売れっ子を評して「テレビで見ない日はない」なんていうけれど、有吉弘行は2回見ない日はない。目下のテレビレギュラー番組は11本。

民放とNHKの全制覇で、すべて「有吉」の冠がついている。ラジオもあるし、NHK紅白歌合戦の司会も2年続けて務めた。


「有吉自身は特別面白い芸があるわけではないし、MCだって番組全体を自在に操れるほど巧みではありません。ただ、他の出演者に突っ込んだり、まぜっかえすタイミングが絶妙で、見ている人を飽きさせない。毒舌といわれますが、あれは毒舌というよりにぎやかし。好感度が高く、有吉がしゃべっているときにチャンネルを替える視聴者が少ないことは、毎分視聴率にも表れています。番組の制作サイドは、そりゃあ、有吉を使いたがりますよ」(テレビ情報誌編集デスク)


 有吉も出演オファーを断らない。お笑いコンビ「猿岩石」で人気者となったものの、たちまち凋落。収入ゼロのどん底を味わい、そこから引っ張り上げてくれたテレビの世界にずっと義理を感じているからだ。


 あるいは、日本テレビ元アナウンサー夏目三久と結婚するとき、夏目が所属していた田辺エージェンシーの社長(当時)で芸能界のドンといわれる田辺昭知に、「死ぬ気で働いて夏目を幸せにする」とでも約束したのだろうか。だとしたら、仕事を断るなんて金輪際できない。


 いずれにせよ、これだけの仕事をこなすのは、体力的にも精神的にも相当な負担のはずである。


 2023年8月には「慢性副鼻腔炎」で全身麻酔手術を受けているが、これも体力が落ちて悪化したとみられるし、その前には体調不良でラジオ番組を休んでいる。


 CS放送フジテレビONEやFOD配信の「有吉ベース」が今年3月で終了したのも、「ちょっとわがままな話なんですけど、私が『やめさせてください』と。体力の限界ということで」と語っている。


「まもなく51歳と若くない。体力の衰えは自分でもわかっているから、特別の付き合いがない限り、仕事が終わったら直帰です。それでも、帰りに渋滞に巻き込まれると『体が非常につらい』と弱音を吐くようになっています。冠番組は自分がいなければ成り立たないから、休むに休めない。それが11本。さらに、紅白の司会なんてこれ以上ない緊張を強いられます」(前出の編集デスク)


 働きすぎによる体調不良のため、3月から活動を休止していた浜田雅功は復帰したが、次にダウンするのは間違いなく有吉弘行だ。


(コラムニスト・海原かみな)


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