テレビが同じニュースばかり取り上げる理由とは。「大下容子ワイド!スクランブル」(テレビ朝日系)で、京都の男児遺体遺棄事件について「これ以上扱わない方がいいんじゃないかな」と見解を示したのが、コメンテーターの池上彰氏(75)だ。
「最近は、特に同じニュースばかり扱っているように見えるでしょうね。その理由はいくつかあります。まず、報道や情報番組の数が増えているし、時間も長くなっている。元SMAP中居正広氏の引退で『だれかtoなかい』が終了しましたが、フジテレビはその枠を宮根誠司の『Mr.サンデー』の時間拡大で埋めた。今春の改編でも、和久田麻由子MCの『追跡取材 news LOG』(日本テレビ系)や『上田晋也のサンデーQ』(TBS系)などの番組が始まっています」(テレビ局関係者=以下同)
今と比べ、昭和や平成初期は相対的にニュースの時間が短かった。朝は「ズームイン!!朝!」(日本テレビ系)が人気。ニュースも伝えていたが、列島を中継でつなぐスタイルが中心だった。昼は「笑っていいとも!」(フジテレビ系)が圧倒的な視聴率を取っていた。夕方はドラマやアニメの再放送が占め、ニュースは午後6時台に限られた。
■少子化の影響でドラマやアニメの再放送が減少
「今は朝から長時間のニュース番組が続き、昼もTBSやテレ朝は情報番組を流して数字を取っている。夕方はドラマやアニメの再放送がほとんどなくなり、午後4時前からニュースを放送していますからね。
テレビ局が朝から晩まで同じニュースを放送する理由の1つに、数字の問題があるという。
「今、週間視聴率ランキングで上位に来るバラエティーは『ザワつく!金曜日』(テレビ朝日系)や『笑点』(日本テレビ系)など数えるほどしかない。ドラマも2ケタに乗るのはNHKの朝ドラと大河ドラマくらい。バラエティーやドラマは大コケの可能性があるが、ニュースは確実に数字を計算できるので、1局が何本もの報道・情報番組を抱え、放送分数も増えている」
テレビ側からすると、「視聴者が興味を持っている(視聴率が高い)から放送している」という理屈が成り立つ。だが、ニュース番組過多で、放送分数も長いため、視聴者は「一つの出来事をずっと放送している」ように見えてしまう。
「かといって、上層部や編成がニュース番組で『何をどのくらい扱いなさい』という細かな指示は出せない。もしそうすれば、『他の情報番組はあの事件を何分も扱っているのに、なぜウチの番組は3分しかダメなのか』となりますからね。横並び体質も、同じニュースばかりになる理由の1つでしょう。あるニュースを取り上げた時、毎分視聴率が跳ね上がったとなれば、他の番組はマネをしますから」
池上彰氏の発言はくしくも、現代のテレビの構図的な問題点を指摘したようだ。
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