんとやる」と決めた人がやらないとよくないのではないかと思い、医療刑務所で週に一日、受刑者で精神医療が必要な方たちを診療したりもしています。
あともうひとつの理由は、もっと気軽に精神科を受診できるようになってほしいということ。今日のような活動(番組出演)もそうですが、より多くの人に届くように本の執筆なども行っています。精神病院を建てることになると、反対運動が起きたりしますよね。やっぱりまだ根強い偏見があるんです。
鬱なんかは、最近「心の風邪」って言われますけど、本当に誰でもなりうる病気なんですよね。
番組ではエッセイからマンガ、そして収録に参加しているゲストが心に刻んでいる言葉まで、様々な角度からストレスを軽くするヒントを伝授。5月病になってしまいそうな学生から社会人まで、幅広い視聴者にとって必見の授業となっている。
番組概要
日本テレビ系『世界一受けたい授業』
5月15日(土)よる7時56分〜8時54分
MC:堺 正章、くりぃむしちゅー(上田晋也、有田哲平)
ゲスト:勝地涼、藤田ニコル、森泉、森富美(NTVアナウンサー) ※50音順
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