フィリピン・パンパンガ州アンヘレス市で発生した建設中の9階建てコンドミニアム・ホテル(アパルテル)の崩落事故は、死者6人、行方不明者14人を出す大惨事となった。崩落した瓦礫が隣接する営業中のホテルを直撃し、滞在していたマレーシア人観光客が犠牲となったことから、観光業界全体に深刻な衝撃が広がっている。


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 主要テレビ局ABS-CBNによると、観光省(DOT)の幹部は「観光業は国の経済を支える生命線だ。『フィリピンのホテルは危険だ』という悪評が定着すれば、旅行者や投資家の誘致に致命的な打撃となる」と危機感を示した。コロナ禍からの回復を果たし、外国人誘致を進める中での信用失墜は、国家的な痛手となるからだ。

 インクワイアラー紙は、観光省が地方自治体の建築当局と連携し、国内の観光地や主要都市にある既存のホテル・宿泊施設を対象に「緊急構造安全インスペクション(一斉強度点検)」を義務付ける方針を固めたと報じた。特に、建築許可後に無届けでプールやルーフトップバーを違法増築した建物の有無が重点的に調査される。

 民間団体のフィリピンホテル協会(POHA)も声明を発表。GMAニュースによれば、代表者は「アンヘレスの悲劇は業界全体に重い教訓を残した。旅行者が宿泊施設に求める最も基本的な条件は『安全』だ。政府の一斉点検を全面的に支持し、加盟ホテルに構造安全証明書の再点検と提出を急がせる」と述べ、透明性確保による信頼回復を強調した。

 一方、DZRHニュースは「一斉点検だけでは長年の構造的な闇は晴れない」と指摘。過去には賄賂や付け届けで杜撰な工事や違法増築が見逃されてきた行政汚職の歴史を批判し、検査官の腐敗体質を断ち切らなければ外国人旅行者の安心は得られないと訴えた。雇用労働省(DOLE)が現場管轄の地域局長を職務停止処分にしたことも、腐敗根絶の必要性を示す動きとされる。


 国営フィリピン通信社(PNA)によれば、議会では建築基準法を厳罰化する「新フィリピン建築法案」の審議が加速している。観光業の信頼を守り、再び「人災」による外国人犠牲者を出さないために、フィリピンのホテル業界は今、重大な岐路に立たされている。
【編集:Eula】
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