ハロー!プロジェクトのリーダーを務めていたアンジュルム・和田彩花が18日の武道館コンサートをもってグループを卒業する。それに伴いハロプロのリーダーを引き継ぐのが
に関するニュース">モーニング娘。’19の譜久村聖だ。かつて「人生でハロプロを知らない人は10割損してる」と語り、誰よりもハロプロを愛する譜久村が、つばきファクトリー小野瑞歩と新沼希空と対談、その魅力を解説します。後輩2人による真剣相談も。
──今回はモーニング娘。’19のリーダーであり、ハロプロの次期リーダーにも内定している譜久村さんがゲストです。いかがですか、6月の就任を控えた今の心境は?

譜久村 今はハロプロリーダーの和田(彩花)さんと一緒に活動をすることが多いんです。私としては、それがすごくうれしいんですよね。というのも、今のハロー!プロジェクトで一番歴が長いのは和田さんなんですよ。私もハロプロエッグ(現・ハロプロ研修生)のときからずっと一緒だったから、基本的な考え方とかがすごく合うんです。

──和田さんはエッグ1期だから、2004年にハロプロ入りですよね。譜久村さんが入ったのが……。


譜久村 ’08年です。だから、かれこれ私も10年以上はハロー!にいることになるんですよね。

──つばきの2人と譜久村さんは、今までハロコンのユニットとかで絡みはあったんですか?

新沼 コンサートでは特にないんですけど、譜久村さんのやっているラジオ番組にゲストとして呼ばれたことがあるんですよ。私と瑞歩ちゃん、それぞれバラバラに出演させていただいたんですけど。

譜久村 また、その番組っていうのが長いんですよ。80分くらいずっとしゃべっている感じで。だから、そこで2人のキャラクターが見えてきた部分はあるかもしれない。

──その見えてきたキャラを教えていただけますか?

譜久村 まず、おのみず(小野)は好きなことをしゃべっているときはニヤケ顔になるんですよ。「ンフフ……」って感じで笑うんですけど、それがすごく可愛い! ラジオだとその表情が伝えられなかったけど、コンサートや動画で注目してほしいですね。ちなみにニヤケ顔をしたのは、大好きな佐藤優樹ちゃんのことを語っているとき。愛がまっすぐすぎて、まぶしかったです。

小野 やめてくださいよ~(笑)。
本当に恥ずかしい……。

譜久村 希空ちゃんは、すっごいポケポケしている! 前からふわふわした雰囲気の子だなとは思っていたんですけど、ラジオで話したら想像以上に天然さんで。メジャーデビューシングルの話を聞いているのにインディーズデビューシングルの話を始めたり、自分がデビュー何年目か理解していなかったり……。

新沼 いや、メジャーデビューした日ははっきり覚えているんです。だけど、年って意外ととっさに出ないものですよ。私、日にちは得意だけど年は苦手な人なんです。

──はぁ……。そんなこと、本当にあるんですかね。逆に、つばき2人から見た譜久村さんの印象は?

新沼 すごくしっかりしているし、リーダーというのはこういう方のことを言うんだなって。それはラジオのとき、すごく感じました。

小野 ちょっと! それじゃまるで私たちのリーダーがしっかりしていないみたいじゃないの(笑)。

新沼 (山岸)理子ちゃんはマイペースだもん。
それが悪いってわけでは決してないけど、譜久村さんみたいにテキパキしていないから。どっちがリーダーっぽいかって聞かれたら、単純に譜久村さんでしょ。

小野 譜久村さん、覚えているかなぁ。去年のハロコンのとき、たまたま私がアイシャドーの色を変えたことがあったんですね。そうしたら譜久村さんはそのことに気づいて、優しく声をかけてくれたんです。「今日のメイク、好き」って。私、それが本当にうれしかったんですよ。たぶん譜久村さんは私だけじゃなくて他の人たちにも同じように声をかけているはずだから、社交的で気配りの人なんだなって感動しました。

新沼 確かに譜久村さんってステージ袖で優しく話しかけてくれるようなイメージがありますよね。

譜久村 そう言ってくれるのはありがたいけど、実は私って全然社交的じゃないんだよね。人見知りだから「初めまして」の人とは会話が続けられないし、それどころか目も合わせられないくらいで。

小野 え~!? 意外です!

