人型ロボットアトラスが引退を発表、かと思いきや超進化した新型がすぐに登場
 お掃除ロボットや配膳ロボットなど、私たちの日常にさまざまなロボットが浸透する中、ボストンダイナミクス社の人型ロボット「アトラス」が引退を発表した。

 さかのぼること11年前。初めて公開された時のアトラスは、今よりはるかにメカメカしく、ワイヤー付きの二足歩行がやっとだった。だがその後は我々の度肝を抜く進化を遂げ、人間どころか超人寄りのパフォーマンスを披露するほどになっていたが、ここで引退宣言となったようだ。

 と思いきや、超進化したアトラスがすぐにお披露目となったようだ。

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Farewell to HD Atlas人型ロボットアトラスが引退発表 アトラスは、2013年にデビューしたボストンダイナミクス社の人型ロボットだ。 DARPAの資金提供で開発が進められたアトラスだが、当初は捜索救助を目的に設計されていたという。

 上の動画は、引退の発表に伴いボストンダイナミクス社が特別に編集した、アトラスの失敗や笑いを生んだシーンを集めた動画だ。

 これを観るだけで、11年にわたるアトラスの歩みと同社のアトラスへの想いが伝わってくる。

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 当初はワイヤー無しでの歩行がやっとだったアトラスだが、開発が進むにつれ、並の人間顔負けの驚くべき身体能力を発揮するようになった。

 ただしその間も転んだり壊れたりの失敗は何度もあった。坂で転んでゴロゴロと転落してくとか

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 落ちて転んで足が壊れて盛大にオイル漏れとか

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 さらにはどつかれることも

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 そうした舞台裏を隠すのではなく、オープンにするボストンダイナミクス社のおかげで、私たちはよりアトラスに好感をもてた気がする。

 不安定な地形の歩行をマスターしてからは、パルクールやバク宙もこなして一躍人気者に。そしてつい昨年も職人見習いのような動きで私たちを楽しませてくれた。

 アトラスとこれでサヨナラか、頑張ってたのに何で引退しちゃうのだろう。と思っていた矢先...すぐに新型がお披露目される その健気な姿を追ったアトラス引退の動画発表に、涙を浮かべた人も多いだろう。だがその裏で、ちゃくちゃくと準備が進められていたようだ。ニュータイプとやらの発表を。

 新型と呼んでいいのかわからないほど全面的に刷新された新型アトラスが、4月17日に披露されたのだ。

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 俺たちの知ってるアトラスじゃない。だって顔が丸いんだもの。

 リングライトのような丸い顔を持つ新型アトラスは、油圧式から全電動式となった。関節が自在に回転させることができ、頭もくるくる回るし、人間にはまねできない柔軟さだ。

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 音も静かで効率的となった新型アトラスは、依然として人間の形を留めているものの、人間の動きを模倣することをやめた。

 人間よりも強度な関節を持ち、人間を上回る可動域で、より創造的なタスクを実行する能力を持っているという。

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 この新型アトラスの動画が公開されると、ぬるっと立ち上がり、くるりと頭が回転する姿にネットユーザーからは「ロボット版エクソシストかな?」の声も。

「ラスボスをやっと倒したと思ったら、こんなふうに立ち上がられたらどうするよ」とのコメントもあった。また「ピクサーのランプが体を手に入れたかのようだ」との声もあがった。  ボストンダイナミクス社は、新型アトラスの汎用性をさらに高めるために様々な操作ニーズに対応する交換可能なパーツを開発中だそうだ。

 「今後数年以内に、世界で最もダイナミックなヒューマノイドロボットが実際に何を達成できるのかをお見せしたい」とボストンダイナミクス社は語る。

References: futurism /
Boston Dynamics’ ‘Atlas’ Reincarnates As Terrifyingly Flexible All-Electric Botなど /written by D/ edited by parumo

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