レビュー

あなたは「相手の本音をうまく引き出せない」「会話が表面的なもので終わってしまう」と感じたことはないだろうか。コミュニケーションにおける「聞く」の難しさは、多くの人が抱える共通の課題である。


著者の荒木俊哉氏は、電通のコピーライターとして、これまで100以上のプロジェクトに携わってきた。国内外で20以上のアワードを受賞しているプロフェッショナルであり、『こうやって頭のなかを言語化する。』などの著書はベストセラーとなっている。
本書では、その実力の源泉が「聞き方」にあると明かされる。コピーライターといえば「書く力」が重視されるイメージだが、仕事の本質はむしろ「聞く力」にあるという。クライアントの言葉を丁寧に引き出す「聞く」のプロセスこそが良いコピーを生むのだ。
さらに荒木氏は、「聞く」の重要性はコピーライターに限らず、あらゆる職種に共通するものだとして、安心して話せる場のつくり方や、本音を引き出すための具体的な工夫を示している。とくに「まずは100パーセント受け入れる」「『でも』を使わない」といったシンプルな原則が、対話の質を大きく変えるという指摘は印象深い。
本書を通じて、聞くことは単なる受け身の態度ではなく、能動的な技術であるという認識が得られるはずだ。仕事で成果を高めたい人、公私問わず良好な関係を築きたい人はもちろん、1on1などの対話に苦手意識を持つ人にも一読を勧めたい。

本書の要点

・長年コピーライターとして活動してきた著者は、日々の業務において、書くことや伝えること、話すこと以上に聞くことを大切にしている。「聞く」の重要性はコピーライターに限らず、クライアントの依頼を受けて遂行するあらゆる仕事に共通する。


・人は誰でも、自分の話を丁寧に聞いてもらえると安心感を抱く。そのような場をつくるために意識すべき1つ目のルールは、相手の話をまずは100パーセント受け止めることである。
・相手の考えや本音をより深く引き出すために有効なのが「追い聞き」である。これは、「ちなみに、そうおっしゃったのはどうしてでしょうか?」といったように、発言の意図や背景をさらに掘り下げて問いかける手法を指す。



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