譜久村 ただ、それは日常の譜久村聖の話。
ハロー!のメンバーに対しては、普通に話すことができるの。自分から積極的に声をかけようと意識しているというより、パフォーマンスを観ていると自然に話したくなってくるんだ。やっぱりハロコンとか観ていると、「今日、この子は特によかった!」とか気づくことがいっぱいあるから。だって、観ていると単純に面白いんだもん。「この子は前とやり方を変えてきているな」とか「この子、この部分を強化しようとしているんだな」とか発見があるし。たとえばモーニング娘。の曲を他のグループが歌っていると、「こうした方がもっとオリジナルっぽいよ」とか声をかけたくなるしさ。そんな感じで人見知りの私でも最近はBEYOOOOONDSのメンバーと仲よくなることができました(笑)。

──すごいのは譜久村さんってキャリアを重ねてもオタク心を決して失いませんよね。つばきファクトリーというグループのことは、どのように分析しているんですか?

譜久村 つばきには2種類の声が存在するんですよ。「つばきの楽曲に合う声」と「楽曲から抜けていく声」。抜けていく声の代表が、きしもん(岸本ゆめの)とまおぴん(秋山眞緒)。
きしもんの声ってめちゃくちゃパワフルだし、なんなら最近はメイクも強めのイメージになっているじゃないですか。そういうきしもんの強さが、つばきの歌でアクセントになっている気がするんです。あと、まおぴんはダンスで注目されることが多いけど、歌も真似したくなる要素がいっぱいあるんですよ。

──どんな特徴がありましたっけ?

譜久村 声というよりは歌い方ですね。アクセントが強いんです。逆にりさまる(小片リサ)なんかは、つばきの曲に合った素直でフラットな歌い方をするんですけど。曲の主人公になりきっている感じで。でも、そこから少し飛び抜けているメンバーもいる。そのバランスが素晴らしいなって思うんです。

──ごめんなさい、オタクどころか完全に理論派の評論家ですね(笑)。この2人に関しては?

譜久村 その角度でいうと、希空ちゃんは完全につばきに合う声なんでうすよ。だから(浅倉)樹々ちゃん→りさまる→希空ちゃんの順番で歌うと、めっちゃ綺麗に聴こえるんですね。
逆におのみずは、声も表情も元気系。つばきの明るいニュアンスを担当することが多いんです。つばきの曲っていうのは全体的に「恋愛に対して不安な女子」をテーマにしていることが多いんですけど、そこにおのみずのキラキラした笑顔と声が乗ることで色が増すんです。

新沼 いやぁ……うれしい! こんなに細かくつばきのことを見てくれている人はいないですよ。つばきのメンバーよりもつばきのことを深く理解していると思います。

小野 すごすぎます。私もモーニング娘。さんが大好きだから、ハロコンでは夢中になって観ていますけど、そこまで深く考えないですもん。

──では、ここから業界の大先輩である譜久村先輩に対し、2人からの相談コーナーとしたいと思います! 積極的に質問をお願いします。

小野 では私から! 「自分の個性」とか「自分にしかない持ち味」って何だろうって……。実はこれ、デビューしたときからずっと悩んでいることなんです。考えても考えても答えが結局分からないんですよ。

──ある意味、これはグループアイドルあるあるかもしれないですよね。誰もが一度は通過する悩みで。

譜久村 本当にそう思います。というか、私もいまだにそれで悩んでいますよ。自分は個性がないなって落ち込むことがあるんです。

新沼 譜久村さんでもですか?

譜久村 昔、9期4人でUstreamを使って動画配信していたことがあったの。そのときに他の3人はグイグイ前に出るのに私だけが積極的に自分を出すことができなくて……。困り果てて、最後はとうとうつんく♂さんにまで相談したからね。

──そのとき、つんく♂さんからはどういったアドバイスを?

