訓練センターの職員によると、麻薬探知犬は台湾全土に37匹いる。ハンドラー(担当者)とペアになり、1年365日、不正薬物が運び込まれる疑いのある航空便が到着したり、郵便物などが届くとすぐさま出動するという。1回の作業時間はおよそ10分以内。素早く作業を終えると直ちに次の任務に備える。
麻薬探知犬は不正薬物のにおいがすると、座るようにしつけられている。
台湾では旧正月になると、多くの人が「紅包」と呼ばれるお年玉を受け渡したり、豪勢な食事を取る習慣があるものの、訓練センターは、健康への配慮や規則正しい生活習慣を守るため、麻薬探知犬には餌を増やしたり、褒美をあげることはできないと説明する。
近年は海上貨物輸送の取り扱いが強化されたほか、2026年には桃園空港第3ターミナルの完成が予定され、訓練センターでは25年までに麻薬探知犬とハンドラーのペアを44組に増やす目標を掲げる。またたばこ探知犬や災害救助犬、爆発物探知犬などの育成も計画中で、訓練を受けた犬が活躍する場はさらに広がる見込みだ。
(呉佳蓉/編集:齊藤啓介)