イラン情勢の悪化を背景に、原油の供給不安やナフサを使った商品の価格高騰が懸念されている。食品も2026年は1~7月までの累計5千729品目が値上げ、家計の食費は15%以上の支出増になりそうだ。

総務省の家計調査によると、5人家族の1カ月の食費は平均11万2千19円。外食費を除くと9万560円というなか、5人家族で、月の食費を3万円台に抑えているのが、節約生活スペシャリストの三木ちなさん(36)だ。

「子ども3人(11歳、9歳、6歳)と夫婦の5人家族で、ふるさと納税分、お米とお菓子代を除いた食費は3万円台で、4万円を超えたことはありません」

平均の約3分の1の食費を実現できるのは、20代の“常識的な節約”の失敗から学んだ経験が大きいという。

「23歳で結婚し、翌年長女が生まれましたが、まだ家事や調理の知識もありませんでした。当時、月の食費を1万円以内に抑えるため、とにかく“安く買うこと”にこだわり、すべて手作りする極端な節約でした」(三木さん、以下同)

スーパーを何軒も回り、閉店間際に見切り品をどっさり購入した。

「特売品の肉は、変色していたり赤い汁が出たり、鮮度が悪い。野菜の見切り品は、2日後には傷んでしまい、フードロスを繰り返してきました。節約の頑張りすぎで精神もすり減って、その反動から、コンビニでスイーツを2千円ほど爆買いしたことも……」

この“失敗”から、三木さんは、安さだけではなく、量と鮮度を優先して食材を選ぶことを学んだ。

また、自炊の継続には“手間ひま”というコストを削減する大切さも実感。「家の食事がいちばんおいしい」という家族の声を大切にして、貯金ゼロから1千500万円を貯めるまでになった。

そんな節約のプロの三木さんにすぐ実践できる「スーパーの買い物の掟10」を教えてもらった。

【掟1】スーパーの買い物は週に1回から10日に1回にする

「基本的に食材が切れるまではスーパーには行きません。

足りない品があるときは、それだけを買いに行くか、代用品で間に合わせることを考えます。野菜は、まとめて袋に入れて冷蔵庫の野菜室へ。ヘタまで使い、ピーマンは種も食べます」

【掟2】豚こまなど肉はキロ買い

「夫が毎晩サラダを食べるので、豚しゃぶサラダ用の豚こま切れ肉はマストです。

キロ買いした大容量の肉は、すぐに一定量に小分けして、多機能ポリ袋に調味料と一緒に入れて下味冷凍を。3日後の自分への“家事貯金”です(笑)」

【掟3】安さより鮮度や量をチェック

「お肉なら可食部分のグラム数や色がくすんでいないか、赤い汁が出ていないかチェック。魚は色が鮮やかでツヤがあるものを。新鮮なほうがおいしいし、フードロスを防げます」

【掟4】スーパーは、出口側から入り外周ゾーンだけ回る

「スーパーは、メインの入口ではなく出口側から入ります。入口付近にはスーパーの買わせたい食品が並んでいることが多いです。

肉や魚、野菜など必要な食品は外周ゾーンにあります。まず肉と魚を見て、調味料などが必要なときは、カートは外側に置いて、必要な品だけ歩いて取りに行きます。余計なものは“見ない、買わない”です」

■スーパーでの滞在時間は短ければ短いほどよい

【掟5】野菜は最後に買う

「メインになる肉や魚を先に買うと、買うべき野菜の量がわかって、買いすぎ防止にも」

【掟6】地元野菜コーナーへGO キャベツは一玉買い

「地元の産直コーナーは質もいいし安い。キャベツはよく使うので一玉買いします。

野菜が高いときはカット野菜も活用」

【掟7】冷凍揚げものなどリピ買い

「すべて手作りすることが節約になるとは限りません。冷凍コロッケやイカフライは、キャベツを添えると夕食のおかずになります。アツアツを食べるので家族に好評です。冷凍フライはよく買い置きします。ちくわの磯辺揚げも必需品」

ほかにリピ買いするのは、

「業務スーパーの刻み玉ねぎやスライス玉ねぎ。冷凍いんげんも使いやすい。冷凍むきあさりも保存できて、味噌汁やパスタにと使い勝手がいいです」

【掟8】パンは半額ロールパンのみ

「朝食用に、半額のドラッグストアのロールパンを見つけると買って冷凍ストックします。パン屋さんには何年も行ってません(苦笑)」

【掟9】支払いはキャッシュレスの明細を家計簿代わりに

「以前はレシートを集め家計簿をつけていましたが、今はクレジットカードかPayPayのキャッシュレス。明細が出るので家計簿が不要になります。1回の買い物で5千~6千円の支払いですね」

【掟10】滞在時間10~15分以内!

「スーパーはいろいろ見たら、ついつい欲しくなり余計なものを買ってしまいます。滞在時間は短ければ短いほうがいいんです」

また、ふるさと納税もしっかり利用!

「サケの骨なし1.8キロ。鶏むね肉8キロを1.5万円と、基本1万円代のものを選びます」

そして、三木家もたまには外食に出かける。

「回転ずしや、しゃぶしゃぶの食べ放題など。ポイ活はあえてしていませんが、いつの間にかたまったポイントを“臨時収入”として外食で使いますが、月に1度ほどです」

三木家のお米は、農家から直接購入している山形県産つや姫だ。

「30キロ約2万円で購入。月にすると5千500円ほど。スーパーでは1キロで1千円はします。『家のご飯がいちばんおいしい』が、外食にあまり行かなくて済む、大きな理由なんです」

三木流スーパーの掟10で、食費値上げにおいしく対抗しよう!

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