AKB48倉野尾成美が、2月24日より全国公開が始まる映画『いちばん逢いたいひと』でスクリーン初主演を果たし、骨髄移植で命を救われた白血病の少女を演じている。チーム4のキャプテンとして忙しい日々を送る倉野尾にとって久々の外仕事となった初主演映画。
現場での経験を通じて気づいたことを語ってもらった。

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これまで映画には『未成仏百物語~AKB48 異界への灯火寺~』(2021年)でAKB48から8人の選抜メンバーの1人に選ばれた経験もあった倉野尾だが、本編約100分の長編で大きな役を演じるのは初めて。しかも出演のきっかけは、監督を務めた丈(旧芸名:小野寺丈)によると、AKB48メンバーのプロフィールを見比べて直感で選んだとのことだ。

「まだスクリーンでがっつりとお芝居をさせていただいた経験も少ないのに…私で大丈夫かなという気持ちも(オファーをもらった時に)よぎりました。でも現場では丈さんが『作りこまないでそのまま自然体で』とアドバイスをくださったので、役になりきろうと気負いすぎずに撮影に臨めたと思います。あ、でも楓は都会の子で、(出身地の)熊本のイントネーションがつい出てしまうとダメなので、そこが意外な集中ポイントでした」

自然体で演じることができたと振り返りながら、実はかなり「緊張しい」だと気づいたという。「グループ外でのお芝居の経験もまだまだで、ずっと心臓バクバクだったんですけど、『全然緊張してるように見えないよ』って言っていただけたので、態度に出さないで平静を装うのが上手いみたいです。本番に強いということですかね(笑)今回のお仕事では顔なじみのメンバーがいないので、余計に緊張しっぱなしでした」

本作は、11歳で白血病を患った少女・笹川楓と、彼女に骨髄を提供したドナー・柳井健吾(崔哲浩)の交錯する運命を軸にしたヒューマンドラマ。倉野尾は成長した楓として作品中盤から登場、命を救ってくれたドナー提供者を探して一人旅に出る。

「少女時代の楓役の田中千空ちゃんとは本読みの日にご一緒できたので、そこで彼女の役のイメージを理解できてよかったかなと思います。撮影も別日程で完成後に初めて通しで楓の成長を見てみたのですが、2人で共有できた楓のまっすぐなイメージをぜひスクリーンから感じ取ってください。私も勇気づけられた、楓の生き様やクライマックスのセリフにもぜひ注目してもらえれば」

ロケでは映画の舞台になる広島県東部の府中市・福山市・尾道市を中心に撮影を行った。
熊本県出身の倉野尾にとっても、親しみを感じる土地での経験になったようだ。

AKB48では21年にチーム4のキャプテンに就任、その一方で長く所属したチーム8が今年4月に活動を休止となり、グループ内でも大きな変化を経験。よりチームワークを意識するようになった。

「この映画のロケで『立ち位置をすぐ全部覚えている』って褒められたんですが、AKB48でのお仕事で、自分のポジションや周りの子たちが何を思って、どうしているかを気にするようになった習慣のおかげなのかなと思います。私、思ったよりもしっかり者に見られているようですね。

チーム4のキャプテンを任される前はあまり自分から絡みに行く方ではなかったんですが、チームのメンバーのことをもっと知りたいと思うようになって。彼女たちの気持ちを知ることはもちろん、パフォーマンスもチェックして、皆劇場公演の度に上手くなってるなって、私も刺激を受けているしチームにもさらに愛着がわいています」

自分のことを緊張しがちと自覚しながらも、「緊張でハイになっているから、かえって頭の回転がよくなるみたいですね(笑)。MCで他の誰かが言葉に詰まって、1秒でも沈黙が流れたりするとすぐフォローできるんですよ。事前のシミュレーションや、場を読むことは昔から得意だったので。いざ本番になればどうにかなるさ、と開き直れるのは強みかも」と、臨機応変に対応する力が身についているようだ。

映画では、骨髄移植で命を救われた楓は、人生を諦めず一瞬一瞬を全力で生きることの大切さも知った。「今、一番やってみたいことは?」の問いに倉野尾は「お芝居を極めたいです」と答える。
もともと映画やドラマも好きで、「いつかは本格的に携われればな」と俳優業も目標だった。昨年もAKB48 Team 8の舞台「KISS 8」などに出演してきたが、久し振りの外仕事となったこの経験で、切磋琢磨していきたい気持ちが強くなったそうだ。

「演技のお仕事も今まではグループ内でのものが多かったので、ソロで俳優の皆さんの中に混じって、揉まれていかないとなと思っています。映画はライブや演劇と違って、場面ごとに撮っていくのでテストと本番のモードの切り替えにも慣れていかないといけないですね。
それに『いちばん逢いたいひと』の現場でも、思い返すと(表には出さないけど)始終緊張しきりでしたから…引け目を感じなくなれるくらいの経験を積んでいきたいです」

チーム4では、チーム8以来の同輩の小栗優有以や下尾みうもドラマや映画での単独出演などで活躍中。グループで頼られる存在になり、自身の目指すことも明確になってきた。

「まだこんな役をやってみたい、と言える立場ではないと思うので…グループの外にも出ていかないと、と実感するようになりました。AKBでの活動も楽しいですが、それだけで満足せずに演技の機会を増やしていかないと。経験あるのみなので、お芝居の現場ではどんな役作りのアドバイスでも大歓迎です!」

▽倉野尾成美(くらのお・なるみ)
2000年11月8日生まれ、熊本県出身。2014年にAKB48チーム8に配属。2021年にチーム4を兼任し同チームキャプテンに就任。初主演映画『いちばん逢いたいひと』は2月24日から全国公開される。
また3月2日に決勝戦開催予定の『AKB48グループ歌唱力No.1決定戦』にもノミネート中。
Twitter:@Kuranoo_Narumi_
Instagram:noochan_1108

ヘアメイク:神宮 好(オサレカンパニー)スタイリスト:松本 沙也加(オサレカンパニー)

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