占い業界にもAI化の波 タロット占い師がChatGPTにカードを解釈させていた
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 タロット占いは、78枚のカードに描かれた絵柄を、占い師が直感や霊的な感性で読み解く占術だ。

 出たカードの解釈は占い師一人ひとりの感性に委ねられており、同じカードでも答えは変わる。

 そんな占いの世界にも、AI化の波が押し寄せてきた。

 ミシガン大学やMITメディアラボ、ロンドン大学クイーン・メアリー校などの研究機関による調査で、アメリカ、カナダ、メキシコのタロット占い師の一部が、引いたカードをChatGPTに入力し解釈を求めていることが明らかになった。

 この研究成果は『Proceedings of the CHI Conference on Human Factors in Computing Systems[https://dl.acm.org/doi/10.1145/3772318.3791571]』(2026年4月3日付)に掲載された。

タロット占いの世界にもAI化の波

 タロットは、もともと15世紀のイタリア・ルネサンス期に生まれたカードゲームだった。

 その後ヨーロッパ各地に広まり、18世紀ごろから神秘的な象徴体系が重ねられるようになった。

 カバラ(ユダヤ教の神秘主義思想)、古代エジプト学、数秘術といった思想が混ざり合い、現在のような占いの道具へと変容していった。

 20世紀初頭、英国の出版社ライダー社が78枚一組の「ライダー・ウェイト・スミス版」を発売し、英語圏で最も普及したタロットデッキになった。

 現代でもタロット占いは人気だ。

  2025年5月にアメリカの民間調査機関「ピュー・リサーチ・センター」が発表した調査[https://www.pewresearch.org/religion/2025/05/21/3-in-10-americans-consult-astrology-tarot-cards-or-fortune-tellers/]によると、アメリカ人の約3人に1人が年に1回以上、タロットや占星術、霊能者への相談を利用しているという。

 そんなタロットの世界にも、ついにAI化の波が押し寄せてきた。

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占い師がAIを使用する理由

 2026年4月、ミシガン大学やMITメディアラボ、ロンドン大学クイーン・メアリー校などの研究者チームが、人間とコンピュータの相互作用を研究する国際学会「CHI 2026」[https://chi2026.acm.org/]で研究成果を発表した。

 すでにAIを鑑定に取り入れているアメリカ、カナダ、メキシコのタロット占い師12名にインタビューを行い、どのように生成AIのChatGPTを使っているかを調べたものだ。

 占い師たちがAIを使う理由は、大きく3つに分かれた。

 1つ目は、自分の直感への自信のなさだ。

カードの組み合わせが複雑で解釈に迷ったとき、ChatGPTに答えを求める占い師がいた。

 2つ目は、複数の解釈を比較したいというニーズだ。 同じカードの並びに対して、異なる視点からの解釈を得るためにAIを活用するケースもあった。

 3つ目は単純にスピードだ。 タロットの鑑定は場合によっては1時間以上かかることもある。 AIを使えばその作業を大幅に短縮できる。

 研究チームは今回の調査について、AIの使用有無より、タロット占い師たちがAIをどのように使っているかを記録することが目的だと述べている。

  ただし、サンプル数が12名と少ないため、あくまで実態の一端を示したものとして受け取る必要がある。

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占い師がAIを使用することで発生する問題も

 カードを引いたあと、占い師は質問の内容や相談者の状況、カードの絵柄が醸し出すエネルギーを総合的に読み解く。

 同じカードでも占い師によって解釈は異なり、占い師個人の感性がタロット鑑定の核心とされてきた。

 ところがChatGPTは、相談者の人生背景も、そのときの感情も、文脈も何も知らない。 インターネット上から集めた膨大なタロット関連のテキストをもとに、それらしい言葉を生成しているに過ぎない。

 研究チームによると、ChatGPTのようなAIチャットボットはユーザーが求める答えに同調しやすい性質を持っており、客観的な鑑定にはならない可能性があるという。

 また、占い師がAIの出した解釈をそのまま客に伝えた場合、客はそれをAIが生成した言葉とは知らず、占い師自身の霊的な読み解きとして受け取ることになる。

 研究者たちが懸念するのは、AIへの依存が進むことで、占い師自身の直感や読み解く力が少しずつ失われていく可能性だ。

 AIを使えば使うほど、本来自分でできるはずのことが衰えていくという、AI全般に共通する問題と重なっている。

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タロット占い業界で広がるAIへの強い反発

 もちろん、すべての占い師がAIを歓迎しているわけではない。

 研究チームがオンラインのタロットコミュニティを通じて調査参加者を募ったところ、回答の70%以上が参加拒否だった。

 AIへの反発を理由に挙げる人が多く、タロット界における賛否の深い溝が浮き彫りになった。

 オンラインのタロット議論コミュニティでは、モデレーター(コミュニティの管理・運営を担当する人物)たちがAI関連の話題をすべて禁止している場所もある。

  AIに頼り続けることで、占い師としての個人的な直感が長期的に失われていくという懸念からだ。

 一方で、AIを批判的な視点から活用しようとする占い師たちもいる。

 自分の解釈の思い込みや見落としに気づくために、あえてAIに別の角度からの意見を求めるという使い方だ。

 占い師が主導権を持ちながらAIを補助的に使う分には、読み解きの幅を広げる道具として機能しうると研究チームは述べている。

 タロット占い師たちは今、AIを使用するべきか?使用するなら最適な使い方を模索しているようだ。

References: Interpretive Cultures: Resonance, randomness, and negotiated meaning for AI-assisted tarot divination[https://dl.acm.org/doi/10.1145/3772318.3791571] / Your Next Psychic Reading Might Secretly Come From a Clanker[https://www.vice.com/en/article/your-next-psychic-reading-might-secretly-come-from-a-clanker/]

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