これまで3000人以上の男女の相談に乗ってきた、恋愛・婚活アドバイザーの菊乃です。髪もボサボサで化粧もしない“完全なる非モテ”から脱出した経験を活かし、多くの方々の「もったいない」をご指摘してきました。
誰も言ってくれない「恋愛に役立つリアルな情報」をお伝えします。

今回は、変化が激しいマッチングアプリの現在についてです。

参入しては撤退していくマッチングアプリ

「ゼクシィ縁結び」も終了。次々できては撤退していく、マッチン...の画像はこちら >>
昨年、リクルートが婚活サービスからの撤退を発表し、マッチングアプリ「ゼクシィ縁結び」は2026年3月にサービスを終了しました。また、DeNAが提供していた、AIで相手を推薦するマッチングアプリ「fromm」も、同月末で終了しています。

他にも、ここ数年でマッチングアプリ事業から撤退した大手は、Yahoo!(2025年3月撤退)やCCCグループ(2020年撤退)などが挙げられます。一方で、東京商工リサーチによると、マッチングアプリ運営会社は19年3月末の5社→25年3月末の28社と増え、競争が激しくなっています。

なぜ企業が相次いで参入し、そして撤退していくのか?

マッチングアプリ「with」「Omiai」を運営している、株式会社エニトグループCEOの野辺一也さんにその背景を聞きました。

満足度は、ユーザーの数と健全さで決まる

野辺さんがまず挙げるのは、マッチングアプリにおける満足度が「ユーザー数」と「利用者層の健全さ」に大きく左右される点です。

マッチングアプリは、機能やUIがどれだけ優れていても、それだけで評価されるわけではありません。ユーザーが重視するのは、「マッチングできるか」「すてきな相手と出会えるか」です。

つまり、ユーザー数が多く、かつユーザーの一定の質が担保されているアプリほど満足度は高くなります。

「ゼクシィ縁結び」も終了。次々できては撤退していく、マッチングアプリの裏事情
株式会社エニトグループCEOの野辺一也さん
例えば男性の場合、登録しても誰ともマッチングできなければ離脱します。女性の場合も、マッチング直後に「写真を送って」「LINEを交換しよう」といった軽いアプローチばかりでは、継続利用につながりにくいのです。

野辺さんは、「マッチングアプリ自体の開発難易度は決して高くないため、参入を検討する企業は多い」と話します。
しかし現在は市場が緩やかな成熟期に入っており、新規サービスが一定のユーザー数を獲得するハードルは高い。結果として、既存サービスが有利になりやすい、といいます。

また、「本人確認を含む運営体制の構築と継続も参入障壁の一つ」だと野辺さん。

マッチングアプリは、未成年の利用を防ぐため、公的身分証による本人確認が必須です。このため、ユーザー数が多い既存アプリにパートナー探しのマッチング機能を追加するのではなく、独立したアプリとして開発せざるを得ないケースが多いそうです。

さらに野辺さんは、「万人向けではなく、ニッチ領域や大手企業が参入しない領域なら参入の余地はある」とも話します。例えば、オタク特化型の「オタ恋」や、既婚者マッチングアプリなどが、これに当たります。

気軽なスワイプ型、真剣度が高い検索型

マッチングサービスの歴史は古く、1995年にはアメリカで最初のサービス(当時はマッチングサイト)が誕生しています。インターネットやスマートフォンの普及に伴い、利用者とサービス数は大きく増加しました。

現在、大手とされる「Tinder」「ペアーズ」「with」「タップル」「Omiai」などは、2012年から2015年頃に登場しています。特に、新型コロナウイルスの感染拡大によって対面での出会いが減少した2020年は、利用率が大きく伸びました。

「ゼクシィ縁結び」も終了。次々できては撤退していく、マッチングアプリの裏事情
マッチングアプリ表
マッチングアプリは大きく2つに分類されます。条件検索で相手を探す「検索型」と、直感的に選ぶ「スワイプ型」です。


現在のユーザーは、複数のアプリを同時に試し、最終的に1つに絞る使い方が主流となっています。

スワイプ型は、位置情報や趣味をもとに気軽な出会いを探せる点が特徴。一方、検索型は、結婚や長期的な交際を見据えた相手探しに適しています。

かつてはマッチングアプリの利用を周囲に隠す人も多かったですが、現在では婚約者を親に紹介する際に「アプリで出会った」と伝えることも珍しくありません。友人同士で使い勝手を共有する機会も増え、ユーザーの目は一段と厳しくなっています。

なお、交際相手が見つかるまでの平均利用期間は約4~5カ月で、これは大きくは変わっていません。一般的に、年齢が若いほど短期間で交際に至りやすく、年齢が上がるほど時間がかかる傾向があります。

かつて「若者向け」のイメージが強かったマッチングアプリですが、現在は30代・40代の利用も増加しています。過去に利用していた20代が年齢を重ね、そのまま利用を継続していることが背景にあるでしょう。

「ゼクシィ縁結び」も終了。次々できては撤退していく、マッチングアプリの裏事情
※写真はイメージです

「結婚につながらない出会いはムダ」と考えるZ世代

1990年代から2000年代前半には、『恋のから騒ぎ』(日本テレビ系列、1994~2011年)のように一般人の恋愛体験を扱う番組が人気を集め、合コン文化も広がっていました。恋愛経験の多さが一種のステータスとして語られる時代でもありました。

しかし現在の20代~アラサー世代は、必ずしも多くの恋愛経験を求めていません。結婚につながらない出会いを「非効率」と捉え、真剣な交際相手を探す傾向が強まっているのです。
これは日本に限らず、世界的なトレンドでもあります。

あの「Tinder」の会員が減ってきたワケ

例えば、「Tinder」は2012年に米国で生まれ、世界で大流行しましたが、今はユーザーが減ってきています。「Tinder」は位置情報を活用して出会えるスワイプ型のマッチングアプリで、「遊び目的、肉体関係目的の利用者が多い」というイメージを持つ人も日本では少なくありません。

運営元Match Groupの発表によると、世界での「Tinder」の有料ユーザー数は、2022年の1090万人をピークに、2023年は1037.5万人、2024年は969.6万人、2025年は877万人へと減少しています。
一方で、価値観マッチングを掲げるエニトグループの「with」は、日本での主要マッチングアプリ5社で、利用者増加率1位となっているそうです。

こうした動きは、気軽な出会いよりも、相性や真剣度を重視するユーザーが増えていることを示す一例と言えそうです。

20代から効率的に結婚相手を探すトレンド

この流れは、結婚相談所など、他のマッチングサービスにも表れています。日本最大級の結婚相談所ネットワーク「IBJ」では、過去5年で20代の入会者数が2倍以上に増加しているそう(『2026年IBJ成婚白書』)。かつては28~29歳での婚活開始が一般的でしたが、現在では25歳前後から活動を始めるケースも珍しくないといいます。

今後は、アプリを含むマッチングサービスに、効率的な「結婚につながる出会い」を求める人が増えていきそうです。

<取材・文/菊乃>

【菊乃】
恋愛・婚活コンサルタント、コラムニスト。29歳まで手抜きと個性を取り違えていたダメ女。低レベルからの女磨き、婚活を綴ったブログが「分かりやすい」と人気になり独立。
ご相談にくる方の約4割は一度も交際経験がない女性。著書「あなたの『そこ』がもったいない。」他4冊。Twitter:@koakumamt
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