2019年12月の景気ウォッチャー調査は、小売店やタクシー運転手、レジャー業界などの景気に敏感な職種の人々らに聞いた「街角景気」で、景気の現状を3か月前と比べた判断指数(DI、季節調整値)が39.8となり、前月と比べて0.4ポイント上昇した。内閣府が2020年1月14日に発表した。
上昇は2か月連続。ただ、横バイを示す「50」の水準を、24か月連続で下回っている。
一部に消費増税に伴う駆け込み需要の反動調査によると、家計動向関連DIは、小売り関連が上昇したものの、住宅関連などが低下したことから、全体では低下。また、雇用関連DIも低下した。ただ、企業動向関連DIは製造業が上向き、上昇した。
景気の2~3か月先をみる、12月の先行き判断DI(季節調整値)は前月差0.3ポイント低下の45.4で、3か月ぶりの低下となった。企業動向関連DIと雇用関連DIが上昇したものの、家計動向関連DIが低下した。
今回の調査結果に示された景気ウォッチャーについて内閣府は、
「このところ回復に弱い動きがみられる。なお、消費税率の引き上げに伴う駆け込み需要の反動による影響が一部にみられる。先行きについては、海外情勢などに対する懸念もある一方、持ち直しへの期待がみられる」
との見方を示している。
調査に寄せられた声には、
「年始のツアーの申し込みが伸びない」(旅行代理店の営業担当)
「宝飾、時計、美術、家具などの高額品については、消費税増税後の反動減の影響が続いている。衣料品をはじめとする季節商材も、気温の影響もあり厳しい状況が続いている」(百貨店の販売促進担当)
「3か月前の消費税増税前後から、市況に勢いがない状態が続いている」(化学工業の総務担当)
「前年の忘年会シーズンに比べると件数は同じくらい入っているが、単価を税込みにしてほしいなど要望が多い」(一般レストランの従業員)
「株価は上昇しているが、実感としてよい感覚はない」(その他飲食「仕出し」の経営者)
「低調な推移で変わらない。前年と比べて製造業、金融業の客の利用減が目立っている」(都市型ホテルの営業担当)
と、さえない。

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