働き方改革でテレワークの推進が唱えられてきた。しかし、総務省の2018年度情報通信白書によれば17年のテレワーク導入企業の割合は14%で、さらに利用率はテレワークという言葉を知っている者の中の3.4%と普及はほとんど進んでいなかった。
この急増の中で日本の仕事環境でのテレワークの支障となる様々な問題が浮かび上がった。6月19日には政府が「押印についてのQ&A」を公表したが、日本の商慣行における捺印の問題もテレワーク普及を妨げる大きな課題だ。こうした様々な課題が浮かび上がる中でテレワークを実施した企業の情報システム担当も様々な課題に直面することとなった。
システムインテグレーターのソフトクリエイトが自社のメルマガを購読している企業の情報システム担当(回答件数851件)を対象にテレワークの実施状況、テレワークに対する取り組み状況、課題、効果などについて調査を実施し、これを「情シスに聞くテレワークの実情と対策」として取りまとめ、6月30日にその内容の一部を公表している。
コロナ対策としてのテレワーク実施でWeb会議における様々な課題が問題となったが、この調査でもこの点について聞いている。
業務システム・業務アプリの課題では、「業務フロー上、捺印や紙文書の印刷が必須で出社が前提になっている」が56.9%、約6割と突出して多くなっており、話題にもなった「ハンコ出社」という日本特有の「ハンコ文化」がテレワーク普及の妨げの一因になっていることは間違いないようだ。レポートでは「アフターコロナを見据え、押印や紙文書の印刷を削減し、文書の電子化やペーパーレス化が今後加速すると考えられる」と指摘している。(編集担当:久保田雄城)