「ポスト石破」を決める自民党総裁選はいよいよ本番だ。新総裁は連立政権の枠組み拡大に動くのか、どこを引き入れるのか。

レース後を見据え、外野の争いも激化。反転攻勢のチャンスをうかがう日本維新の会と、与党の一角を占める公明党のバトルである。


「#変われ自民党 日本の未来を語れ!」がキャッチフレーズの総裁選で本命視されるのは、最年少の小泉進次郎農相だ。20日、正式に出馬表明会見。大トリよろしく、立候補予定者の中で最後に手を挙げた。19日は選挙対策本部の発足式を行い、陣営を取り仕切る加藤勝信財務相や盟友の河野太郎前デジタル相ら、応援団が集まった。


「進次郎首相」の誕生を心待ちにしているのは、党勢衰退に歯止めがかからない維新だ。大阪府知事の吉村洋文代表は進次郎農相はもちろん、後ろ盾の菅義偉元首相とも関係良好。19日生出演した民放番組で、連立入りについて「選択肢として排除しない」と積極的で、「進次郎さんは非常に改革派だ」とエールを送った。党内に目を向ければ、藤田文武執行部に反発して離党届を出した衆院議員3人を17日に全員除名にするなど、相変わらずガタガタしている。


■手土産は選挙協力


参院選で公約の2本柱に掲げた社会保障改革と副首都構想の実現可能性を高めるためには、なりふり構っていられない。選挙区調整も視野に入れていて、宙に浮いた選挙区の自民党への“返還”も俎上に載っているほど。

集団離党トリオの守島正代議士の地元は大阪2区。本人は地方議員への出戻りを考えているようなので、刺客を立てずにやり過ごす手もある。前職だった自民党候補を破った西日本選出議員の中にも、離党予備軍がチラホラいる」(維新関係者)


 維新は昨秋の衆院選で議席を減らしたものの、本拠地の大阪では全19選挙区で勝利。大阪はほぼ根絶やしにされた自民にとって、連立拡大で過半数割れを脱する上、選挙で戦いやすくなれば願ったりかなったりだ。


 この展開に面白くないのが、四半世紀にわたって自民と組む公明だ。維新が「一丁目一番地」としてきた大阪都構想に協力する見返りに長いこと選挙区調整をしてきたが、衆院選では解消。結果、前職を含む4人が落選し、歴史的経緯から掲げてきた「常勝関西」の看板を下ろす羽目になった。


「藤田共同代表が幹事長時代、ぺんぺん草も生えないほど追い詰められた。斉藤鉄夫代表を中心とする現執行部は温厚な面々ですが、藤田氏に対する恨みは骨髄。連立パートナーとして絶対に認められないと強硬です」(公明関係者)


 世間に見放された既成政党のいさかいは醜悪だ。


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「私たちの理念に合った方でなければ」と発言していた公明党の斉藤鉄夫代表。関連記事【もっと読む】などで詳しく報じている。


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