【芸能界クロスロード】


 フジテレビの女子アナ退社ラッシュもすでに食傷気味。ニュースの価値も薄らぐなか、NHKの女子アナに注目が集まっている。


 最近は独立してフリーで活躍する元NHK女子アナの話題は尽きないが、スポーツを主に担当していた廣瀬智美が6月で退局。7月1日付で巨人軍の球団職員として統括部次長に就任した。


 中川安奈はスポーツアナからタレントに転身したが、廣瀬はアナ時代に築いた人脈を通し異例の転職。どんな相乗効果をもたらすのか注目が集まる。


 一方で3月に退局して4月から日本テレビ系の報道番組「追跡取材 news LOG」のキャスターになる早業を見せた和久田麻由子は、視聴率は依然として低空飛行。期待外れの感は否めず、話題性もなくなった。


 和久田の話も一段落したころ、今度は看板アナの桑子真帆と林田理沙の第1子妊娠が明らかになった。


 桑子は7月から産休に入り、司会をしていた「クローズアップ現代」は星麻琴アナに交代。玉突きのように星が担当していた「ニュースウオッチ9」は野口葵衣アナにバトンタッチした。


 週末の「サタデーウオッチ9」を担当している林田は体調を見ながら産休に入るため、新たな女子アナが起用されるという。


 産休→育休と1年以上、番組を休むことから「激震」と報じられているが、人材豊富なNHK。想定内のことのように世間の喧騒をよそに余裕に見える。


 その背景にあるのがNHKならではの女子アナの育て方、売り方にある。


 民放が女子アナをビジュアル優先で採用していた昭和の時代。フジの元幹部からこんな話を聞いた。


「面接で決め手になったのが顔とスタイル。当時はミニスカ全盛時。ミニの似合う脚の奇麗な子を優先していた。結果、各局で大学時代にミスコンで優勝した子が多く採用された」


 アナウンサー志望の子の間では「アナウンサーになるならミスコンの勲章を付けることが早道」とまでいわれていたそうだ。


 それでも入局後は即戦力としてタレント並みの人気。フジの黄金時代には「カトパン」「アヤパン」と呼ばれた人気アナが次々に出現。女子アナブームの火付け役になった。


 対照的にNHKはミスコンなど眼中にない。難関の採用試験を突破しても、入局後まずは2つの地方局を回りスキルを磨きキャリアを積み東京に引き上げられる。

東京に戻ってもライバルとの争いを経てメインの番組に付くことができる。マイナーから大リーガーに這い上がるMLBの世界と変わらない。


 女子アナ人気に頼る民放に対し、NHKはあくまでも番組がメインだが、有働由美子が「あさイチ」を起点に人気になったように、番組が女子アナを育てる。


「ニュースを中心とした報道番組はタレントを使わないのと同様に、女子アナの人気に頼ることはない。番組に出ているうちに“この子いいね”と人気になり注目を増す」(テレビ関係者)


 近年、女優が朝ドラ出演で広く世間に認知され民放で主演を張るまでになるのと同じ原理。


 桑子、林田が抜けても次の女子アナがポストを埋め、次第に人気、好感度を上げていくのがNHKの伝統的な流れ。今回、注目はくだんの“ウオッチ9”でリポーターからメインに抜擢された野口アナ。入局9年目の31歳。福岡局時代に桑子、林田も務めた出世番組「ブラタモリ」を担当した評判の知的美女。ジワジワと来そうな予感が漂う。


(二田一比古/ジャーナリスト)


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