天皇陛下と雅子さまの間の席で、基調講演に熱心に耳を傾けられていたのは、白いセットアップをお召しの愛子さま。

4月21日、天皇ご一家は東京都千代田区で行われた「第41回世界獣医師会大会」に出席された。

皇室担当記者はこう語る。

「同大会は獣医学分野で最も歴史のある国際会議で、日本での開催は’95年以来31年ぶりです。前回は当時天皇皇后でいらした上皇ご夫妻が出席されています。

もともと天皇陛下お一人のご出席と発表されていましたが、当日になって愛子さまも臨席されることがわかると、報道陣からどよめきが上がりました。

両陛下が開会式に臨まれた後、お三方で並んで客席に座り、人と動物の健康を一つと考える『ワンヘルス』に関する講演などを聴かれていました」

なぜ報道陣は、愛子さまのご臨席に驚いたのか。この皇室担当記者が続ける。

「4月10日に両陛下は『公益社団法人日本獣医師会』の会長や専務理事から進講を受けられています。これは世界獣医師会大会に向けてのご準備だったと思われますが、愛子さまも同席されていたのです。

そのころから愛子さまの同大会へのご臨席は検討されていたに違いありませんが、公的な意味合いが特に強い行事ということもあり、宮内庁関係者の間でも『愛子さまのご臨席の可能性』を指摘する声はほとんど上がっていなかったのです。それだけ、今回のお三方でのご臨席はきわめて異例だったといえます」

静岡福祉大学名誉教授の小田部雄次さんはこう語る。

「皇室の長い伝統の中で“生きとし生けるもの”、同じ時代を生きる人々や動植物への慈しみや共存の精神が培われてきました。

両陛下が『世界獣医師会大会』を重要視されていたのも、その表れだと思います。

いま皇族数の確保策について国会で議論が進められていますが、与党は“悠仁さままでの皇位継承の流れはゆるがせにしない”という姿勢を見せており、多くの国民が望んでいる愛子天皇については、俎上に上ってすらいません。

議論について両陛下がご意思を表明されることはありません。しかし、皇室の未来が不透明なこうした現状だからこそ、両陛下は皇室で長く育まれてきた、動物や植物への慈しみや共存の精神を、愛子さまに託したいとお考えになったのではないでしょうか」

■20年前の40周年には上皇ご夫妻がご訪問

“天皇や皇族はどうあるべきなのか”、常に自身に問いかけるご姿勢の継承は両陛下と愛子さまの、この数年の課題だったともいえる。

神道学者で皇室研究家の高森明勅さんは次のように話す。

「天皇陛下は長年、歴代天皇のご事蹟(事業や功績)を学ばれてきました。’24年には『後宇多天皇ご事蹟』『平城天皇ご事蹟』『懿德天皇ご事蹟』と、それぞれご進講を受けられましたが、そこに愛子さまも陪席されていたのです。

天皇の直系の皇女として、歴代天皇について学んでほしいという天皇陛下のお気持ちと、受け継いでいきたいという愛子さまのお気持ちが合致していたのだと思います」

そして愛子さまの2回目となる海外公式訪問について報じられたのは、ご一家の世界獣医師会大会ご臨席の直後だった。

「今年11月を軸に、シンガポールを公式訪問される方向で検討が進められていることを、複数のメディアが報じました。

今年は日本とシンガポールとの外交関係樹立60周年の節目にあたります。大統領への表敬訪問や、公式行事への出席などが検討されているそうです」(前出・皇室担当記者)

愛子さまは昨年5月に大阪・関西万博の会場を訪問された際、シンガポール館も視察されている。このパビリオンでは自然と都市生活をテーマにした切り紙のアートや、未来の同国をイメージした映像作品などを鑑賞された。

シンガポールは金融、物流面で世界経済をリードする国の一つであり、日本企業がASEAN(東南アジア諸国連合)やアジア太平洋市場へ展開するための拠点としても機能している。

日本にとっても重要な経済・外交パートナーの一つだが、皇室の方々が公式訪問されるのは20年ぶりとなる。

■“平和の大使”としての役割も

宮内庁関係者によれば、

「日本とシンガポールの外交関係樹立から40周年にあたる’06年、当時天皇皇后でいらした上皇ご夫妻が国賓としてシンガポールを訪問されています。現地では、日本庭園をご覧になったり、大統領夫妻主催の晩餐会に出席されたりしました。

それから20年後の60周年を迎えた今年、“天皇皇后両陛下が訪問されるような重要国”に、愛子さまがお一人で訪問することが検討されているわけです。2国間の緊密な関係もありますが、愛子さまの存在感に対する海外からの評価の高さが伝わってきます」

愛子さまの初めての海外公式訪問国であるラオスでは、国家副主席主催の晩餐会で堂々とスピーチされたことも記憶に新しい。

「今後、私たち若い世代が先人たちの歩みを受け継ぎ、両国の懸け橋となって、ラオスのチャンパーや日本の桜のように、美しい花を咲かせていくことができればと思います」(スピーチの一部)

前出の宮内庁関係者が続ける。

「愛子さまのラオスでのお振る舞いは、同国でも日本でも話題を集めました。両陛下も愛子さまを“天皇の名代”としてふさわしい皇族に成長した、と考えられているのは間違いないでしょう」

愛子さまのシンガポールご滞在は、1週間ほどになるとみられているが、どのような場所を訪問されるのだろうか。長年皇室番組を手がけてきた放送作家・つげのり子さんに聞いた。

「太平洋戦争中に日本がシンガポールに侵攻するといった、悲しい歴史もありました。

平和を希求されている両陛下には、愛子さまに“平和の大使”としての役割も果たしてほしいというお気持ちもあるのではないでしょうか。

訪れていただきたい場所としては、ユネスコの世界文化遺産にも登録されているシンガポール植物園があります。

またシンガポール日本人学校は1912年設立と歴史も古く、上皇ご夫妻が皇太子ご夫妻だったときに訪問されています。

さらに愛子さまがお勤めの日本赤十字社とシンガポール赤十字社には深い交流もあります。そのシンガポール赤十字社が経営している『赤十字の家』は、同国では重度身体障害者のための唯一のホームで、障害者の自立した生活のためのサポートもしており、愛子さまも関心を抱かれるのではないでしょうか」

両陛下が“皇室の魂の継承者”に選ばれた愛子さま。愛子天皇の実現が危ぶまれているなかでも、新しい目標に向かってひたむきに走り出されている。

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