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アムネスティが分析した死刑の適用状況2020年度版によると、現在、死刑制度を継続している国の実際の執行率は減少の一途を辿っているという。 だがアメリカの場合その事情はちょっと特殊だ。従来の死刑執行法である薬物の入手が困難になっていることが背景にあるという。そのため、近年では死刑制度が衰退もしくは廃止となった州もいくつか存在しているそうだ。 そうした現状の中、サウスカロライナ州知事は先日、死刑執行において死刑囚に銃殺刑もしくは電気椅子のどちらかを選択させる法案に署名した。 上記の理由から、11年間も死刑が執行されていない同州知事は、「署名したことで、愛する人を失った被害者遺族に法が正義と解決を提供できる」と述べている。『The Guardian』などが伝えた。
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Governor McMaster signs law making inmates choose electric chair or firing squad【死刑囚に銃殺刑か電気椅子のどちらかを選択させる法案が成立】
5月14日、サウスカロライナ州のヘンリー・マクマスター州知事は、死刑執行に使用される薬物が入手できない場合、電気椅子もしくは銃殺刑のどちらかを死刑囚が選択することを認める法案に署名した。
死刑情報センターによると、アメリカではドナルド・トランプ政権時は連邦政府による死刑執行が行われており、政権交代前には13人の死刑囚の執行がなされたそうだ。
しかし、ジョー・バイデン大統領が就任して以来、アメリカでは死刑が執行されておらず、連邦や州の刑務所には2500人もの死刑囚が溢れているという。【薬物不足により死刑が延期になる事例が相次いでいた】
サウスカロライナ州においては、2011年以降死刑は執行されていない。その理由の1つは、従来の死刑執行方法となる薬物注射に使用される薬物が全米で入手困難となっているからだ。
以前の法では、電気椅子を選択しない場合、第1手段となる薬殺刑により死刑執行がなされる。ところが、薬物不足のため、囚人がその状況を逆手に取って電気椅子での処刑に同意せず、死刑が延期になるという事態が続いているという。
今回の新たな法では、薬殺刑が不可能な場合でも、電気椅子か銃殺刑かどちらかを選択させることで、死刑が執行されることになる。
死刑囚は、執行日から14日以内に銃殺刑か電気椅子かを選択しなければならず、選択を拒否したり銃殺刑を選択しなかったりという場合は、州矯正局が電気椅子による死刑執行を執り行うという。
【サウスカロライナ州は銃殺刑を認める4番目の州に】New law in South Carolina makes death row inmates choose between electric chair or firing squad https://t.co/NDw52RLFCm
— KSBW Action News 8 (@ksbw) May 17, 2021
これまで、アメリカでは銃殺刑はオクラホマ、ミシシッピ、ユタ州で認められているが、今回サウスカロライナ州はそれが許可された4州目となった。
5月17日、マクマスター州知事はTwitterでこのようにシェアした。
This weekend, I signed legislation into law that will allow the state to carry out a death sentence.
— Gov. Henry McMaster (@henrymcmaster) May 17, 2021
The families and loved ones of victims are owed closure and justice by law. Now, we can provide it.
今週末、州が死刑を執行することを許可する法律に署名しました。死刑が執行されたからといって、愛する人が戻って来るわけではないが、少なくとも法による正義が叶うと同州知事は述べている。
愛する人を失った被害者遺族は、法によって正義と解決を提供されることが可能になりました。
しかし、死刑廃止を訴える声は大きい。同州の死刑囚を支援する非営利組織『ジャスティス360』は、銃殺刑や電気椅子による死刑執行は「非人道的であり拷問死のリスクを生じさせる」と批判している。
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Governor McMaster signs law making inmates choose electric chair or firing squad【死刑に対する考え方の変化は製薬会社にも影響】
死刑執行に使用される薬物の入手が困難な理由は、多くの製薬会社が州で薬殺刑に用いられる薬の販売を止めているからだ。
2016年、世界最大の製薬会社ファイザーは、同社の製品が死刑執行のためにアメリカの刑務所で使用されないようにするための新しい一連の規制を課し、「当社は患者の命を向上させ救うために、製品を製造し、そのサービスを提供している」と述べた。
死刑廃止が強く訴えられる背景には、人種問題も深く関わっているようだ。死刑情報センターによると、連邦死刑囚の約40%は黒人だという。
また同センターは、1973年以来アメリカでは誤った有罪判決を受け、死刑宣告された170人以上が免罪となっていることも報告している。
written by Scarlet / edited by parumo
記事全文はこちら:死刑囚に「銃殺刑もしくは電気椅子」のどちらかを選択させる法案が成立(アメリカ・サウスカロライナ州) https://karapaia.com/archives/52302171.html











