篠原涼子主演で不倫に走る妻たちを描いたNetflexオリジナルドラマ『金魚妻』が話題だ。「放送時間帯は昼下がり。
視聴者は主に主婦層」というイメージはすでに過去のもの。今の不倫ドラマブームを支えているのは若い女性たちだ。清純派アイドル「真っ白なキャンバス」の浜辺ゆりなが不倫ドラマへの偏愛ぶりを情熱たっぷりに語った記事前編に続き、後編では「初心者にもお薦めの不倫ドラマ5本」を特別セレクト! 詳細すぎる見所解説によって、あなた好みの作品がきっと見つかるはずだ(★評価は5段階となっております。記事内にはドラマに関する多少のネタバレを含みます)。

【写真】キラキラとした真っ直ぐとした瞳で不倫ドラマの魅力を語る浜辺ゆりな【10点】

■『あなたのことはそれほど』(TBS系/2017年)
胸キュン:★★★★
感動:★★
オンナの怖さ:★

 波瑠さん演じる妻が初恋の人とW不倫する話なんですけど、とにかく注目してほしいのが浮気される側である夫役の東出昌大さん! 演技がヤバいんですよ。本当に背筋が凍るほど怖い。基本的には「浮気されているにもかかわらず、意地でも別れようとしない夫」という立ち位置で、DVみたいに直接暴力をふるうことこそしないものの、笑顔のまま薄気味悪く追い詰めていく姿のホラー度が高すぎて……。

 その狂気がクライマックスに達するのが、夫婦で仲よく過ごしたマンションで赤ワインの瓶を投げ割るシーン。それまで溜めに溜めていたフラストレーションが一気に爆発するわけですね。このときの東出さんの緊迫感や異常性は、とても演技とは思えないほど。不倫ドラマ史に残る名場面だと思います。

 個人的にも最初に出会った不倫ドラマということで思い入れがある作品なんですよね。
登場人物が異常に曲者揃いだし、「まさか!? 嘘でしょ!?」というハラハラした展開が続くので、誰でも楽しめるドラマじゃないでしょうか。

■『ギルティ』(日本テレビ系/2020年)
胸キュン:★★★★
感動:★★★★
オンナの怖さ:★★★★★

 妻を演じるのが新川優愛さん。夫を演じるのが小池徹平さん。夫が浮気する相手は、妻の仲いい女友達(中村ゆりか)だった──というのが物語の核となっています。ただしこのドラマは他にも登場人物がものすごく複雑に入り組んでいて、それぞれの思惑が交錯しまくるんですよ。仕事の足を引っ張るライバル、親との確執と介護問題、高校のときにつき合っていた初恋の相手……。作品の公式HPに人物相関図があるんですけど、矢印が入り組んでいて頭がクラクラしてきますから(笑)。

 そしてこのバラバラに見えるトラブルの数々が、実は夫の浮気相手によって巧妙に仕組まれた罠だったということに新川さんは気づくんですね。すべての絵を描いているのは愛人だったんです。この悪魔的な女性を演じる中村ゆりかさんの迫力が『ギルティ』における最大の見どころ! 言ってしまえばこれは恋愛ドラマじゃなくて、復讐の物語なんですよ。小池徹平さんのことも好きでつき合っているわけじゃなく、新川さんを陥れるために不倫しているくらいで。

 ただ一方で中村さんにも複雑な家庭環境や幼少期のトラウマを抱えているので、同情すべき点はある。
この作品を観ていると、何が正義で何が悪なのかわからなくなってくるんですよね。人間関係の複雑さとか社会で生きていくことの難しさとか、学びが多い不倫ドラマと言えるかもしれません。

■『僕のヤバイ妻』(フジテレビ系/2016年)
胸キュン:★
感動:★★★★
オンナの怖さ:★★★★★

 正直、この作品は不倫ドラマに分類していいのか悩むところですね。じゃあどういうドラマかというと、妻の両親の遺産を巡る誘拐サスペンス。そこに不倫要素が絡んでくる流れになっています。

 あらすじ的には妻と夫がいて、夫が浮気する。しかも夫は愛人と共謀して、妻を毒殺しようとする。浮気されたうえに殺されかけた妻は逆上して、復讐に燃えるわけですよ。ここからの妻の反撃と報復の手口がヤバい。徹底して相手を地獄まで引きずり落とそうという怨念に圧倒されるんですよね。

