「毎年、健康診断を受けているから大丈夫」

そう思っている人ほど危ないかもしれません。

実は腎臓は、機能の大半を失うまで異常が出ない臓器。
“異常なし”のまま進行し、気づいたときには透析寸前――そんなケースが後を絶ちません。

20万人を診てきた専門医は、こう断言します。「今の健康常識だけでは、腎臓病は防げない」

では、何が決定的に足りないのか。

20万人を診た糖尿病・慢性腎臓病の世界的名医でAGE牧田クリニック牧田善二院長がたどり着いた糖尿病・高血圧の命を救う方法を徹底解説した書籍『腎臓 人工透析にさせない最強の医療・食べ方』(三笠書房)から一部を抜粋してご紹介。
○健康でも油断禁物…プロテインが腎臓にかける“想像以上の負担” 

すでに腎臓病がある人は、タンパク質の摂取を一日60グラム以下くらいに制限されます。タンパク質を分解する過程で生じる尿素が増えれば、それを濾過する腎臓の負担も大きくなるからです。

腎臓病がない人は、肉も魚も普通に食べて構いませんが、あえて粉末や液体の「プロテイン」を摂ることはやめましょう。

食が細くなってきた高齢者や、ジムで体を鍛えている人などを対象に、最近はプロテインの摂取がすすめられています。肌や毛髪などを美しく保ったり、骨を丈夫にしたりするためにも、プロテインが効果的だと思い込んでいる人もいます。

しかし、それによって腎臓を悪くするケースが多々あるのです。

粉末や液体のプロテインは、肉や魚などの食品よりもはるかに高濃度のタンパク質を含んでいます。 ただでさえ、加齢で腎機能が落ちているのに、中高年からのさらなるプロテイン摂取は腎臓に負荷をかけ、とても危険です。

○タンパク質が足りなくなることは、まずない

プロテインを「よいもの」として捉えている人たちは、「健康維持のためにタンパク質を積極的に摂らねばならない」と考えています。私たちの体内では、絶えずタンパク質が新しくつくり替えられているため、「タンパク質が足りなくなったら大変だ」と心配しているのでしょう。

でも、菜食主義者が健康を保っているのを見ればわかるように、タンパク質が足りなくなることはありません。野菜にもタンパク質は含まれています。肉や魚などを完全に遠ざけるのもいけませんが、要はバランスです。無理に頑張って摂取する必要はないのです。

○「もっと摂るべき」は思い込み…体に備わる“アミノ酸の貯蔵システム”  

というのも、私たちの体には「アミノ酸プール」という優れた仕組みがあるからです。プールという名のとおり、そこには一定量のアミノ酸がストックされています。

このプールには、次の3つの生成経路によって、いつでも一定量のアミノ酸が保たれています。

1.筋肉など体のタンパク質が分解される
2.食事などで摂ったタンパク質が分解される
3.体の中でつくられる

私たちの体のタンパク質は、分解されてアミノ酸となり、そのアミノ酸からまたタンパク質をつくるという形で再利用されます(1)。

さらに、食事で摂ったタンパク質もあるし(2)、自分でつくりだすこともできます(3)。

つまり、十分すぎるほどのアミノ酸があるわけです。
それにもかかわらず、高濃度のプロテインを摂れば、体内で分解されてどんどんアミノ酸がつくられます。

プールから溢あふれ出る過剰なアミノ酸は、分解されて尿素などの老害物を多量に生成します。そうなればそれを濾過する腎臓が疲れきってしまうことは、容易に想像がつきます。

実際に、私のクリニックで定期的に行なっている検査で、尿アルブミン値がいきなり高くなった女性の患者さんがいました。詳しく話を聞くと、健康のためにと通い始めたスポーツクラブですすめられたプロテインを飲んでいることがわかりました。

そのプロテインをすぐにやめてもらうことで、尿アルブミン値も正常化しましたが、定期的に検査を受けていなければわからなかったでしょう。
○それでも摂りたいなら......

タンパク質を摂りすぎると過剰濾過が生じて腎臓を悪くするということは、すでに1982年に、アメリカの著名な腎臓病専門医のブレンナー教授によって示唆されています。医学的に揺るぎない事実なのです。

腎臓病は気づかないうちに進行します。「自分は健康だ」と思っているうちに進行します。だから、現在どれだけ健康な人でも、高濃度のプロテインなどは摂らないほうがいいと、私は考えています。どうしても摂りたいというなら、尿アルブミンとeGFRを3~6カ月ごとに検査し、異常値が出たらすぐにやめるようにしてください。


○『腎臓 人工透析にさせない最強の医療・食べ方』(牧田善二/三笠書房)

もはや5人に1人の国民病。なのに通常の健康診断じゃ早期発見は難しい!

腎臓病は、ある数値があるレベルを超えると食事や運動などだけを変えても治らないのが真実。確実に透析になります。

自力には限界があるのです。

しかし、その事実を誰も教えてくれません。なぜなら、医師でさえ、その治療法を知る者が少ないから。

大ベストセラー『医者が教える食事術』の著者が贈る「そろそろ透析」といわれても、腎機能を維持し生還する治療法。

この知識を武器に、早めに、自ら動けば、透析から一生逃れることができます。
あきらめないで行動を。糖尿病、高血圧の人の必読書。

治せる医療の選び方/腎にいい薬/早期発見法/食べ方/血清クレアチニン値 4.0超、尿アルブミン5000超でも透析回避!

過去の暴飲暴食のツケは消せませんが、ツケの支払いを先延ばしすることはできます!
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