来月の参院選(3日公示、20日投開票)の行方を占う東京都議選が22日投開票された。支持率低迷で逆風にさらされている石破自民党は、過去最低の21議席(無所属3人の追加公認含む)しか獲得できず惨敗。
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予兆はあった。都議選最終日の21日、石破首相が墨田区と葛飾区で自民候補を応援したのだが、演説で「コメ価格を下げる!」「2万円給付する!」と訴えても、有権者の反応は薄かった。
「動員で自民支持者はそれなりに集まっていましたが、まったく熱気がなかった。石破さんも拍子抜けだったんじゃないか」(地元関係者)
共同通信の出口調査では、自民支持層の約5割しか自民候補に投票していなかった。自民は都議会でもパーティー券収入を「中抜き」する裏金事件を起こしている。石破政権の物価高対策の無策批判とともに、自民の「政治とカネ」に対する有権者の不信感は消えていない。支持層の離反加速で、自民は参院選も苦戦必至だ。
「進次郎農相や給付金を頼みにしたが、長らく続く党勢低調を押し返すまでに至っていない。進次郎効果はしぼみつつあるし、バラマキ批判はなくならない。
公明も参院選は苦しい
厳しい結果は自民だけじゃない。毎度の「全員当選」を狙った公明党も目標未達。新宿区で1人落選、大田区では2人が共倒れした。全員当選ならずは36年ぶりのこと。公明も参院選は苦しい。
そんな中で勝者は小池都知事。特別顧問を務める地域政党「都民ファーストの会」が31議席で第1党に復帰。都ファに自公を合わせて「知事与党」の過半数を維持した。
驚くのは参政党だ。都議会で初議席を獲得しただけでなく、擁立した4人中3人が当選した。排外主義を思わせる主張を繰り出す参政党は、自民はイヤ、国民民主もイヤという保守層の受け皿になっているとみられる。
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