西山朋佳白玲に福間香奈女流四冠が挑戦するヒューリック杯第6期白玲戦七番勝負は、両者1勝で迎えた第3局が9月12日(土)に奈良県奈良市の「ふふ奈良/瑜伽山園地 茶室:たく庵」で行われました。対局の結果、両者得意の相振り飛車戦から終盤で抜け出した西山白玲が166手で勝利。
2勝目を挙げ防衛に向け前進しました。
○大注目の七番勝負

西山白玲が防衛すれば白玲通算5期で棋士編入資格を得るということもあり注目が集まるシリーズ。両者の間ではおなじみとなった独自の相振り飛車のオープニングから、本局は先手の福間女流四冠が先攻する展開となりました。決断の桂捨てから左辺の端攻めに打って出たのが実戦的な仕掛けで、このあと西山白玲の攻め急ぎに乗じて優勢を築くことに成功。

西山白玲の猛攻はなおも続きますが急所の拠点に打ち込む駒がないだけに息切れの感は否めません。福間女流四冠が丁寧に受け切って優位を拡大するかと思われた終盤の中ごろにターニングポイントが待っていました。飛車取りのと金引きで攻め駒を攻めたのが危険な踏み込み。手番を得た西山白玲は一気の踏み込みで「玉は下段に落とせ」の寄り形を作りました。

○実った受けの勝負手

ともに一分将棋を目前に控えた最終盤にさらなる分岐点が。西山白玲が自陣に銀を埋めて受けに回ったのは敵玉に詰みなしと見た開き直りですが、先手から正しく詰めろを続けられていたら一手一手の寄りだったとの結論に。福間女流四冠としては自然に見えた銀打ちの王手によってかえって後手玉が寄りづらいポケットに入ってしまったのが誤算でした。

九死に一生を得た西山白玲は手にした貴重な手番で最後の寄せに出ます。
終局時刻は18時23分、最後は自玉の受けなしを認めた福間女流四冠の投了で熱戦に幕が引かれました。全体を振り返ると、決め手を与えない双方の粘り強い指し回しと西山白玲の受けの勝負手が印象に残る好局となりました。勝った西山白玲は2勝1敗で防衛に向け一歩リードです。第4局は9月26日(土)に京都府京都市の「ザ・ゲートホテル京都高瀬川」で行われます。

水留啓(将棋情報局)
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