レビュー
本書は、べストセラー『日本でいちばん大切にしたい会社』シリーズの第8作だ。本シリーズは、社員や家族、取引先など関係者の「幸せ」を大切にする経営を実践し続けている全国各地の企業に着目する。
2年ぶりの本作は、コロナ禍とウクライナ侵攻に直面した不安定・不確実な状況で執筆され、「だからこそ」という著者の強い思いが込められている。その意味で、今までのシリーズとは一線を画す。
人間味あふれるユニークな入社試験を実施する松川電氣株式会社や、利益を度外視してでも弱い立場の人を送迎する株式会社フタバタクシーなど、選りすぐりの5社が紹介される。
これまでの著作同様に、中小企業の経営者の方、若いビジネスパーソンだけでなく、コロナ禍で苦労している経営者の方にも、ぜひ読んでいただきたい一作である。本作を読めば、社員を大切にするからこそ、継続的な利益を生み出せるという経営の方程式に気づくであろう。
本書の要点
・本シリーズは、利益・効率優先ではなく、社員や家族、関係先までも幸せにする「利他経営」を実践している企業を紹介する。
・松川電氣は「身体」「心」「経済」の「3つの健康づくり経営」で社員の人間性を育み、55年連続の黒字経営を実現している。
・フタバタクシーは、福祉・介護タクシーなど特殊車両を強みに、高齢者や障がい者など弱い立場の人を送迎する事業で地元からの信頼を得ている。
・おおこうち内科クリニックは、患者のニーズに応える、ホスピタリティー精神で「わざわざ客」の獲得に成功、患者を感動させている。
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