新卒から18年半、テレビ朝日のアナウンサーとして、報道、スポーツ、バラエティなど多岐にわたる番組を担当してきた大木優紀さん(45歳)。

 40歳を超えてから、スタートアップ企業「令和トラベル」に転職。
現在は旅行アプリ「NEWT(ニュート)」の広報を担当。さらに2025年10月には、ハワイ子会社「ALOHA7, Inc.」のCEOに就任し、家族とともにハワイへ移住。新たなステージで活躍の場を広げています。

 第63回は、ハワイに移住して約1年になる大木さんが、実際に暮らしてみて初めてわかった、観光では見えないハワイのリアルについて綴ります。(以下、大木さん寄稿)

ハワイ移住1年経過。1年経って感じるリアル

ハワイに1年住んでみたら…生活費は日本の約2.5倍!? 想像...の画像はこちら >>
 私事ではございますが、2025年9月にハワイに移住してから、丸1年が経とうとしています。

 日本にいたころ、ハワイへの出向が決まったと話すと、「ハワイに暮らすなんて最高だね」「毎日リゾート気分で羨ましい」と、よく言っていただきました。

 私自身も渡航前は、平日はバリバリ仕事をしつつ、休日にはビーチでのんびり過ごして、カフェでお茶をして……なんていう、キラキラしたハワイ暮らしを想像していました。

 ところが、実際に観光ではなく「生活する場所」としてハワイで暮らし始めてみると、理想と現実のギャップを感じることばかり。

 意外と週末の予定に困ったり、生活費が日本とは比べものにならないほど高かったり。もちろん、ハワイならではの魅力を感じる瞬間もたくさんありますが、1年暮らしてみて初めて見えてきた「リアルなハワイ」があります。

 今回は、東京生まれの私が感じた、観光で訪れるハワイと暮らすハワイのギャップ。
そして、実際に暮らしてわかったハワイの物価と、我が家が実践している節約術について、綴っていきたいと思います。

半年経って気づいた「ハワイって、意外とやることがない」

 まず、半年くらいしたときに「あれ?」と感じたギャップがあります。

 観光で来ていたころのハワイは、行きたいところややりたいことが溢れていたんですが、半年経ってしまうと、観光客の頃のマインドに比べて「あれ、週末やることないかも?」と思うようになっていました。

 私は生まれも育ちもほぼ東京。アナウンサーとしても長年、東京の大都会で暮らしてきました。東京って、いつも忙しいんですよね。平日だけでなく、週末も予定が入っていて、なんとなく「余白がない」まま日々を過ごしてきたように思います。

 ハワイに移住した当初は周囲の環境すべてが目新しく、「あのビーチに行ってみたい」「あのお店にも行ってみたい」「次はこのトレイルを開拓してみよう」と、週末もいろいろパンパンに予定を組んでいました。

 ところが、半年ほど経ったころには、ひと通りのスポットを回ってしまって、「あれ、今日はどうしようかな」と戸惑う日が増えてきたんです。

 これは、この後の話にもつながるのですが、お金をかけずに過ごそうと思うと、選択肢はビーチやトレイル、プールなど、自然の中で楽しむアクティビティが中心。もちろん、それもハワイの大きな魅力です。

 一方で東京は、「今日は新しくできたお店に行ってみよう」「気になる展示を見に行こう」「話題のカフェに行ってみよう」と次々と新しいトレンドが生まれる場所です。

 ハワイには、そういう意味での「ちょっと出かけてみよう」が、東京ほどたくさんあるわけではありません。


 観光でハワイに来ていたころは、隙間の時間をうまく埋めてアクティブに動きますが、暮らすとなると、そんなふうに動き続ける体力もなく、次第にやることがなくなってくる。そうして気づけば、私の生活には、東京にいたころよりずっと「余白」が増えていました。

 家族と何をするでもなく過ごす時間。空を見上げて、今日の空はきれいだなと思う時間。何も予定を入れず、ぼーっとする時間。

 東京にいたころの私なら、「せっかくの休日なのに何もしていない」と思っていたかもしれません。でも今は、こういう時間こそが本当の意味での贅沢なのかもしれない、と思うようになりました。