譜久村 キャラは自分から作るものではない。他人に感じてもらうものなんだって。自分が培ってきたものが自然とキャラになるって、そのようにおっしゃっていました。キャラは無理して作るものではなく、本来の自分の姿だという考えですよね。

小野 そうかぁ……。でも、それって本当に難しい話ですね。

譜久村 うん、だから私も私の魅力は他の人が知っているんだって考えるようになったんだ。たとえば他のメンバーとかね。さっきも評論家みたいとか言われたけど、私は他のメンバーのいいところをすごく理解しているつもりなのね。だけど、自分のいいところだけは分からない。でも、今はそれでいいのかなとも思っているの。おのみずに関して言うと、私はキラキラしているまなざしがすごく可愛いと思う。

──それとニヤケ顔ですよね。

譜久村 そうですね(笑)。なんか私、おのみずを見ていると加入当初の鈴木香音ちゃん(9期メンバー、’16年卒業)を思い出すんですよ。それで親近感を覚えているんですけど。「お仕事、楽しい!」って感じで、何でも好奇心旺盛に取り組んでいる気がしますし。

小野 あぁ、でも実際にお仕事は楽しいし、新しいことにチャレンジするのが好きなんですよ。

譜久村 うん、だからそのまっすぐな気持ちをいつまでも大切にしてほしいなって私は思います。

小野 はい、肝に銘じます! 今、本当に涙が出そうです……。

新沼 じゃあ、私からもご相談が。アイドル活動を続ける中で気持ちがへこんでしまったとき、どうやって気持ちを立て直していますか?

譜久村 ペットに癒されることが多いな。犬と猫と蟹を飼っているので。それと私は漫画が大好きだから、作品の世界に没頭することで気分転換することはあるかもしれない。

新沼 どういう系の漫画ですか?

譜久村 最近は転生系! 生まれ変わって、違う人生を歩む。それも全然知らない異国の地で……とかね。実際の生活とかけ離れている方が、現実の嫌なことは忘れられるんじゃないかな。ちなみに希空ちゃんは、どういうことで悩むの?

新沼 振り覚えが遅いんです。

──そんなの、悩みとしては可愛いものじゃないですか。

新沼 いや、でもやっぱり周りに迷惑をかけちゃいますから。

譜久村 ストレスになるよね。すごく分かるな。私も振りを覚えるのはすごく遅いから。

新沼 意外! 本当ですか!?

譜久村 これはもう向き・不向きの問題で、どうにもならないかもしれないって思う。でも、考え方を変えてみるといいかもよ。リハーサルはやっぱりリハーサルじゃない。一番大事なのは本番でしょう? 本番で輝くための練習なんだから、その途中経過で悩んでいても意味がないというか。やっぱり自信満々で本番に臨むべきだから。自分に自信がないと、観ている人に伝わっちゃうしね。

新沼 なるほど。そう考えると、少し気が楽になった気がします。

──芸歴11年目の大先輩だけあって、言葉に深みがありますね。というわけで今回はこのへんで……。

小野 ちょっと待ってください! 私、追加でどうしても譜久村さんにご相談したいことがあるんです!

譜久村 えっ!? 何かな?

小野 あの……佐藤優樹さんへのお誕生日プレゼントは、何にすれば喜んでいただけますかね(笑)。

──誌面を使って、公私混同もはなはだしい質問ですね(笑)。

譜久村 優樹ちゃんへのお誕生日プレゼント、私はいつもキラキラしたものをあげているけどね。

──スワロフスキーとかですか?

譜久村 そこまで本格的じゃなくてもいいんです。ファンシーなお店に行くと、ガラスっぽい感じでキラキラ光っているケースとかがありますよね。私、前はエメグリに光った飴をあげました。だから悩んだら少しでもキラキラしたものを選ぶのが正解! よりシャンデリア寄りのものがいいんじゃないかな(笑)。

小野 キラキラしているものか……。早速、実践させていただきます! ものすごく勉強になりました!
▽小野瑞歩(おの・みずほ)
2000年9月29日生まれ、東京都出身。O型。ニックネームは「おみず、おのみず」。つばきファクトリー。天真爛漫を体現したかのように、常に笑顔。モーニング娘。’19の佐藤優樹のファンであり、もともと好きだったエメラルドグリーンが佐藤のメンバーカラーだと知ったときは運命だと思ったそう。

