「私が目指すのは、国でも地方でも選挙に勝ち続ける強い自民党をつくることだ」


 12日の自民党大会でこう演説した高市早苗首相(自民党総裁)が、その当日の夜に手痛い敗北だ。高市人気の無党派層が多い東京で、先月29日の清瀬市長選に続き、12日投開票だった練馬区長選でも自民推薦候補が敗れた。


 自民が推薦した尾島紘平氏(37)は、東京都の小池百合子知事の元秘書で都民ファーストの会の前都議。現職の区長から後継指名されたうえ、自民に加えて日本維新の会、国民民主党も推薦し、与野党相乗りの万全の選挙態勢だった。しかし、勝利したのは「完全無所属」を掲げた新人で幼稚園理事長の吉田健一氏(59)。社民党共産党が自主的に吉田支援に回ったこともあり、尾島氏は3万3000票超の大差をつけられての惨敗だった。


 尾島陣営には、選挙期間中、小池知事が2度応援に入ったほか、片山さつき財務相、国民民主の玉木雄一郎代表らも応援演説に駆けつけた。小泉進次郎防衛相はビデオメッセージ、高市首相も必勝の「為書き」を送った。ここまでやったのに負けたわけだ。“最強の女帝”2人が揃って応援しても勝てなかった。自民には大打撃だ。


■公明票がないと弱い


 永田町関係者は敗因についてこう話す。


「自民と国民民主は国政で対立しているのになぜと、与野党相乗りが批判対象になった。加えて、都ファの尾島氏と公明党は関係は悪くないが、自民と維新が尾島氏を推薦したことで、公明は自主投票になってしまった」


 公明は練馬区に3万票前後の票があるとされる。

自民関係者は「そのうち2万票が吉田氏に流れた」とみる。


 小池知事と公明との関係悪化も影響した。


「2月の衆院選で小池知事が、萩生田光一幹事長代行を筆頭に東京の自民候補の応援に駆け回った。公明は小池氏にお灸を据えようということだろう」(前出の自民関係者)


 そして、やはり……。


「公明は高市さんと維新はキライ。学会員は『我々がこの先、自民を応援することはないでしょう』と話していました」(前出の永田町関係者)


 高市内閣が高支持率を維持していても、公明票のない自民は弱いということが実証されたとも言える。地方では勝てない高市首相ーー。全国の自民組織は呆然自失だろう。


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 東京都・清瀬市長選挙、兵庫県・西宮市長選、さらに石川県知事選挙でも、敗れた自民。高市旋風も今や昔か。関連記事【もっと読む】『地方での「高市効果」に限界か…東京・清瀬市長選で自民現職が共産候補に敗れる衝撃』で詳しく報じている。


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