
家庭用ゲーム機におけるシミュレーションRPGは、1980年代後半~1990年代前半辺りに端を発し、現在にも至る活躍を見せています。そして、この黎明期に1作目がリリースされ、シリーズ最新作が昨年登場したばかりの『ファイアーエムブレム』は、本ジャンルを代表する人気作のひとつと言えるでしょう。
ウォー・シミュレーションの多くは、同一のユニットであればステータスに違いがなく、次々と生産して消費しながら戦うものが主流でした。しかし『ファイアーエムブレム』は、同じ職業であってもそれぞれが名前を持ち、唯一無二の個性を覗かせます。
加入時のステータスにも違いがあり、実際に能力がどのように伸びていくかはランダム。それぞれに成長率が設定されているので、その傾向こそ予想できますが、思わぬ能力が伸びることも。そのため、繰り返しプレイの中にも驚きと発見が盛り込まれていました。
また、体力が尽きたユニットはそのまま死亡し、復活させる手段は一部の例外を除いてありません。一瞬の油断が取り返しのつかない事態を招くため、その緊張感も本作の面白さを支える大事な要素として定着しました。