▽新沼希空(にいぬま・きそら)
1999年10月20日生まれ、愛知県出身。O型。ニックネームは「きそら、きそちゃん」。つばきファクトリー。「天然」や「不思議キャラ」とも呼び声が高いが、メンバーの山岸理子&秋山眞緒によれば、「意外と考えているお母さん的存在」なのだとか。ブログは毎回「バイキソラーン」で締めることでもおなじみ。

▽譜久村聖(ふくむら・みずき)
1996年10月30日生まれ、東京都出身。O型。ニックネームは「ふくちゃん」。モーニング娘。9期メンバーとして2011年に加入。現在、モーニング娘。史上最長リーダーの記録を更新中。6月に和田彩花が卒業後、ハロプロ全体のリーダーにも就任することが発表されている。
「ハロプロを知らない人は10割損してる」モーニング娘。譜久村聖が、つばきファクトリーの魅力を徹底分析

▽モーニング娘。’19最新シングル『人生Blues/青春Night』
6月12日(水)発売

3人の座談会は、前ページまでで終わりだが、このページではボーナストラックとして普段は温厚な3人が「私の最近怒ったエピソード」をそれぞれに語ります。

小野瑞歩の怒った瞬間
新幹線で大阪に向かう途中、ちょっとうとうと眠っていたら、突然目がかゆくなったんですよね。「何だ?」と思って目が覚めたんですけど、どうやら寝ている間に虫に刺されていたみたいなんです。気がついたら結構派手に目が腫れちゃって……。何せ瞼も満足に開かないレベルでしたから。でも、新幹線の中ですよ? 蚊とかハエとかだったらまだしも、そんな物騒なムカデや巨大蛾みたいなものが入ってくるとは思えないんですよね。そこは今でもミステリーなんです。で、問題はそのあとなんです。『うたコン』(NHK)に出演することが決まっていたんですけど、あの番組って生放送なんですね。ということは、全国に私の腫れた目が流されることになる。もう私のアイドル人生は終わったな……と落ち込んでいたんですけど、なんとかギリギリで治りました!

新沼希空の怒った瞬間
私の場合、他人に怒るというよりも自分に対してイライラすることが多いです。特にひどいのが、ICカードの紛失。去年だけで10枚以上はなくしたと思いますね。あれって一度なくすと再発行に500円かかるんですよ。しかも私の場合はICカードケースも同時になくすから、そのお金も馬鹿にならない。だから途中からはICカードを剥き出しで持ち歩くようになったんです。でも、そうしたらさらになくす頻度が高くなっちゃって……。あと最近は無駄にケガもするんですよ。私が使っているベッドって下に収納できる引き出しがあるタイプなんですけど、それを開けっ放しにして寝るものだから、ほぼ毎朝、寝ぼけた状態で足をぶつけちゃう。「なぜあのとき閉めておかなかったんだ!」って自分に対する憤りが止まりません。忘れずにちゃんと引き出しを閉めて寝たいですね。

譜久村聖の怒った瞬間
撮影に向けて、ごはんを我慢していたときの話です。譜久村家の夕飯の食卓でお蕎麦が出たんですけど、夜8時以降は食べるのNGっていう話があるから泣く泣く諦めたんですね。でも私としてはどうしてもお蕎麦が食べたかったから、翌日に食べるために取っておいてほしいってお父さんに頼んだんです。で、次の日の朝に冷蔵庫のドアを開けたら、跡形もなくなっていて……。よくよく聞いてみると、知らないうちに弟が食べていたらしいんですよ! 「どういうこと!?」って問い詰めたくても、弟はすでに出かけちゃっているから怒りのやり場もない。その日は現場でもマネージャーさんにブーブー文句を言い続けていました。……そうしたら夜になって、マネージャーさんがとろろ蕎麦を買ってきてくれたんですよ! うちの弟とは違って優しいなって感激しました(笑)。

(『月刊エンタメ』2019年7月号掲載)