 これは学園系の恋愛ドラマが好きだった私に、「恋愛感情だけでは結婚なんて成立しない」ということを教えてくれた作品。いろんな夫婦関係が世の中にはあるんだなと思い知りました。
それからお金が絡むと人は豹変するということも教えてくれた気がします。そして最終話では信じられないことが起こるんですけど……。こればかりはネタバレになるので、実際に観てくださいとしか言いようがないですね。

 余談かもしれませんが『あなたのことはそれほど』や『ギルティ』と同じく、この『僕のヤバイ妻』もワインが重要なキーワードとなっています。ワインが出てきたら何かが起こるというのは、もはや不倫ドラマのお約束かも(※前編記事、参照)。

■『奪い愛、冬』(テレビ朝日系/2017年)
胸キュン:★★★★
感動:★★
オンナの怖さ:★★★★★

 スピンオフ作品も作られている人気シリーズです。まず主人公の女性・光(倉科カナ)には、同じデザイン会社に勤める婚約者・康太(三浦翔平)がいるんですよ。ところが光は、かつて死ぬほど愛した元恋人の信(大谷亮平)と出会ってしまうんですね。すでに婚約者がいるから愛してはいけないと頭ではわかっていても、どうしても信に惹かれてしまう光。その葛藤もたまらないんですけど、何よりもすさまじいのが信の奥さん・蘭(水野美紀)の執念なんです。半狂乱で壊れていく水野さんの演技は文句なしに最高!

 そもそも信が光と別れたのには理由がありまして……。信が暴漢にナイフで襲撃されたところ、蘭が身代わりになって刺されたという事件があったんです。
それで「責任を取って!」ということになり、蘭と結婚したんですよね。ところが実はこれも蘭の自作自演。そればかりか光は周囲から嫌われまくるんですけど、これも結局は蘭によって仕組まれた工作だったんです。それでも自分の意思を曲げずに戦おうとする光の姿を観て、私はカッコいいなと思いました。すごく勇気をもらえましたし。

 個人的には、光、康太、信、蘭の4人で旅行したシーンが最高に盛り上がりましたね。心の声がナレーションみたいにして挿入されるんですけど、実際の行動とは真逆のドロドロさ加減がめちゃくちゃ面白い! 人間って本当に怖いなって痛感します。

■『ホリデイラブ』(テレビ朝日系/2018年)
胸キュン:★★★
感動:★★★
オンナの怖さ:★★★★★

 夫と妻は幸せな家庭を築いていて、家には可愛い娘もいる。ところが夫は単身赴任先の静岡で浮気をしていることが判明。そこから物語が急展開するんですけど、この浮気相手の井筒里奈(松本まりか)という女性が極めて厄介なんですよ。

 もともと井筒里奈自身も結婚しているので、構図的にはW不倫。でもこの旦那というのがDV癖もあるひどい男だから、幸せな家庭に対する憧れがすごく強いんですね。
どんな汚い手を使ってでも、自分を幸せにしてくれる夫を奪いたいわけです。偶然を装って相手の職場で働き始める、何食わぬ顔をして結婚式で相手に倒れ掛かる、妻が経営するネイルサロンの客を操り夫婦を破綻させる……全部が井筒里奈の思惑通りなんですけど、次から次へと繰り出す悪巧みが半端じゃなくて。

 視聴者的は「この女、許すまじ!」ってヒートアップする一方なんですが、最終話では井筒里奈にとんでもないことが起こります。これはぜひ実際に観ていただいて、ああだこうだと感想を語りたいなぁ(笑)。

 さて、ここまで不倫ドラマについて熱く語ってきましたけど、改めて浮気は絶対してはいけません! でも他のジャンルにはないドキドキ感が味わえるのは確かだし、観て損はないと思うんですよね。スピード感! 人間の剥き出しの感情! 相次ぐどんでん返し! 一度観始めたら、本当に途中でやめられなくなりますよ。さぁ、みなさんも一緒に不倫ドラマ沼にハマりましょう(笑)。

【あわせて読む】清純派アイドルが語る“不倫ドラマ”の深すぎる魅力「グラつく結婚感、本当の幸せが何なのか考える」
編集部おすすめ