地球から遠く離れた「天王星」や「海王星」は、どちらかというと地味な存在かもしれない。
なんとそこはダイヤモンドの雨が降るとてもスペクタクルな場所なのである。
巨大氷惑星 太陽系にある、天王星と海王星は、「アイスジャイアント(天王星型惑星)」に分類されている。
氷惑星といっても、天王星と海王星でキンキンに冷えた美味しいドリンクを作ろうとしても上手くいかないかもしれない。というのも、一般的な意味での氷ではないからだ。
この分類の名称は、それを構成する物質に因んでいる。たとえば木星と土星は主に「水素」と「ヘリウム」のガスでできており、「巨大ガス惑星」に分類される。
一方、天王星と海王星は、ほとんど「水」と「アンモニア」と「メタン」だ。天文学者はこれらの分子を「氷」と呼ぶが、じつは惑星が形成された当時は固体だった可能性が高いという以外、きちんとした理由はない。
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天王星と海王星の水・アンモニア・メタンは量子状態にある可能性 天王星と海王星は、緑や青い雲におおわれているが、その下にはおそらくは岩石のコアがあり、それをたっぷりの水とアンモニアとメタンが包んでいる。
だが、コアを包むそれらの元素は、かなり奇妙な状態にあると考えられている。超高圧で圧縮され、エキゾチックな量子状態にあるのだ。
とは言っても、本当のところ、2つの惑星の内部の様子については、あまりよくわかっていない。なにしろ、人類が天王星と海王星に接近したのは、30年前のボイジャー2号が最後なのだ。
木星と土星にはそれ以降も探査機が送られたが、天王星・海王星の場合は望遠鏡から観察されただけだ。
だから両惑星の内部の状態については、実験や数理モデルを通じて、古いデータを補うことで推測されている。
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ダイヤモンドの雨が降る そこから明らかになったのは、ダイヤモンドの雨が降っている可能性だ。
この仮説は、1977年にボイジャー2号が打ち上げられる前から提唱されていたが、数理モデルの研究によってさらに詳しいことがわかっている。
天王星と海王星では、中心に近づくにつれて温度と密度が上がり、マントルの一番内側の部分では、温度が6700度、圧力は地球の大気の600万倍あると考えられている。
一方、マントルの外側では、温度が1700度と若干低く、圧力も地球の20万倍にまで下がる。
この状況だと、超高圧で圧縮されたメタンの分子が分解されて、炭素が放出される。炭素は仲間を見つけて、長い鎖を形成する。この長い鎖がぎゅっと集まって、ダイヤモンドのような結晶パターンになるのだ。
こうしてダイヤモンドが高温のマントル内に雨となって降り注ぐ。
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海王星のダイヤモンドの雨 image credit:Greg Stewart / SLAC National AcceleratorLaboratory
ダイヤモンドの雨は実験でも確認 ダイヤモンドの雨は、数理モデルから推測されているだけでなく、実験によっても確かめられている。
その実験では、強力なレーザーを照射することで、巨大氷惑星内部の状況の再現を試みた。その結果、発泡スチロールから見事ナノサイズのダイヤモンドを作ることに成功している。
もちろん天王星と海王星に発泡スチロールはないのだが、メタンは同じように振る舞うと考えられている(メタンではなく発泡スチロールが使われたのは、扱いやすいから。要は研究者の都合だ)。
実際の両惑星では、レーザーなどよりずっと長い間圧力がかかるはずなので、ナノサイズよりもずっと大きなダイヤモンドに成長することだろう。
キラキラと輝く雨を集めて地球に持ち帰れば、あっという間に大金持ちだ。きっとみんなも巨大氷惑星に行きたくなったんじゃないだろうか?
References:'Diamond rain' on Uranus and Neptune seems likely | Live Science / written by hiroching / edited by parumo
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