「今回、新型コロナウイルス感染症への対応に心を配りながらこの大会が開催されることは、芸術文化活動への大きな励みになることと思います」

天皇陛下は10月30日、雅子さまと共に和歌山県で開かれた国民文化祭および全国障害者芸術・文化祭の開会式に御所からオンラインで出席され、お言葉を述べられた。

「両陛下は私的なお出かけはなさらず、粛々と公務に取り組まれ、コロナ禍の国民生活を心配されています。

眞子さんと小室さんの結婚で日本中が騒然となっていますが、本来であれば両陛下のご活動にこそもっと注目が集まるべきだと思うのですが……」(皇室担当記者)

だが同じ日、皇室にとって明るいニュースもあった。愛子さまの成年式の日程が発表されたのだ。12月1日、愛子さまは20歳の誕生日を迎えられる。ただ、この日は平日で大学の授業があるため、日曜日である12月5日に成年の行事を行うというがーー。

誕生日から“4日遅れ”の日程にはもう一つ、重大な事情があるという。

「11月30日は秋篠宮さま56歳の誕生日です。

誕生日に際しての記者会見では、眞子さんの結婚に関する質問も受けるはずで、翌日の愛子さまの誕生日までその話題でもちきりになってしまう可能性があります。宮内庁としても、秋篠宮さまにしっかり眞子さん騒動に区切りをつけていただき、愛子さまを皇室の“主役”に切り替えたいという考えがあるのではないでしょうか」(前出・皇室担当記者)

愛子さまは当日の午前、皇室の先祖などを祭る宮中三殿を参拝されたあと、宮殿で天皇陛下から「宝冠大綬章」という勲章を授けられる。

■両陛下が教えた成年皇族の心構え

実は、両陛下はすでに“成年皇族としての心構え”を愛子さまに説いていらっしゃったという。宮内庁関係者が語る。

「9月に赤坂御所から皇居の御所へ引っ越された天皇ご一家ですが、引越し作業中は宮殿にお泊まりになっていました。その滞在最終日、愛子さまが今後、行事や儀式などで訪れることになる宮殿の松の間や豊明殿などの各部屋を、両陛下が案内されたそうです。

儀式の所作なども、時間をかけて説明されたそうです」

皇族は基本的に学業優先となっており、ご公務に本格的に携わるのは大学卒業後になるのが通例だ。だが、愛子さまにはできるだけ早くご公務に出席していただきたいーー。宮内庁内部ではそんな声が高まっているという。

「眞子さんと小室さんの結婚をめぐり国民感情が二分され、皇室と国民との信頼関係は大きく揺らいでいます。また、最年長の内親王だった眞子さんは国内のみならず、5回の海外公式訪問など、多岐にわたる公務を担ってきました。眞子さんが皇室を離れたことは、皇室にとってかなりの痛手なのです。

愛子さまが成年皇族となられ、ご公務の担い手となって存在感を発揮してくだされば、国民からの敬愛も再び高まるはず……。そういった期待が膨らんでいるのです」(前出・宮内庁関係者)

両陛下にとっても、コロナ禍で想定外の事態が発生している。’20年5月に予定されていたイギリス訪問が延期になったまま、いまだに実現していないのだ

■愛子さまはすでに“皇室外交”の経験を

「’19年に即位関連の儀式を終え、’20年には外国訪問と東京五輪開催でいよいよ本格的な国際親善を……という矢先のコロナ禍でした。95歳のエリザベス女王は最近、公務でも杖をつくようになり健康状態が心配されています。まずは国内の地方ご訪問を再開するのが先ですが、両陛下も早いうちにイギリス訪問を実現させたいとお考えではないでしょうか」

前出の宮内庁関係者はそう語る。さらに、愛子さまのイギリスご訪問を待望する声も上がっているという。

「愛子さまは高校生のころ、海外の要人と両陛下の夕食会に参加され、英語で応対されるなど、早くから国際親善の経験を積まれていたのです。また、高校2年生の夏休みにはイギリスの名門私立・イートン校に短期留学されたこともあります。そうした縁のあるイギリスを愛子さまが両陛下と一緒に訪問されれば、両国民にとってもたいへん大きな意義があります」

欧州の王室に詳しい関東学院大学教授の君塚直隆さんは、英王室に学ぶべきところは多いと語る。

「大学で専攻される分野だけでなく、社会的な問題にも積極的に取り組まれることになれば素晴らしいと思います。たとえばイギリスのアン王女は、エリザベス女王の第1王女という愛子さまに近い立場ですが、20歳でNGO『セーブ・ザ・チルドレン』の会長職につきました。このNGOは貧困や飢餓に苦しむ世界中の子どもたちを救おうという理念のもとイギリスで始まった活動で、アン王女自身も半世紀以上にわたって世界中を回りました。

それ以外にも350以上の団体でパトロンを努めています。

愛子さまも、社会福祉や芸術、環境保護やスポーツ振興など、いくつもの団体で総裁職に就かれ、積極的に関わっていかれるのがいいと思います。ヨーロッパの王室のように、日本の皇室もSNSなどを積極的に活用して活動を国民に知らせることも重要です。活動内容が知られることで皇室への支持も広がるでしょうし、愛子さまに皇室に残っていただきたいという声も大きくなるでしょう」

愛子さまが英王室との交流を深めることは、皇族としての今後の活動にもプラスになるはずだ。危機に直面する令和皇室の再生は、20歳を迎えようとするプリンセスに託されたーー。