9月30日、黒島結菜(25)がヒロイン・暢子を演じるNHK連続テレビ小説『ちむどんどん』が最終回を迎えた。本作は、ふるさと沖縄の料理に夢をかけたヒロインとその兄妹たちの絆を描いた物語。

前日29日の放送回では、トラブルに見舞われながらも実家でのレストランを無事に開店させた暢子。しかし、店を手伝っていた妹の歌子(上白石萌歌)が高熱で倒れてしまい、救急車で搬送されたのだった。

「幼い頃から病弱だった歌子は、たびたび熱を出して寝込んでいました。過去には東京の大きな病院で検査したことも。その際、膠原病や結核ではないと言われたものの、熱が出る原因はわからずじまいだったのです。

29日の放送回では、医者から『できることはやりました』『あとは本人の気力と体力を信じて経過を見守るしかありません』とまで言われ危篤状態が続いていました。しかし最後の最後まで、歌子の病気について詳細が明かされることはありませんでした」(テレビ誌ライター)

最終回では、兄・比嘉賢秀(竜星涼)も千葉県から病院に駆けつけた。だが、そこでもドタバタ騒動が繰り広げられることに……。

「賢秀は慌てふためいていたあまり、タクシー代を払わなかったのです。お笑いコンビガレッジセール』のゴリさん(50)扮するタクシー運転手が、『お金もらってないよ!』と病院内まで追いかけるという展開でした。結局、乗車代金は暢子の夫・和彦(宮沢氷魚)が支払っていました」(前出・テレビ誌ライター)

いっぽう賢秀が病室に行くと、突如として『ニーニー、ネーネー、行こう。一緒にきて』と誘った暢子。

賢秀と長女・良子(川口春奈)を引き連れ、タクシーで乗り向かった先は浜辺だった。

暢子は着くなり、「お父ちゃ~ん!」「歌子を助けてちょうだい!」と海に向かって絶叫。賢秀、良子も暢子にならって、「父ちゃ~ん!」と亡き父・賢三(大森南朋)に呼びかけた。しかし、感動を誘うシーンのはずが……。

「このシーンでも、タクシー代をもらっていないとして運転手が浜辺まで追いかけてきました。賢秀はお金を渡すどころか、『お前もやれ!』と運転手にも『父ちゃ~ん!』と叫ばせたのでした」(前出・テレビ誌ライター)

その後、兄妹3人の願いが届いたのか病室で目を覚ました歌子。さらに暢子には、「まくとぅそーけー、なんくるないさー」と賢三の声が舞い降りてきた。すると場面は、1985年から30年以上先の「202X年(令和X年)」へとひとっ飛び。

暢子の沖縄料理店に、年老いた白髪姿の賢秀や良子たちが子供や孫たちを連れて集まり、母・優子(仲間由紀恵)の誕生日を盛大に祝福。さらに、直前まで生死を彷徨うシーンが描かれた歌子も、「この10年、風邪もひいてないよ」と元気に登場したのだった。

■「朝ドラ史上に名を残す迷作」「意味不明過ぎる」

ラストは高校時代の暢子のシーンが映し出され、物語は大団円で終わったが……。

「本作の制作統括を務める小林大児チーフプロデューサーは、インタビューで『1人の女の子の何十年という歳月を濃く描きたい。

100年を描くより、50年を描く方が倍くらい細かく、一見どうでもいいことも描ける』と意気込んでいました。しかし、実際にドラマ内で描かれたのは約20年あまりの期間でした。

賢秀が借金をすべて返済したことや歌子が夢だったレコードデビューを叶えたことなど、肝心な部分はナレーションで語られました。最後まで歌子の病気を引っ張っておきながら、“令和にワープ”とは拍子抜けした視聴者も多かったようです。これまで突拍子もない展開に批判が目立っていた本作ですが、最終週に様々な要素を詰め込み過ぎたためいっそう共感性が薄いものになってしまった印象です」(前出・テレビ誌ライター)

かねて本作の批評をTwitterで綴ってきた元農林水産副大臣の礒崎陽輔氏(64)も、最終回放送後にこうツイートしている。

《しかし、俳優の皆さんは、精一杯演じていたと思います。実力のある歌手でも、歌に恵まれなかったら適切な評価を得られないのと同じことです。チコちゃんもそうですが、NHKの制作部門に最近やり過ぎが目立ちます。反省すべきでしょう》

さらに礒崎氏だけでなく、駆け足すぎた終盤の展開にツッコミが噴出している。

《朝ドラ史上に名を残す迷作を見続けた…》
《最終回まで引っ張った歌子の病気をこの世にいないお父ちゃんへの祈りだけでどうにかしたの力技がすぎるけどwwwwww》
《倒れるシーン必要だった? 原因不明で死にそうな人がなんとなくその後10年風邪もひかない健康体になる話を急に最終回にぶっこむ意味わからなすぎるし、病院に駆けつけた時はまだしも海に無賃乗車して誰も支払わずに無関係のタクシー運転手を付き合わせるのがあまりにもあんまりすぎる》
《最終回意味不明過ぎる…意味不明っていうか、もうやけくそ投げやり適当過ぎるやろ…なんで歌子死にかけたん? なんで急に40年近く年月経過したん? そんでなんで最後高校生時代に戻って終わりなん? おとうさーん!じゃないよ》
《沖縄返還から現代までの50年を描く、ってそのうち半分くらいを最終回ですっ飛ばしたのまじで伝説じゃん》

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