テレビ局に代わり勝手に「情報開示」】


 これ、いろんなことを考えさせられましたよね。個人的に一番思ったのは「演者の方が出演して得になるような番組を作らないとダメだ」ということです。

テレビ番組の出演料、特にバラエティー番組の出演料って、視聴者の方が考えているよりずっと安いんです。それでもいろんな演者の方が出てくださっているのは、やっぱり「お金ではない得があるから」だと思うんですよね。知名度が上がり、イメージが上がる。タレントとしての幅が広がる。などなどあるからこそ、安いギャラでも出演してくれて、全力で頑張ってくれている。それをテレビ制作者は忘れてはいけないと思います。


 問題になった番組企画って、そもそもまったく面白くないですよね。たぶん僕がおじさんだから面白くないだけじゃなくて、若い人でも誰が見ても別に面白くない。まったく面白くない企画をやらされる演者には、はっきり言って損しかないわけです。勝手に名前を出された鈴木紗理奈さんも、あのさんも、見ている視聴者も、提供しているスポンサーも、テレ朝も、誰にとっても損しかない番組を作っちゃったのが、罪深いですよね。やっぱり、演者さん側の意図も汲みつつ、面白い企画をちゃんと考えることは、テレビ制作者としての最低限の責務だと思うんです。


■「他人が無理やりやらされている」のを見るのも不快


 あともうひとつ。

「無理やり何かをやらされているのを見ること」を楽しむバラエティーは、あまり時代に合わなくなってきてるよなあ、と思います。「自分が何かを誰かに無理やりやらされる」のは、誰にとっても不快でしょうけど、「他人が無理やりやらされている」のを見るのも不快に感じる人が増えてきていますよね。


 もちろん『水曜日のダウンタウン』みたいに、そういうバラエティーでもとても面白くできている番組もあるわけですが、演者が無理やりやらされていながらも、全然損をしていないですよね。むしろ、タレントイメージが上がり、得をするような内容になっている。やっぱり非常によく配慮されて、巧みに制作されているわけです。


 「テレビに出してやる」的なことではなくて、「出てもらっている演者さんと一緒に育つ」みたいなことが必要だということは、我々の先輩たちも口を酸っぱくしていってましたけどね…。若い制作者にはあまりジジイの言うことに左右されず、好きにやってほしいと思いますが、それでも「テレビ局と演者さんと視聴者さんがみんな得をする」ような内容にする、という基本姿勢は忘れないで頑張ってほしいなと思います。


(鎮目博道/テレビプロデューサー、コラムニスト、顔ハメ旅人)


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