レビュー

メルカリはなぜ、売り切れた商品を検索結果に表示しているのか。すでに売れてしまっているため、買い手にとっては“無駄な情報”のはずである。

それでも、あえて目に見える形で残しているのはなぜだろうか。
そこには、メルカリの戦略が隠されている。売り切れた商品をあえて検索結果に残すことで、ユーザーの購入率や継続率を高めているのだ。
人は売れてしまった商品を見ると、「もっと早く見ておけばよかった」「この価格なら買いたかった」と、後悔にも似た気持ちを抱く。そして、こまめにサービスをチェックするようになり、それが結果的に指標の底上げにつながっていくというわけだ。
本書はこのように、デジタルマーケティングの成長企業が実際に行い、効果を上げた100の施策を紹介している。著者はアプリマーケティング研究所の鶴谷智洋氏。鶴谷氏が10年にわたり自ら企業を取材して得た「生のノウハウ」が詰まっている。
さらに本書では、行動経済学コンサルタントの橋本之克氏とタッグを組み、成功事例を行動経済学の視点から読み解いていく。先のメルカリの事例は、後悔による不快さを避けようとする「後悔回避」の心理によるものだと考えられる。
現代は、あらゆる業界の企業がデジタルマーケティングを避けては通れない時代となった。本書の事例を参考にして、自社のサービスにマッチしそうなものから取り入れてみてはいかがだろうか。

本書の要点

・人は「わかりやすい」ものに好意を抱く。家電レンタルサービスの「レンティオ」は、サービス名の表記をアルファベットからカタカナに変えたら、検索数・口コミ数が急増した。
・英語学習アプリの「mikan」は、ユーザーの生活リズムに合わせてプッシュ通知を送ったところ、開封率が1.5倍に向上した。
・語学アプリの「Duolingo」では、ユーザー自身に目標を宣言してもらったら、継続率が大幅にアップした。
・自社サービスを最も愛してくれるお客様を見極めることが、事業の成長に欠かせない。



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