中居正広(52)の女性トラブルをめぐる一連の騒動を受け、10時間にも及んだ“やり直し会見”の後も一向にスポンサーが戻る気配がないフジテレビ。25年3月期の広告収入が当初の予想より233億円の減収となることが発表されており、第三者委員会の報告書がまとまるとされる3月末までどう持ち堪えるかが死活問題の状況だ。
今後は、制作費を抑えるためにドラマやバラエティ番組の再放送が増えるのではないかという見方もある。
フジテレビのドラマといえば、看板枠の「月9」をはじめ、数々のヒット作を世に送り出してきた。今回本誌は、「再放送してほしいフジテレビのドラマ」について放送された年代ごとに、ドラマ好きの男女500人を対象としてアンケートを実施した。
ここでは90年代に放送されたドラマからランキングを見ていこう。約30年の時をへた今なお愛される作品と、その人気の理由とは――。
■第3位『踊る大捜査線』
1997年1月から火曜9時に放送されていた本作は、織田裕二(57)演じる刑事・青島俊作が、湾岸警察署を中心に奥田すみれ(深津絵里)、和久平八郎(いかりや長助)など、個性的な同僚たちと事件解決のために奮闘する姿を描いた刑事ドラマ。事件を追うだけでなく、縦割り行政やキャリア制度など、現実の警察組織と近い設定で、所轄のサラリーマン刑事のリアルな現状を描いたのも、それまでの刑事ドラマとは一線を画すと話題になった。
昨年10月と11月にはスピンオフ映画『室井慎次 敗れざる者/生き続ける者』が公開。さらに、2026年にはシリーズ最新映画『踊る大捜査線 N.E.W.』の公開も発表されており、この機会に1話から改めてすべて見たいと、再放送を望む声が多く上がった。昨年秋にフジテレビで再放送されているが、《一緒に見た小学生の子どもたちが予想以上にハマり、もう一度観たいと言っていた》などという声も見受けられた。
当初のドラマシリーズから、数々のスペシャルドラマやスピンオフが生まれ、映画は来年公開予定の作品も含めると9作にも登る。映画シリーズの累計興業収入は500億円を突破し、まさに国民的人気ドラマといえるだろう。
《踊る大捜査線は何度見ても面白く楽しめて見られちゃう》
《熱血刑事ものが大好き! 織田裕二含め出演者が皆いい!》
《今までの刑事ドラマと比べて、こんなに面白いと思った事はなかった》
■第2位『東京ラブストーリー』
1991年1月より月曜9時に放送されていた本作は、柴門ふみの原作を坂元裕二脚本でドラマ化し、社会現象にもなった恋愛ドラマの金字塔だ。
織田裕二(57)演じる優柔不断な主人公・カンチ(永尾完治)と、鈴木保奈美(58)演じる自由奔放な女性・赤名リカとの関係を中心に、カンチの高校の同級生・三上健一(江口洋介)や関口さとみ(有森也実)ら登場人物の想いが交錯し、揺れ動く恋心が瑞々しく描かれる。
ストーリーもさることながら、見どころはバブル期の恋愛事情。インターネットも携帯電話もないこの時代、デートの待ち合わせはすっぽかされ、アポなしで自宅や会社に突然押しかけることも。簡単に連絡が取れないことで起きるすれ違いや、思いを寄せる相手が恋敵と過ごす楽しげな現場を目撃するシーンなど、スマホがある現在では決して味わえない勘違いやすれ違いによってどんどんこじれていく恋愛模様に、もどかしくもキュンキュンすると視聴者を惹きつけた。
バブル期に青春時代を過ごし視聴者による当時を懐かしんでの票が多かったが、ぜひ、スマホが当たり前のZ世代にこそ見てほしい作品。最高視聴率は32.9%を記録し、月9ブームの火付け役ともなった。
もう一度見たい理由には次のような意見が上がっていた。
《昔の恋愛事情が分かって楽しめる。会社の電話をプライベートで使っているのが衝撃的》
《小田和正の主題歌『ラブストーリーは突然に』も大好きだった》
《登場人物が全員片思いで、青春そのもの。今でも覚えている名シーンもたくさん》
■1位『古畑任三郎』
1994年4月から水曜9時に放送された本作は、三谷幸喜(63)脚本の1話完結型の刑事ドラマ。
毎回、犯人を演じる豪華ゲストを楽しみにしていた視聴者も多く、第1回は中森明菜(59)がコミック作家として登場。意外なところでは、当時現役メジャーリーガーのイチロー(51)が本人役で登場したことも。今では決して見られない有名人の演技や、無名時代の大物俳優がセリフもないチョイ役で出演していたりするので、再放送ではそこにも注目したい。
99年に放送されたスペシャル「古畑任三郎 vs SMAP」では、SMAPの5人が本人役として登場。このストーリーは、ほとんど再放送されておらず、《見られなくて残念すぎる!》と嘆く声も目立った。
連続ドラマとしては3シーズン、8回のスペシャルドラマ、スピンオフシリーズ『巡査今泉慎太郎』が放送され、06年の松嶋菜々子(51)が犯人を演じた「ラスト・ダンス」をもって終了。シリーズ最高視聴率は34%にものぼった。
熱烈なファンがもう一度見たいと思う理由としては以下のような声が。
《主人公のしつこさの内容が利にかなっている。
《犯人は最初からわかっているのに、すごくドキドキするドラマでした》
《古畑任三郎と犯人とのかけひきがとにかく面白い》
いずれの作品も、再放送された際には話題になることは間違いなさそうだ――。