『仮面ライダー』シリーズが若手俳優の登竜門になっている。もう何年も前から言われ続けているが、改めて、その豪華な顔ぶれを見てみたい。


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例えば、タイトルにも挙げたこの4人。今や、映画やドラマに引っ張りだこの売れっ子達だが、全員が『仮面ライダー』シリーズ出身だ。菅田将暉は、2009年の『仮面ライダーW』で、桐山漣と共にW主演を果たした。この作品は、シリーズ初の2人で1人の仮面ライダー。当時まだ16歳だった菅田は初々しい印象が強かったが、今と変わらぬ芯の強さも感じられる。そして、佐藤健は、2007年の『仮面ライダー電王』で連続ドラマ初主演を務めた。
この作品は、電車がライダーのモチーフとなっている。

竹内涼真も『仮面ライダー』シリーズで主演を務め、のちに大ブレイク。2014年の『仮面ライダードライブ』という作品である。さらに、綾野剛も『仮面ライダー』シリーズで俳優デビュー。しかし、綾野は主演ではなく、2003年、半田健人主演の『仮面ライダー555』での脇役での出演だった。

今をときめく俳優達の新鮮な若かりし頃の姿が見られる『仮面ライダー』シリーズだが、所属事務所に注目してみるとまた面白い。
特に主演クラスになると、アミューズ、ホリプロ、研音、トップコート…と、大手芸能事務所ばかりだ。つまりは、各事務所イチオシの期待の新人を『仮面ライダー』に送り込んでいるということ。『仮面ライダー』こそ、ブレイクの最短ルートの1つと考えられているのかも知れない。

ところで、『仮面ライダー』シリーズを夢中になって見るのは、基本的には男の子。ただ、放送時間は日曜日の朝なので、当然、家族揃って見ているという家庭も多いだろう。幼少期に、自分の息子と同じように『仮面ライダー』にハマっていた父親が、再び夢中になるというパターンもあるし、これだけのイケメン俳優を輩出しているとなると、母親が若手俳優を青田買いするような気持ちでチェックしているパターンもありそうだ。


また、近年では、ヒロイン役の女優も人気を集め、その後ブレイクしたというケースも多い。今回注目したい作品は『仮面ライダードライブ』だ。『仮面ライダー』シリーズで初めて、ライダーがバイクではなく車を運転するということで、スタート当初には賛否あったというか、色々とツッコまれまくっていたライダーだ。前述したように、主人公は竹内涼真。そして、ヒロイン役を内田理央が務めた。2人は警察のバディという設定だったが、時を経た今、この2人が恋愛ドラマの主演を務めても全く違和感が無いような組み合わせである。


そんな竹内のその後の活躍は言わずもがな。日曜劇場の主役や映画の主演なども務め、今年7月クールのドラマ『六本木クラス』でも主役に抜擢された。『仮面ライダー』シリーズは、テレビ朝日系列で放送されている。日曜の朝の枠から巣立った竹内が、同じテレビ朝日の夜帯のドラマ、しかも、超話題作に主演として帰ってくる…。当時、竹内を青田買いした母親世代は特に歓喜したことだろう。

さて、歴代の『仮面ライダー』シリーズの中には、イケメンパラダイスのようなライダー作品があったことをご存知だろうか。
2013年から2014年に放送された『仮面ライダー鎧武』だ。戦国武将とフルーツがモチーフになっているという点もユニークなのだが、この頃には、ひとつの作品の中に、数人の仮面ライダーが登場することも当たり前になっていた。主役の仮面ライダー鎧武を演じたのは、佐野岳。その他、小林豊高杉真宙久保田悠来らも仮面ライダー役として脇を固める。テレビの前で、そして、リアルイベントで…熱狂する息子と共に、イケメン若手俳優達に熱い視線を送っていた母親達も多かったことだろう。

他にも、俳優の名前だけでも挙げてみると、細川茂樹オダギリジョー水嶋ヒロ要潤福士蒼汰瀬戸康史吉沢亮磯村勇斗赤楚衛二、高橋文哉…かつては、みんな仮面ライダーだったのだ。
映画『何者』での佐藤健と菅田将暉の共演を見て、仮面ライダー電王と仮面ライダーWの共演だ!とワクワクしてしまった、なんていう話も聞いたことがある。これだけの俳優が『仮面ライダー』シリーズに出ていたのだから、その後、映画やドラマで新旧のライダーが共演するなんてことは珍しいことではない。

世の中の男の子達が仮面ライダーにハマるのは、せいぜい長くても3年くらいだろうか。シリーズ2~3作品にハマった後、一度興味は失せてしまい、スポーツや習い事、ゲームやアニメなどに興味関心が移行していってしまう。でも、男の子達が数年間夢中で見ていた、その時のライダー俳優は、その家族にとってはいつまでも仮面ライダー〇〇として心に残っているだろう。例えば、筆者の家では、いまだに竹内涼真がテレビに映ると、『仮面ライダードライブ』を思い出してしまうし、彼が映画やドラマの主演を務めると、家族みんなで応援してしまうほどだ。

最後に、そんな『仮面ライダー』関連で、気になる2つの作品を紹介したい。1つは、Prime Videoにて、世界独占配信が開始された『仮面ライダーBLACK SUN』という作品だ。主演は、西島秀俊中村倫也。ここまでは、若手の登竜門として語ってきたが、今まさにノリに乗っている2人の俳優が仮面ライダーを演じている。

そして、2つ目の作品は、庵野秀明監督の『シン・仮面ライダー』である。主演は池松壮亮、ヒロインは浜辺美波。こちらの作品はまだまだ謎に包まれている印象だが、公開は来年3月。「シン・ゴジラ」、「シン・ウルトラマン」に続くシン・シリーズとして、既に期待値が高まりまくっている読者も多いことだろう。

時を超え、世代を超え、老若男女に対して、ずっとワクワクを提供し続けてくれている『仮面ライダー』シリーズ。もう一度どっぷりハマるなら…「今」かも知れない。

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