アメリカで、第一子の出産を目前に控えた女性が病院の窓の外を見て思わず涙が込み上げた。
そこには、愛犬と義父の姿が!
妊婦のヘイリーさんは入院時、愛犬を義父母の家に預けていたのだが、アメリカでは標準的な無痛分娩のための硬膜外麻酔の処置を受けた直後、義父母にこうメールした。
「リンカーンが分娩室の前の庭を走り回っているところを想像するだけで気持ちが落ち着く」と。
愛犬のリンカーンは、誰よりも先に妊娠を知り、それからずっと彼女を支え続けていた。
そのメールを見た義父は1時間後、リンカーンを連れて病院の庭に向かったのだ。
妊娠を最初に知り、常に支えてくれていた愛犬
アメリカ、イリノイ州で暮らすヘイリーさんとリックさんに待望の赤ちゃんが授かった。
誰よりも先に妊娠を知ったのは愛犬のリンカーンだ。妊娠検査薬が陽性を示した瞬間に隣にいたのだ。
妊娠期間中、リンカーンはヘイリーさんのそばをほとんど離れなかった。
どこへ行くにもついてきて、ソファに座れば隣に座り、横になれば寄り添った。まるでヘイリーさんとお腹の赤ちゃんを守るように、ずっとそばにいたのだ。
ヘイリーさんにとってリンカーンは家族であり、親友だ。
何気ないメールが義父の心を動かした
陣痛が始まり、ヘイリーさんとリックさんは急いで病院へ向かった。リンカーンは病院に連れて行けないため、リックさんの両親に預けることにした。
病院に到着したヘイリーさんは、アメリカでは一般的に行われる無痛分娩の処置を受けた。
陣痛の間隔が狭まり、子宮口が一定の大きさに開いたら、背中から細いチューブを通して麻酔薬を注入する硬膜外麻酔を打つことで、分娩が終わるまで痛みをやわらげ続けることができる。
麻酔処置がうまくいき、少し落ち着いたヘイリーさんはリンカーンを預かっている義父母にメールを送った。
病院の窓から見える広い芝生の写真を添えて、「リンカーンがこの芝生を楽しそうに走り回っているところを想像するだけで気持ちが落ち着く」と伝えた。
愛犬への恋しさをつぶやいた、何気ないひと言だった。
義父のポールさんはそのメールを読んですぐに動いた。
妊娠中からずっと「リンカーンがいると心強い」と話していたヘイリーさんの気持ちを知っていたからだ。
窓の外に本物のリンカーンが現れた!
メールを送ってから約1時間後、義父のポールさんからメールが届いた。
「まだリンカーンが外を走っているところを想像している?もしそうなら、窓から外を見てみて」
ヘイリーさんが窓の外に目をやると、広い芝生の上に本当にリンカーンがいた!
義父のポールさんがリンカーンを連れて、病院まで来てくれていたのだ。
ヘイリーさんもリックさんも、まったく知らされていなかったため思わず目を疑ったという。
わざわざ来てくれるなんて思ってもいなかったのだ。
義父のポールさんはヘイリーさんにとってリンカーンがどれほど大切な存在かをわかっていたのだ。
リンカーンは病院の中には入れないが、それでもポールさんは、ヘイリーさんを励ますため、なんとか会わせてあげたかった。
出産を前に緊張していたヘイリーさんの顔に笑顔が戻った。
家族の一員として迎えられた赤ちゃん
無事出産を終え、ヘイリーさんは第一子となる女の子、ベラちゃんが元気に誕生した。
退院後、ヘイリーさんとリックさんは自宅へ戻った。
リンカーンはすぐにベラちゃんにやさしく接した。落ち着いたお兄ちゃんとして寄り添った。
ヘイリーさんは、ベラちゃんが幼い頃をリンカーンと一緒に過ごせることがうれしいと話す。きっと2人は大親友になる、と。
妊娠を知った日から見守り続けていたリンカーンは今、守るべき家族が1人増えた。
アメリカの出産事情
この記事を読んで、陣痛が始まってるのに落ち着いてるし、分娩室に窓がある部屋なの?と思った人もいるかもしれない。
日本の分娩室は窓のない手術室の場合が多いが、アメリカでは陣痛から分娩、産後の回復までを同じ部屋で行うLDR室が一般的で、窓のある広い個室が多い。
ヘイリーさんが窓の外の芝生に気づけたのも、こうした環境があったからだ。
また、日本では自然分娩が主流で、無痛分娩を選ぶ人は全体の約6%にとどまるが、アメリカでは出産の約7割が無痛分娩で行われている。
そのため、出産間近でも痛みがやわらいでいて、落ち着いて過ごしている場合が多い。
入院期間も、日本では正常分娩の場合、産後5~6日の入院が一般的だ。
アメリカでは無痛分娩は出産後の体力回復が比較的早い特徴があるため、産後24時間ほどで退院するのが普通で、出産翌日には自宅に帰る。
ただしこれらは正常な分娩についてで、帝王切開や何らかの異常があった場合は例外となる。
日本でもLDR室が導入されている産婦人科もあるようだ。
陣痛のピーク時に自力で分娩室へ移動する必要がなく、家族と一緒に過ごせることがメリットだという。











