2019年まで不動産市場は活況を示してきた。これはもちろん2020東京五輪関連需要とそれを契機とした国際都市東京を想定した再開発事業の増大によるものだ。
5月21日、アメリカに本部を置く総合不動産業のJLLの日本法人が「日本の商業用不動産投資額、2021年第1四半期」を発表した。これによれば、21年第1四半期の不動産投資額は1兆2218億円、前年同期比28%の大幅な減少となった。一方で、前期比では20%の大幅な増加となっており回復に向けて加速しだしたようだ。19年同期比では7%減、18年では5%減であるので概ね例年並みの水準へと回復しているとも言える。また、世界の都市別ランキングでは東京が今期のランキングの2位へと上昇し、また大阪も15位と大きく順位を上げている。
心配されていた外国人投資家離れについては、国内の不動産投資額に占める割合が23%と20年同期の34%に比べて減少となったものの、依然として投資機会を模索している海外投資家は少なくなく意欲も高い。セクター別投資額割合では、オフィスの投資額割合は52%と20年通年の32%より大幅に増加、一方で物流施設の投資額割合は18%と減少に転じているが、これも今後回復の見込みだ。東京都心5区における投資額割合は42%と前年から上昇している一方、千葉・埼玉・神奈川の割合は低下しており都心集中が進んでいるようだ。コロナを契機にセクターと立地の構造が大きく変わっている模様だ。
購入者属性はJ-REITによる取得割合が36%と20年通年から増加している一方で、私募ファンドの割合は20年通年から減少した。J-REITへのシフトは株高による割安感にあるとされている。こうした資金に支えられて、コロナ禍かつ五輪特需終了の中でも不動産投資市場は引き続き活発に推移しており、特にオフィスビルの売買の回復が顕著だ。不動産市場では既にコロナ後の世界を見据え、リテールやホテルに投資する動きも見られ始めている。(編集担当:久保田雄城)

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