時代は常に揺れ動いており、セクシー系のゲームは一時期と比べると展開しにくい状況となりました。そうした逆風の中に登場した『バニーガーデン』は、ニンテンドースイッチを手にしていた“大人なお紳士”を呼び起こし、一部で熱狂的な人気を博しました。


この作品をきっかけにqureateの名がいっそう広まり、『バニーガーデン』もシリーズ展開を遂げるなど、更なる躍進を遂げていきます。そして2026年4月16日、待望の続編となる『バニーガーデン2』がスイッチ/Steam向けにリリースされました。

キャストたちがお酒と楽しい会話で紳士たちをもてなす社交場「バニーガーデン」を舞台とする物語は、『バニーガーデン2』でどんな進化を遂げたのか。その魅力に触れたプレイレポートを早速お届けします。なお、今回はSteam版をプレイしました。

■前作の魅力を余すところなく受け継ぐ『バニーガーデン2』
『バニーガーデン2』のゲーム進行は、基本的に前作と同様で、平日は仕事に励み、週末に「バニーガーデン」へ足を運んでキャストとのコミュニケーションを楽しむ──という流れになります。

仕事といっても、実質的には日付が自動的に過ぎ、プレイヤーが直接関与するのは週末の行動とその内容に限ります。そのため、プレイ時間の大半は魅力的なキャストとの会話が占めており、お金の無駄遣いや悪い選択肢ばかりを選ぶようなことがなければ、終始楽しい時間を味わえます。

誤解を招く表現かもしれませんが、大きな負荷がなく、美少女たちとの弾む会話をいつでも楽しめるというのは、やはり大きな魅力です。また、それほど難しいものではないとはいえ、交流に必要なお金のやりくりは疎かにできませんし、会話の選択肢もよりよい印象を与えるにはどうすれば……と、頭を悩ませる要素もちゃんとあります。

手ごわさを感じるほどの難しさではなく、ただボタンを押すだけの単純な作業でもない。リアル世界の仕事や学業に疲れた状態でも手を伸ばしやすい『バニーガーデン2』は、“楽しい”と“癒し”が特化したゲームといえるでしょう。


そうしたゲームとしての魅力は、前作の『バニーガーデン』から引き継いだものです。その上で、『バニーガーデン2』はどのように変化し、パワーアップしたのか。その魅力を、大きく分けて2つの切り口から迫ります。

■新キャストとの交流で見えてくる『バニーガーデン2』の楽しさ
『バニーガーデン2』で最も重要な新要素といえば、キャストメンバーの増加が外せません。前作は「花奈」「凜」「美羽香」の3人でしたが、本作ではさらに「英梨紗」「黒音」「瑠那」の3人も加わり、計6人態勢で「バニーガーデン」は営業しています。

前作をプレイ済みの人は、花奈たちの魅力は十分知り尽くしていることでしょう。だからこそ、匹敵するほどの魅力を新キャストたちが備えているのか、気になるところでしょう。

それぞれの魅力を語るだけでも記事を埋め尽くしてしまう恐れがあるため、今回は「英梨紗」との交流を一例に、『バニーガーデン2』で追加された新キャストの魅力を一部お伝えします。

公式サイトでも紹介されている通り、英梨紗はツンデレな気質を持っており、初めて出会った時(選択肢で初登場のキャストが変わります)から、主人公を不審者扱いする始末。いきなりのフルアクセルに驚かされます。

しかし、それはただの暴言ではなく、主人公をわざと怒らせるよう仕向けた言動のようでした。実は、主人公はゲーム開始時点で仕事をクビにされており、失意のまま街を彷徨っていました。
そんな姿を見た英梨紗が、彼女なりの気遣いで強めの言葉を投げかけてくれたのだと分かります。

当たり前の話ですが、ツンデレと一口にいっても、方向性やツンの割合などはキャラによって異なります。その違いが個々人の個性となりますが、英梨紗のツンデレは、自分hなりに相手を励まそうとする不器用なものだったり、自分を守るための(少々未熟な)自己防衛として描かれていました。

キャストとの交流は、「バニーガーデン」での接客が中心となっており、作中の表現とはいえお金を払って楽しむ形です。「こちらはお金を払ってるのに、ツンな態度ばかりだとちょっと……」と思う人がいてもおかしくありませんが、英梨紗のツンは“客とキャストという関係”の中にあっても受け止めやすく描かれており、不快感を覚えるものではありません。

むしろ、なぜ英梨紗はそうした振る舞いを見せてしまうのか。気になる彼女の本質に惹かれていき、繰り返し「バニーガーデン」を訪れる日々が始まりました。

■その笑顔は接客術か、それとも……プレイヤーの心が心地よく揺さぶられる!
英梨紗はツンな態度も見せますが、一方で自分を顧みることも多く、反省する場面も少なくありません。

気落ちした主人公の気分を変えようとキツめの言葉を投げかけましたが、気落ちの理由がクビだったことを知ると「ちょっと酷かったか」と内省し、まっすぐに謝るといった素直な振る舞いもよく見せてくれます。

そうした率直な反応を嬉しく思いつつ、「いやいや、これも接客術では?」と反射的に考えてしまうのは、『バニーガーデン2』の舞台設定ならではのジレンマでしょう。しかしこのジレンマこそが、キャストたちがプレイヤーに与えてくれる絶妙な魅力のひとつです。

嬉しいを言いながら浮かべる笑顔や、打てば響くような会話も、実はキャストたちの掌の上かもしれない。
だからのめり込み過ぎず、ほどほどの関係でいるべきだ。そう自制しようと思ったのに、ふとした拍子に呟く「バカ」の一言が、接客術に収まらない本音の発露のように思えて胸が高鳴ってしまう。それすらも接客術かもしれないのに……。

