9歳少年がペットの肖像画を描き続ける理由。絵と引き換えに動物保護施設へ寄付をしてもらう(ロシア)


 全てのヒーローが、常にマントを身に纏っているわけではない。そして、世界をより良くするために努力を重ねるヒーローに年齢は関係ない。


 ロシアの小さな都市に、素晴らしい絵の才能を持つ9歳の少年がいる。描くことが大好きな彼は、絵で動物保護支援をしている地域の最年少ボランティアだ。

 1年前、少年はペットの肖像画を描く代わりに、飼い主らに地域にある唯一の動物保護施設への支援を依頼するプロジェクトを母親と一緒に始めた。

 現在、施設には絵と引き換えに犬のエサや毛布などの必要品が続々と提供されており、少年の支援活動はソーシャルメディアでも大きな反響を呼んでいる。
【ペットの死をきっかけにプロジェクトを立ち上げる】

 ロシア西部ニジニ・ノヴゴロド州アルザマスにある小さな都市に住むパベル・アブラモフ君(9歳)は、大好きなアートへの情熱を素晴らしい方法で動物支援に組み入れた。

 1年前、パベル君は愛するペットを失った。
その時をきっかけにして、路上でさまよう犬猫たちの姿を目に留め始め、どうにかして支援をしたいと思うようになった。

 そこで、母親エカテリーナさんの協力を得て、『kind paintbrush(親切な絵筆)』と名付けたプロジェクトを立ち上げ、ロシアのソーシャルメディアサイト『フコンタクテ(VK)』で、「小さなボランティアに何ができる?」と題したグループ管理の代表者になった。

 愛するペットの死から立ち直るために、得意とする絵で野良犬や野良猫たちを支援しようと設立されたこのプロジェクトは、予想以上にパベル君を夢中にさせたようだ。

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【ペットの肖像画と引き換えに動物保護施設への寄付をお願い】

 絵を描くことが何よりも好きなパベル君は、愛するペットの肖像画を求める飼い主たちと連絡を取り合う中で、ペットの名前はもちろん、馴れ初め話を聞いたりすることが大好きになった。

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 依頼が来ると、ペットの写真をもとにパベル君は素晴らしいスキルで肖像画を描く。そのお礼にパベル君が飼い主たちに望むことはただ一つ、アルザマス市内にある唯一の動物保護施設にいる100匹以上の犬たちへのサポートだ。


 絵と引き換えになされる寄付に対して、パベル君は飼い主たちへ契約書に署名することを求め、絵が出来上がると飼い主は施設がその時に応じて必要なエサや毛布などの必需品を提供する仕組みになっている。

 パベル君は、施設内で最年少のボランティアとして、動物たちの支援に尽力しているのだ。

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【多くの飼い主から寄付がたくさん届けられる】

 パベル君の描く絵に感銘する飼い主たちは、ドッグフードの缶詰や穀物、ドライフード、骨などできる限りの量を寄付してくれる。

 中には、肖像画を15kgものビーフや骨と交換してくれた人たちもいた。

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 パベル君のこのボランティア活動は、ソーシャルメディアを通してロシア全土や海外でも話題になり、誰でもパベル君のように独自の方法で支援活動ができるという証明になった。

 これまで、息子の活動を見守ってきた母のエカテリーナさんは、メディアの取材で次のように話している。


息子の素晴らしいプロジェクトを誇りに思っています。息子は、ボランティア活動を献身的に行っています。

やりたいことがたくさんある息子にとっては、毎日が多忙で、秒刻みのスケジュール生活ですが、今はボランティア活動と肖像画を描くことに専念しています。

 エカテリーナさんによると、パベル君は将来建築家になって大きな動物保護施設を建てることが夢なのだそうだ。

 パベル君の素晴らしいアイデアと献身的な動物支援には、海外の動物愛好家からも称賛の声が相次いでいるという。

written by Scarlet / edited by parumo

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絵と引き換えに動物保護施設へ寄付をしてもらう(ロシア)
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