ファンク、ソウルから80’sテイストのロックなどを反映させた多彩な音楽性、そして、日本史をテーマにしたコミカルなのに切ない歌詞。独創的すぎるスタイルとエンタメ性たっぷりのステージングによって幅広い人気を得ているレキシ池田貴史のソロプロジェクト)。
これまでの作品にはいとうせいこう、椎名林檎斉藤和義、松たか子、持田香織(Every Little Thing)、秦 基博、後藤正文(from ASIAN KUNG-FU GENERATION)といった豪華なゲスト陣が参加。予想を超えたコラボレーションもレキシの大きな魅力だ。(レキシと共演する際の名称“レキシネーム”を欲っするアーティストも多数!?)

5月6日のストリーミングサービス解禁を記念し、キャリアを代表する楽曲を紹介。いずれも歴史的コラボによる名曲ばかりだ。

きらきら武士 feat.Deyonná(椎名林檎)

出典元:YouTube(avex)

2ndアルバム「レキツ」に収録された「きらきら武士 feat.Deyonná」にフィーチャーされたのは椎名林檎。軽快なファンク・ビート、ポップにきらめくメロディとともに椎名林檎が<今日は朝から 馬乗って/あたしをここから連れ出して>とキュートと歌い上げるこの曲はレキシの初期の代表曲であり、ライブのクライマックスで披露されることが多いダンスチューン。
椎名林檎のコンピレーションアルバム「浮き名」にも収録され、彼女のソロツアーでも披露されたことも。

狩りから稲作へ feat.足軽先生(いとうせいこう)・東インド貿易会社マン(グローバー義和 from Jakson vibe)

レキシの知名度を一気に高めた「狩りから稲作へ feat.足軽先生・東インド貿易会社マン」には、日本語ラップのオリジネイターの一人であるいとうせいこうが参加。池田が<縄文土器 弥生土器 どっちが好き?>と歌い上げ、いとうが<見つけたら逃さぬナウマン象/どこまでも追ってく皆そう>とパンチラインを決めるこの曲は、ファンが人気グッズ‟INAHO(稲穂)‟を振りかざして盛り上げるアンセムだ。

年貢 for you feat.旗本ひろし(秦 基博)、足軽先生(いとうせいこう)

出典元:YouTube(Victor Entertainment)

“年貢の納めどき”をモチーフにしたロマンティックな求婚ソング「年貢for you feat.旗本ひろし」のメインボーカルは、秦 基博。ソウルミュージックの風味を感じさせる旋律と秦の心地よいボーカルが響き合う名曲として広く認知されている。あまりの曲の良さに「これが秦くんの代表曲になってしまうのでは…」と心配したファンもいたとか、いないとか。
<ほどく 心 孤独 越える 夜に 響く コトバ実り>と、この曲でもいとうせいこうの優れたライムが効いている。

SHIKIBU feat.阿波の踊り子(チャットモンチー)

出典元:YouTube(Victor Entertainment)

麗しい十二単姿のレキシ、公家姿の劇団シキブこと八嶋智人が京都の街で追いかけっこするMVも楽しい「SHIKIBU feat.阿波の踊り子」のテーマはずばり、平安時代の女流作家“紫式部”。彼女が描いた切なくも官能的な愛の物語を普遍的なラブソングに結びつけ、チャットモンチーのキャッチーなコーラスを加えた極上のポップナンバー。池田のソングライティング・センスと遊び心が高いバランスで融合した名曲だ。

最後の将軍 feat.森の石松さん(松たか子)

出典元:YouTube(Victor Entertainment)

20年以上に及ぶレキシのキャリアにおいて、もっとも大きな感動を生み出した楽曲の一つが「最後の将軍 feat.森の石松さん」。国民的女優・歌手である松たか子をゲストボーカルに招いたバラードナンバーだ。
ドラマティックに響くメロディとともに描かれるのは、最後の将軍として知られる徳川慶喜と大政奉還を終わっていく恋愛に重ね合わせ歌詞は、“歴史上の出来事を現代的なポップスに昇華する”というレキシのスタイルの最高峰だ。女優の夏帆が出演したMVの切なさもたまらない。

GOEMON feat. ビッグ門左衛門(三浦大知)

出典元:YouTube(Victor Entertainment)

ネオソウル的なバンドグルーヴ、洗練されたメロディラインを軸にした「GOEMON feat.ビッグ門左衛門」のボーカルを担っているのは、三浦大知。世界レベルのダンスでも注目を集めている三浦だが、この曲ではシンガーとしての豊かな表現力をたっぷりと発揮している。好きな女性との微妙な距離感を描いた歌詞も絶品だ。MVでは(なぜか)三浦ではなく、池田がダンスを披露、“踊るレキシ”を楽しむことができる。


その他、世界的ジャズピアニストの上原ひろみが参加した「SAKOKU feat.オシャレキシ」、タブラ奏者のユザーンとの即興セッションによる「Takeda’feat. ニセレキシ」など、演奏家をフィーチャーした楽曲もおすすめ。歴史ネタ満載のおもしろさと豊かな音楽性を兼ね備えたレキシ・ワールドを心ゆくまで堪能してほしい。

オススメプレイリスト

(KKBOXライター:森朋之)