……という具合に、『バニーガーデン2』のキャストたちが、プレイヤーの心を大きく揺れ動かしてくれるのです。特に英梨紗は、接客にまだ慣れておらず、苦手意識も垣間見えるため、本音かもと思えるような発言がよく飛び出します。

例えば、こちらの誉め言葉などに英梨紗はよく振り回され、頻繁に顔を赤らめますが、「私、あなたが思うほど優しくないですから」といった意外な言葉を漏らすことも。接客術にしてもちょっと重いため、その言葉の裏には何があるのだろうと、ついつい惹かれてしまいます。

軽妙な接客の中に、時折こぼれる本音の欠片たち。それを拾い集めていくことで、英梨紗を含めたキャストメンバーの魅力が紐解かれていくのです。

ネタバレになるため踏み込んだ部分の話は控えますが、例えば英梨紗は「私はひとりでいい」「執着はしない」と、大事な相手を作らない生き方をしたいと述べます。

踏み込み過ぎない自制心は、「バニーガーデン」という場所を考えれば、むしろ立派な職業意識と言えるかもしれません。しかし、英梨紗がそう考えるに至った理由は、仕事を始めてから抱いたものではなく、彼女自身の生い立ちにありました。


その生い立ちゆえに、「かわいい」と言われても信じられず、英梨紗は素直に喜べません。そんな彼女に「かわいい」「好き」と伝え続けると、どんな反応を見せてくれるのか……ここから先はネタバレになりかねないため、実際のプレイでお確かめください。

■『バニーガーデン2』で膨らむキャストとの交流
接客と本音が入り混じる会話の数々こそ、『バニーガーデン2』の魅力が最も詰まっているポイントです。また、英梨紗の一例で取り上げた通り、新キャストたちの可愛さも期待以上。これだけでも、『バニーガーデン2』を遊ぶ価値は十分あります。

しかも、キャストとのやりとりは、カウンター越しの会話だけに留まりません。キャストと仲良くなるとミニゲームに誘ってもらえますが、前作から引き継いだものだけでなく、「あーんゲーム」「カルタ合戦」「目隠し鬼」が追加されました。

「あーんゲーム」はキャストからの提案ではなく、任意で選べる食事メニューから行えます。そのタイトル通りに、チョコバナナやおでんのちくわなどを「あーん」して食べさせる、もしくは食べさせてもらうというゲームです。

食べさせる時は、キャストが口を開けて待っており、その無防備な姿が愛らしいばかり。一方、食べさせてもらう時は、遠いところに食べ物を持っていくといった意地悪をされることも。そんな小悪魔な振る舞いもたまりません。


「カルタ合戦」は、クイズを読み上げ、その正解が書かれたカルタを先に取るというもの。こちらは、カルタごとに割り振られたボタンを入力するだけ……なのに、カメラ視点を動かすと、そこには前かがみになった対戦相手の胸元が。

思わぬラッキーセクシーに見とれていると、相手にカルタを取られてしまいます。カルタを取るか、ラッキーを取るか、実に悩ましいばかりですが、お紳士なら答えは一択かもしれません。

そして「目隠し鬼」は、キャストが発する声で位置を探り、相手を追い詰めるというゲーム。目隠しなので画面は暗転しており、キャストがいる方向は音声を頼みに辿るのみです。ASMRによる臨場感が味わえるため、イヤホンやヘッドフォンの装着をおすすめします。

また、閉店後にアフターを楽しんだり、旅行に出かけるといった外出は、前作でも行えますが、『バニーガーデン2』ではさらに開店前の店外デート、いわゆる「同伴」も可能になりました。

猫カフェではしゃぐ姿など、「バニーガーデン」ではあまり見せない一面を覗かせてくれるなど、同伴ならではの一幕が見られるのも嬉しいところ。また、同伴で競馬場へ行くと馬券を買うこともでき、当たれば配当金が手に入ります。キャストの可愛さだけでなく資金繰りにも役立つとは、同伴侮りがたしです。

このほかにも、2人きりで過ごすVIPルームでは専用のASMRを堪能できたり、さらに仲を深めればお泊まり旅行にも出かけられるなど、キャストとの交流は様々な形でプレイヤーの心をくすぐります。


『バニーガーデン2』のプレイは、キャストとの心地よい会話と、時折混じる本音に触れる嬉しさに満ちています。そのため、プレイヤーの好みと合うキャストがいるかどうかが、本作を楽しめる分水嶺と言えるでしょう。

しかしその点も、6人と倍増したキャストの布陣により、前作よりも受け皿が広くなっています。また、見た目だけでは琴線に触れずとも、実際に話してみると徐々に惹かれていく、というのも珍しくありません。

ミニゲームの追加や同伴などのおかげで、前作と比べて日々のメリハリも増えており、『バニーガーデン2』はあらゆる面で大きなパワーアップを遂げた作品です。人を選ぶ作風ではありますが、期待に応えてくれるポテンシャルを十分に秘めています。

強いて厳しく言えば、ゲーム性は前作とほぼ変わらず、バリエーションが増えただけと表現することもできます。抜本的な新要素や、これまでにないゲーム性などは用意されておらず、『バニーガーデン』の延長線上にある作品なのも確かです。

そのため、大きな進化を望んでいる人にとっては、あまり向いていない作品かもしれません。とはいえ、進化を目指した挙句、『バニーガーデン』ではない作品になってしまうのも困りもの。前作で味わった“夢のような日々の続き”を味わいたいなら、『バニーガーデン2』をプレイしない理由はありません。

作中の主人公は週に何万円もの額を注ぎ込みますが、プレイヤーである我々が支払うのは3,480円(税込)だけ。ちょっといいお酒を飲む代わりに、『バニーガーデン2』という娯楽を味わうのも乙なものです。
編集部おすすめ