【その他の写真:韓国のイメージ】
新学期を迎える今の時期は、5~6人ほどの従業員で稼働しているネクタイ縫製会社もフル生産。17つある工程を一人の作業員が10分ほどでミシンで縫い上げていく。1本の納品単価は1200ウォン(約110円)。これをこの日、700本ほど作った。給料と管理費など費用を差し引いて、経営者の儲けになるのは、ネクタイ1本につき約200ウォン(約18円)。700本作ったところで、一日の儲けが約12,600円。入学・卒業シーズン、旧正月の連休がかき入れ時となっていて、年間に4カ月は全く仕事がない。
全盛期は300社合わせて、2000億ウォン(約190億円)だった市場はが現在では、256億ウォン(約24億円)までに減っている。17社で256億ウォンならば、儲けている方だと錯覚しないでほしい。この金額はあくまでも、売値であり、原価ではないからだ。また、高級ネクタイ=ブランド品は、海外からのものである。
「ネクタイ族」、公務員や大企業、金融関係の従業員の勤務スタイルが「ノーネクタイ」に移行してしまったからだ。
また、中国のもっと安い人件費でできたネクタイが、安い値段で店頭に並ぶ。日本でもオシャレと呼ばれる会社員が、毎朝100均で使い捨てネクタイをしている、まあ、同じような状況だが、まだ、日本は礼節を守り、ノーネクタイではない。
従業員を解雇して夫婦で、細々とネクタイ縫製業を営んでいる「会社」もある。大統領と大企業には、1カ月に1日だけでも「ネクタイデー」を作ってもらわないと生きていけない。
ネクタイは、日本にとっても韓国にとっても、民族衣装を着なくなってから咲いたあだ花産業ではあるが、それで生きている人たちを大切にできないのならば、それは国家としてあまりにも杜撰な政治だ。
【編集:BY】