生活費は日本の2.5倍!? ハワイ暮らしのリアル

ハワイに1年住んでみたら…生活費は日本の約2.5倍!? 想像よりずっと地味だったハワイ暮らしのリアル
大木優紀さん
 そして、もうひとつのギャップが、物価の高さです。私の肌感覚的に、日本の生活費の2.5倍くらいはかかっているかなと思います。

 ハワイの物価をイメージしてもらいやすい例として、世界のビッグマックを比較する、「ビッグマック指数」を挙げてみます。

 東京だと、ビッグマックの単品の値段が約500円。それに対して、2026年のハワイでは、ビッグマック単品で、5.99ドル。1ドル=157円(2026年10月6日現在)の為替レートで日本円に換算すると、約940円になります。


 そして、特に高いのが日本の製品。

 ハワイには日本のスーパーやドン・キホーテもあるので、日本の食品を日本にいるみたいな感覚で買うことができるのですが、日本のものとなると、約3倍、下手すると5倍くらいに感じることもあるほどです。

 日本の商品が身近に手に入るのはありがたいですが、日本にいるときと同じ感覚で買い物をしていたら、あっという間に家計が膨らんでしまうのが現実です。

 ハワイで暮らすということは、こういった「小さな出費の積み重ね」と向き合うことなのだと、この1年で実感しています。

ハワイに住んで、自然と身についた節約習慣

 では、そんな物価の高いハワイで、我が家はどうやって生活しているのか。実際に暮らしてみて、自然と身についた節約術をご紹介します。

 まず、お水を必ず持ち歩くようになりました。

 ハワイではウォーターボトルを持ち歩くのがごく当たり前。暑くて乾燥しているので、大きなボトルを日常的に持ち歩いている人も多いです。

 日本のように自動販売機がたくさんあるわけではなく、ABCストアなどで買うと500mlの水1本でも3~4ドルほど。家族全員が毎回買っていたらかなりの金額になるので、我が家も子どもたちを含めて、水筒を持って出かけるのがルールになっています。

 二つ目は、基本的に自炊を徹底しています。

 東京にいたころは、仕事が遅くなると気軽に外食していましたが、今は郊外に住んでいることもあり、そもそも「ちょっと食べに行こう」が簡単ではありません。
さらに、外食には料理代に加えて税金やチップもかかるので、ハードルの高さが日本とは全然違います。

 自然と自炊が中心になりました。

 そして三つ目は、無駄な買い物が減ったこと。

 ハワイはさまざまな人種の人が暮らしていて、ファッションやトレンドも多様。いい意味で人の目を気にしないので、「流行っているから買わなきゃ」という感覚がなくなっていきました。

 男性はアロハシャツを着るというビジネスマナーがありますが、女性はだいたいワンピースを着ていればOKです。

 私自身も、仕事ではワンピースを着ることが多いのですが、何着かをずっと着回しています。

「周りからどう見られるか」より、「自分にとって本当に必要か」を基準にお金を使う。ハワイに来てから、そんなメリハリが自然と身についたように思います。

ハワイに1年住んで、私の「豊かさ」が変わった

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大木優紀さん
 こんなふうに、私自身が想像していた「キラキラしたハワイ暮らし」とは、少し違う、わりと普通の生活をしています。

 でも、やることがないからこそ、生活に余白が生まれました。ただ空を見上げ、今日の空の色を感じる時間が以前よりずっと増えました。


 そして、物価が高いからこそ、「これは本当に必要なものなのか」と物の価値を考えるようになり、暮らすことそのものに集中するきっかけにもなりました。

 もちろん、ハワイには、暮らしていても、旅で訪れていても変わらない、揺るぎない魅力があります。思わず深呼吸したくなるような空気と、空の下で過ごす心地よさ。これは1年暮らしてみても、やっぱり「最高だな」と思います。

 ハワイの暮らしのなかで見つけた「何もしない時間」や「必要なものだけを大切にする暮らし」は東京にいたころの私にはなかった、新しい豊かさなのかもしれません。

<文/大木優紀>

【大木優紀】
1980年生まれ。2003年にテレビ朝日に入社し、アナウンサーとして報道情報、スポーツ、バラエティーと幅広く担当。21年末に退社し、令和トラベルに転職。旅行アプリ『NEWT(ニュート)』のPRに奮闘中。2児の母
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