この10年、日本の実質賃金指数は低下傾向で推移してきた。これは名目の給与は横ばい傾向で、消費者物価が緩やかに上昇し、深刻な人手不足の中、賃金水準の低いパート・アルバイト等の非正規就業者数の増加による側面もある。
7月21日、東京商工リサーチが上場企業2459社の決算書から平均年間給与を抽出した「2020年度決算、平均年間給与調査」の結果を公表した。これによれば、上場企業2459社の20年度における平均年間給与は603万2000円、前年度比1.7%の減少、前年度は614万円であったので前年度より10万8000円減少したことになる。
平均給与が前年度より増加した企業は2459社のうち943社、全体の38.3%を占め、前年度1277社であったので大幅に減少している。一方、減少した企業は1508社で全体の61.3%を占め、前年度の1169社より増加している。横ばいの企業は8社だった。「増加」した企業の数は2年連続で前年度を下回り、一方、「減少」企業数は2年連続で前年を上回っているが、「減少」企業数が「増加」企業数を上回ったのは12年度以降で初めてとなる。
産業別では、建設業が732万4000円で最高額となっており、13年度以降、8年連続で増加しているものの増加幅は16年度をピークに縮小傾向に転じている。以降、不動産業が706万3000円、電気・ガス業689万7000円と続いている。逆に、最低は小売業の476万7000円で、唯一400万円台にとどまっている。コロナの影響を強く受けた小売業とサービス業の平均給与は535万2000円、12年度以降で初めて減少に転じた。
上場企業での平均給与の減少は、コロナ禍での業績悪化や残業の減少などによるものと見られている。国税庁の民間給与実態統計調査(平成30年分)によると正社員の平均給与は503万5000円で、上場企業が99万7000円高くなっているが、中小なども含む全企業との差は縮小したようだ。(編集担当:久保田雄城)

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