エアアジア・フィリピン(本社・マニラ)は2026年4月25日、東京(成田)とマニラを結ぶ定期便について、当初の計画を早め5月31日から9月30日までの約4カ月間、全便を運休すると発表した。現在は1日1往復のデイリー運航を行っているが、期間中の計123往復が欠航となる。
対象は、成田発のZ2 191便(午前11時10分発、午後14時50分着)と、マニラ発のZ2 190便(午前04時35分発、午前10時10分着)の全便。

その他の写真:エアアジア・フィリピン機 イメージ

 背景には中東情勢の緊迫化に伴うジェット燃料価格の歴史的な高騰があり、格安航空会社(LCC)の経営を直撃した形だ。同社によると、4月に入りホルムズ海峡の封鎖懸念が急速に高まったことで原油市場が混乱。航空燃料価格は1バレルあたり198ドルを超え、短期間で従来の約2倍にまで急騰した。運航コストの大部分を燃料費が占めるLCCにとって、現在の価格水準での運航継続は極めて困難と判断し、採算の合わない路線の整理を余儀なくされたという。

 同路線を巡っては、競合するフィリピン航空やセブ・パシフィック航空に比べ、エアアジアは定時運航率が低く、遅延が常態化しているとの指摘が根強かった。また、使用機材の老朽化も進んでおり、座席シートのクッションが経年劣化によって快適性が損なわれていることから、利用者から敬遠される傾向が強まっていた。こうしたサービス面での課題に加え、急激なコスト増が経営の重荷となり、今回の長期運休へとつながった。

 エアアジア・グループ全体でも路線の見直しが加速しており、タイ・エアアジアのバンコク(ドンムアン)から上海への路線なども10月までの運休が決定している。予約済みの利用者に対しては、全額返金や別日程への振り替え、または次回の予約に利用可能なクレジットへの払い戻しで対応する。夏休みの旅行シーズンを直撃する形となったが、運休を機によりサービス水準の高い他社便への切り替えが加速するとみられ、10月以降の運航再開後の集客にも大きな影を落としそうだ。
【編集:af】
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