▽金銭面の理由からラジコン模型を自作
地下室のテーブルは「駐機場」となっており、国産の「経国号」(IDF)やF104、F16などの模型が並ぶ。壁や天井にも模型や洪さんが撮影した戦闘機の写真が飾られている。
「中学生の頃、学校が(彰化市の)八卦山の麓にあり、難易度の高い飛行姿勢で訓練する戦闘機をよく見ていた」と洪さん。同級生らと授業後に空を見上げ、大きな音を立てて頭上を通過する戦闘機にワクワクしていたことが忘れられないと語る。
当時は市販のラジコン戦闘機を買う余裕がなく、発泡スチロールを使って模型を自作した。「初めは作りが粗く、シンプルで、市販品のように精巧ではなかったが、自分の好きな戦闘機が作れた」。
当時販売されていた製品はプロペラ機が多かった。自作すれば国軍の現役戦闘機が作れた。
洪さんは同級生と発泡スチロールを集め、積み木のように組み立てて機体を制作。モーターなどの部品を加えて、手作りのラジコン戦闘機を完成させた。
だが、その機体は飛ばなかった。「新しい戦闘機の開発と同じように、初めての制作ではテストと問題箇所の修正を繰り返した」。
▽趣味が高じて広がる活躍の場
最大の魅力は「自分だけの空間で自分だけの戦闘機を作れること」。自宅の限られたスペースで模型を制作する愛好者もいるというが、洪さんは専用のクリーンルームを設け、より自由な制作が可能だ。
洪さんが制作したラジコン模型は台湾の航空機メーカー「漢翔航空工業」からも注目される。抗日戦争時に中華民国支援のために結成された米航空義勇軍「フライング・タイガース」(飛虎隊)の記念行事に合わせ、P40戦闘機の模型制作を依頼され、南部・高雄市の航空教育展示館で展示された。
自ら設計して模型を作るだけでなく、離陸や着陸、急降下、宙返りなどの動作をいかに実機に近づけられるかについても、試行錯誤を重ねる。「実機ならマニュアルを参考にできるだろうが、ラジコンにはない」。
試験中に破損すれば、すぐに整備員になって外観や構造を調整する。こうした豊富な「実務経験」で、これまでも多くの国内外のラジコンコンテストで入賞。成功大学(南部・台南市)などの教育機関で航空工学を学ぶ学生に対し、模型戦闘機の制作指導も行っている。
性能をより良くし、外観の再現度を高めるため、空軍基地で開かれる航空機のデモンストレーションイベントによく参加するという洪さん。
(呉哲豪/編集:齊藤啓介)








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