2019年に『3年A組 -今から皆さんは、人質です-』で連続ドラマに初めてレギュラー出演して以降、数多くの話題作に出演している大原優乃。『ゆるキャン△』シリーズで演じた各務原なでしこ役が好評を博し、『女子グルメバーガー部』、『あせとせっけん』、『-50kgのシンデレラ』ではW主演も務めた。
放映中のドラマ『なれの果ての僕ら』も話題の彼女に、本作の撮影エピソードを聞いた。

【写真】全身写真もあり、大原優乃の撮り下ろし写真【6点】

『なれの果ての僕ら』は同窓会のために母校に集まった元6年2組の担任と生徒23人が、3日間監禁され、13人死亡するという大事件に巻き込まれる予測不能な展開が続くサスペンス。同世代のキャストが集まり、熱気のある現場だった。

「全員で良い作品を作ろう! という気持ちをすごく感じる現場で、キャストの人数が多い分、自分の芝居が誰かに影響することが多かったので、それぞれ関係性の近い役柄同士で密にコミュニケーションを取って、シーン毎の動きを話し合いました。撮影初日から、みんなで良い雰囲気を作っているなと感じましたし、こんなに大勢の同世代の役者さんとご一緒する機会もなかなかないので、たくさん刺激をもらいました」

原作は『週刊マガジン』で連載後、『マガジンポケット』で配信された人気コミックで、SNSでも大きな反響があった作品だ。

「お話をいただいてから原作を読ませていただいたんですが、現実ではあって欲しくない出来事ですけど、すごく“リアル”を感じた作品で。
なので、ちゃんと覚悟を持って役と作品に向き合いたいなと思いました。私の演じた雨宮鈴子は、彼女なりの正義があって、信じぬく力を持った女の子だなと原作を読んだときに感じました。ただ衣装合わせで1~3話の演出を担当した城定秀夫監督にお会いしたとき、おとなしくて控えめな子というワードをいただいたんです。自分が持っていた印象とは少し違うものだったので、そこを擦り合わせて現場に入らせてもらいましたが、あえて役を固めないようにしました。23人いる中で、周りの方のお芝居を見て、それぞれの役を理解していくことを意識して、その上で自分が雨宮としてできることは何だろうというふうに役を作っていきました」

過去にもマンガの実写化作品に出演しているが、今回は原作にとらわれずに現場に臨んだ。

「マンガの実写化作品に出るときは、かなり原作を意識するんですが、今回は監督やプロデューサーさんから、『作品のリスペクトがありつつも、原作に寄せ過ぎなくても大丈夫です』と言われていたので、いつもとは違った心意気で臨みました」

第2話は、雨宮が過去に受けたいじめについて同級生たちに謝罪を求めるという、雨宮にスポットを当てた回。


「2話は雨宮の過去や弱さが見える回です。過去に6年2組で起きたことを話すシーンがあって、雨宮のことを知ってもらう重要な場面なんですが、撮影二日目に撮ったので、すごく緊張したのを覚えています。雨宮が過去に抱えたトラウマはとても理解できる部分で、彼女の弱さを理解した上で演じようと意識しました。雨宮は弱いだけではなく、守りたいものや信じるものに対して思い抜く気持ちは誰よりも強いと思っています。生死をさまよう環境の中で、雨宮が変わっていく姿を今後期待していただきたいです」

本作の主人公、“ネズ”こと真田透を演じるのはジャニーズ Jr.内のグループ「HiHi Jets」の井上瑞稀。

「井上さんとは今回初めて共演させていただいたんですが、お互いに人見知りなので、顔合わせのときはぎこちなかったかもしれません(笑)。
でも雨宮にとってネズくんは大きな存在なので、たくさんコミュニケーションを取らせていただきました。それによって言葉を交わさずとも、お互いの呼吸で通じ合えるような関係になれていたんじゃないかなと思います」

もう一人の主人公であり、監禁事件を実行する首謀者・夢崎みきお役を演じた犬飼貴丈とは過去にドラマ「-50kgのシンデレラ」でW主演を務めた経験がある。

「生徒役の中では犬飼さんが最年長だったのですが、常に周りを俯瞰して見ていらっしゃって、現場を一つにまとめてくださっていたのが印象的でした。私が悩んでいるときにも声をかけてくださったので、すごく助けられました」

過去に共演経験のあった佐久本宝、工藤遥の存在も大きかった。

「宝とは『3年A組 -今から皆さんは、人質です-』で初共演して以来、プライベートでも仲の良い親友です。『いつかまた一緒に芝居合戦しようね』って約束をしていたのが、今回ようやく叶いました。
撮影が終わった後に電話して、その日感じたことだったりを話したりして、明日も頑張ろうねって言い合って、すごく救われましたね。遥ちゃんとは『あせとせっけん』というドラマで共演したんですが、同じ年なので気も合って。今回は撮影終わりにラーメン屋に行って、一緒にビールを飲みました(笑)」

3話目以降も、ドラマはスリリングな展開が続く。

「1話目から展開が早くて、この作品がどういうものなのか十二分に伝わる内容でしたが、衝撃的な展開が最後まで止まらないストーリーになっているので、ぜひ最後まで見届けていただきたいです。この作品は、“死”が印象的に描かれた作品ですが、監禁されている環境の中で生き抜こうとする、それぞれのキャラクターの生きざまが美しいので、そこにも注目してほしいです」

大原自身は、まだ同窓会の経験がないという。

「以前あった同窓会は、お仕事で行けなかったんです。
ただ私は本当に人見知りなので、途中参加がいいです。誰にも気づかれずに、いつの間にかいたみたいなのがいいですね(笑)」

【後編】『なれの果ての僕ら』で話題・大原優乃、俳優業へのきっかけは「グラビア」