ドルチェ&ガッバーナ(Dolce&Gabbana)は、イタリア・シチリア島のタオルミーナにて、アルタ モーダ コレクションを発表しました。会場となったのは、地中海の光と植物に包まれたラディチェプーラ植物園(Radicepura Botanical Park)。
ブランドにとってシチリアは、創造の原点であり続ける特別な土地です。今回のアルタ モーダが見つめたのは、シチリアの自然そのものでした。

シチリアの庭園を纏う──ドルチェ&ガッバーナ Alta Mo...の画像はこちら >>
Photo by Marco Pionato / Alex Dobè ©DOLCE&GABBANA

前日に発表されたアルタ ジョイエッレリア(ハイジュエリー)が、宗教芸術や金細工を通してシチリアの精神性を描いたのに対し、アルタ モーダは花々や果実、植物が息づく庭園へと視線を向けます。レモンやオレンジ、テラコッタ、磁器、刺繍──自然の造形を職人技によってクチュールへと翻訳すること。それが今季のテーマでした。

シチリアの庭園から始まるクチュール
ラディチェプーラ植物園は、地中海の植生を集めた広大なボタニカルガーデンです。そこに並ぶテラコッタの鉢や、風に揺れる花々、果樹の葉。ドルチェ&ガッバーナは、それらを単なる装飾モチーフとして扱うのではなく、クチュールの構造そのものへと変換しました。

シチリアの庭園を纏う──ドルチェ&ガッバーナ Alta Modaが描く、花と工芸のクチュール
Photo by Marco Pionato / Alex Dobè ©DOLCE&GABBANA
オレンジやレモンは繊細なレリーフとなり、コルセットやボディスの上に浮かび上がります。葉や蔓は身体を包み込むように伸び、古代の花瓶を思わせる流麗なシルエットへと変化していきます。

シチリアの庭園を纏う──ドルチェ&ガッバーナ Alta Modaが描く、花と工芸のクチュール
Photo by Marco Pionato / Alex Dobè ©DOLCE&GABBANA
自然を模倣するのではなく、その生命力を服へ移し替えること。今回のアルタ モーダは、庭園そのものを纏うようなコレクションでした。


花と果実を工芸へ翻訳する
コレクションの随所には、花々の豊かな表情が立体的に表現されています。特に印象的なのが、マイクロドレープを施したインレイ技法によるドレスです。デコルテを彩る繊細な起伏は、まるで摘みたての花束のようなボリュームを生み出しています。

シチリアの庭園を纏う──ドルチェ&ガッバーナ Alta Modaが描く、花と工芸のクチュール
Photo by Marco Pionato / Alex Dobè ©DOLCE&GABBANA
また、シルクシフォンは一枚一枚職人の手によって折り重ねられ、花びらの層を思わせる軽やかな構造を形成しています。花びらの微細な色の変化。葉脈を思わせる陰影。咲き始めから満開へと向かう生命の動き。それらが写実的でありながら幻想的な表情として服の中に宿っています。

シチリアの庭園を纏う──ドルチェ&ガッバーナ Alta Modaが描く、花と工芸のクチュール
Photo by Marco Pionato / Alex Dobè ©DOLCE&GABBANA
自然を描くのではなく、自然が持つ時間や変化まで表現しようとする姿勢に、アルタ モーダならではの豊かな物語性が感じられます。

カポディモンテ磁器が教える装飾の美学
今季を語るうえで欠かせないのが、カポディモンテ磁器から着想を得たルックです。18世紀ナポリで生まれたカポディモンテ磁器は、ヨーロッパを代表する磁器芸術のひとつとして知られています。繊細な花飾りや立体装飾、優雅な曲線が特徴です。


シチリアの庭園を纏う──ドルチェ&ガッバーナ Alta Modaが描く、花と工芸のクチュール
Photo by Marco Pionato / Alex Dobè ©DOLCE&GABBANA
ドルチェ&ガッバーナは、その美学をデュシェスサテンやガザールといった素材の上で再構築しました。手描きによるスクロール装飾。立体的なガーランド。磁器のような艶を帯びた表面。そして一部のルックでは、実際の磁器装飾そのものを纏うような大胆な表現も登場します。

シチリアの庭園を纏う──ドルチェ&ガッバーナ Alta Modaが描く、花と工芸のクチュール
Photo by Marco Pionato / Alex Dobè ©DOLCE&GABBANA
そこには単なる装飾性を超えた、イタリアの工芸史への深い敬意が込められていました。

ファット・ア・マーノという思想
ドルチェ&ガッバーナのアルタ モーダを支えているのは、「ファット・ア・マーノ(Fatto a Mano)」という考え方です。イタリア語で「手仕事によって作られた」という意味を持つこの言葉は、ブランドのものづくりの根幹でもあります。

シチリアの庭園を纏う──ドルチェ&ガッバーナ Alta Modaが描く、花と工芸のクチュール
Photo by Marco Pionato / Alex Dobè ©DOLCE&GABBANA
精緻な刺繍。複雑なドレーピング。花や果実を立体化する造形技術。素材の質感を最大限に引き出す仕立て。
それらはすべて、人の手による膨大な時間の積み重ねによって成立しています。

シチリアの庭園を纏う──ドルチェ&ガッバーナ Alta Modaが描く、花と工芸のクチュール
Photo by Marco Pionato / Alex Dobè ©DOLCE&GABBANA
今回のコレクションが描いているのは、自然そのものではありません。自然を見つめ、それを工芸へ変え、さらにクチュールへと昇華する人間の創造力です。

ドルチェ&ガッバーナにとってのシチリア
ドルチェ&ガッバーナにとってシチリアは、単なるインスピレーションの源ではありません。ブランドの美意識そのものを形づくる原風景です。

シチリアの庭園を纏う──ドルチェ&ガッバーナ Alta Modaが描く、花と工芸のクチュール
Photo by Marco Pionato / Alex Dobè ©DOLCE&GABBANA

宗教芸術。民俗文化。地中海の自然。職人たちの技術。そして家族や共同体の記憶。今回のタオルミーナでの発表では、アルタ ジョイエッレリア、アルタ モーダ、アルタ サルトリアという三つのコレクションを通して、その多面的な魅力が描かれています。アルタ モーダが担ったのは、その中でも自然と工芸の章でした。


シチリアの庭園を纏う──ドルチェ&ガッバーナ Alta Modaが描く、花と工芸のクチュール
Photo by Marco Pionato / Alex Dobè ©DOLCE&GABBANA

レモンの香りが漂う庭園。咲き誇る花々。手によって形づくられるテラコッタや磁器。

ドルチェ&ガッバーナが今回提示したのは、シチリアの風景を再現することではありません。その土地に流れる時間や記憶、そして自然と共に育まれてきたクラフツマンシップをクチュールとして結晶化することでした。

アルタ モーダは、花を描いたコレクションではありません。それは、シチリアという庭園そのものを纏うためのクチュールだったのです。

シチリアの庭園を纏う──ドルチェ&ガッバーナ Alta Modaが描く、花と工芸のクチュール
Photo by Marco Pionato / Alex Dobè ©DOLCE&GABBANA

お問い合わせ:
ドルチェ&ガッバーナ ジャパン
電話 : 03-6833-6099
www.dolcegabbana.com
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