手の平の厚さなんと8cm!「鉄砂掌」で鍛えた中国武術家の手の威力
image credit: <a target="_blank" href="https://www.facebook.com/TuoiTreCuoi/posts/pfbid02DsMSxdFS9BcnzVLZi76B1Z3tjwd9hApvqeuiJBQJjWN8H41hLM9UY9RCUSMLtrmgl">Facebook @Tuổi Trẻ Cười</a>

手の平の厚さなんと8cm!「鉄砂掌」で鍛えた中国武術家の手の...の画像はこちら >>

 山東省に住む張龍祥さん(53)は、20年以上にわたって「鉄砂掌」を極めた武術家だ。鍛錬を続けた彼の右手は、なんと厚さが約8cmもあるという。

 手の平の一撃でレンガを叩き割り、鋼鉄の釘を木板へ打ち込む。カンフー映画顔負けの技を披露する張さんだが、「映画はフィクション」と強調する。

 熱した砂に手を突っ込むような修行も、掌風で敵を吹き飛ばすような神技も、現実には存在しないという。

 実際の修行は意外なほど地道で、毎日の反復鍛錬の積み重ねだというが、鉄砂掌とはいったいどんな修行方法なのだろうか。

厚さ8cmの手の平の持ち主

 厚さ8cmの手の平と言っても、なかなかピンと来ないと思う。実際に私が手の厚さを計ってみたら3cmにも満たなかった。

 こちらの写真を見ると、左右の厚さの違いがよくわかるのではないだろうか。

[画像を見る]

 これは生まれつきのものではない。20年以上にわたり、ひたすら鍛錬を積み重ねた結果なのである。

 彼が極めたのは「鉄砂掌(てっさしょう)」と呼ばれる少林武術の修行法だ。

 その修行は過酷で、毎日、鉄砂を詰めた袋を手の平で何千回も打ち続けるのだという。

 下の動画は、その鍛錬の様子を写したもの。鉄砂の入った袋に手の平をたたきつけ続ける様子を見ることができる。

 鉄砂とは、鉄の粒や砂などを混ぜたものだという。このハードな修行を繰り返すことで、手の平は異様なまでに分厚くなっていくのである。

[動画を見る]

鉄砂掌って何?

 鉄砂掌とは、文字通り「鉄の砂の掌」という意味で、鉄砂を詰めた袋や砂袋を何千回も叩き続け、手そのものを鍛え上げる修行法のことである。

 手をこれほどまでに鍛え上げてどうするのか。実は中国武術には、拳だけではなく、「掌底」「手刀」「平手打ち」などを使う技が多いんだとか。

 手をとことんまで鍛えることで打撃力が上がり、破壊力が増すのである。日本人にとっては、空手の瓦割りを想像するとわかりやすいかもしれない。

 実際に中国武術でも、気合と共にレンガなんかを砕く演武が行われることがある。例えば下の動画のような技である。鉄砂掌で鍛えた手の威力を見てみよう。

[動画を見る]

 もう一つの目的は、衝撃への耐性を高めることだそうだ。繰り返し手に刺激を加えることで、皮膚が厚くなりタコができ、痛みに強くなるわけだ。

 ただし、空手の瓦割りが主に拳や手刀など打撃技術の正確さや威力を示す演武であるのに対し、鉄砂掌は長年の反復鍛錬によって、手の平そのものを変化させることに重点が置かれているという。

きっかけはドラマ。鉄砂掌を極める

 張さんは1973年生まれで、幼い頃から伝統武術に夢中で、村の師匠から拳法や武器術を学びながら「武侠の世界」に憧れていたという。

 そんな彼が鉄砂掌に強く惹かれるきっかけとなったのが、当時大ヒットしていたドラマ「射雕英雄伝」だった。

作中にはさまざまな神技が登場しますが、その多くは創作です。でも鉄砂掌だけは、現実に存在していたんです

 そう語る張さんは、数多くの拳法を学ぶ中で、この鉄砂掌を身につけたいと考えるようになった。しかし長年、これを教えてくれる師匠には巡り会えなかった。

 転機が訪れたのは1998年。25歳だった張さんは警備会社の隊長を務めており、友人との食事の席で鉄砂掌の使い手と出会ったという。

 すぐに弟子入りを申し出たが、師匠はこう答えた。

技術は教えよう。しかし修行は自分で続けなければならない。8年間続けられたら、その時に正式な弟子の話をしよう

 以来張さんは、毎日自分で鍛錬を続けた。

小さな鋼球を詰めた砂袋を手のひらで叩き、打ち、手刀を打ち込み続けた。

 こうした練習を毎日1~2時間続けるうちに、手のひらは徐々に厚みを増していき、手の甲や指の関節には分厚いタコができた。

鉄砂掌は続けなければ意味がありません。数日練習を休むだけでも、手が柔らかくなったように感じます。技の威力も落ちてしまうんです

 修行中に手を負傷することも珍しくなかったが、一度も諦めようと思ったことはなかったそうだ。

 厳しい鍛錬を続けた結果、今の張さんは龍虎派鉄砂掌の第17代伝人(継承者)という立ち位置にあり、中国武術協会鉄砂掌研究会会長も務めているそうだ。

 鍛え上げた右手で、8個のレンガをいっぺんに割ることができるほか、手の甲で鉄釘を着の板に打ち込むという技もやってのけるという。

[画像を見る]

フィクションではない「正しい鉄砂掌」を伝えたい

 だがそんな中、張さんが衝撃を受ける出来事があった。あるイベントに参加した際、主催者が鉄砂を入れた大鍋を火にかけていたのである。

彼らはドラマのように、熱した鉄砂に手を突っ込んで鍛えるものだと思っていました。そして私にも、その場でやってほしいと言ったんです

 確かに中国の任侠・武侠系の映画や小説には、「掌風で人を吹き飛ばす」「岩を砕く」といった、超人的な技を持つヒーローがよく登場する。

 彼らの多くは、荒唐無稽な超能力のような技を使い、実際にはあり得ない誇張された方法で修業をする。

熱した鉄砂を使った修行もそのひとつだ。

 だが、焼けた鉄砂などに触れたら、張さんだってただでは済まない。そんな修業は、現実にはあり得ないのである。

 しかし一般の人たちの中には、そんなフィクションを事実だと信じている人も少なくない。この時のスタッフの行動は、張さんにとって大きな衝撃だったという。

映画やドラマのおかげで、鉄砂掌は有名になりました。私もそこから興味を持った一人です。でも同時に、多くの誤解も生まれてしまいました。

このイベントでのスタッフの言動は、強く印象に残りました。大きな組織の主催者でさえ誤解していたのです。一般の人ならなおさらでしょう

 この時以来、張さんは「鉄砂掌を映画や武侠小説の作り話だと思われたくない」という姿勢を貫き、正しい練習法を広める努力を続けている。

[画像を見る]

 鉄砂掌は仙術や超能力のようなフィクションではなく、長い年月をかけて自分の手を鍛え上げる、中国武術独特の鍛錬法である。

 現在、彼は後進の育成にあたっており、中国全土から集まった弟子たちに、「正しい修行法」を教え続けている。

 同時により多くの人に鉄砂掌を知ってもらうことで、「鉄砂掌の名誉を回復したい」と願い、「鉄砂掌武館」という道場の開設に向けて動いているという。

[画像を見る]

References: Man Who Practiced Iron Sand Palm Kung-Fu Technique for 20 Years Has 3-Inch-Thick Palms[https://www.odditycentral.com/news/man-who-practiced-iron-sand-palm-kung-fu-technique-for-20-years-has-3-inch-thick-palms.html]

編集部おすすめ