雨宮天が導き出したファンと楽しむための新たな“セオリー”を感...の画像はこちら >>

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声優、アーティスト、そして自ら作詞・作曲を行うシンガーソングライター/クリエイターとしても存在感を増している雨宮天が、その才能を全方位で存分に発揮したステージ。それがこの夏に行われたライブイベント“LAWSON presents 雨宮天 Live Event 2026 -Room Theory-”だ。

大阪と東京の2都市で計4公演、今までのワンマンライブとは一味異なるスタイルで届けられた今回のワンマンライブイベントのうち、8月1日に東京・Shibuya LOVEZで開催された東京での初日公演のレポートを通じて、彼女が導き出したファンと楽しむための新たなセオリーを紹介したい。

PHOTOGRAPHY BY 江藤はんな[SHERPA+]
TEXT BY 北野 創

雨宮天のお部屋に招待!ライブとトークで構成された新たなセオリー

今回のライブイベントは、今年5月にリリースされた雨宮の最新EP『ノンシナリオ・エチュード / 雨宮天作品集2-Theory-』のリリースに伴い企画されたもの。同EPには雨宮自身が作詞・作曲した全5曲の新曲が収録され、サブタイトルに『Theory』とある通り、彼女がこれまでの活動で築き上げてきたアーティスト/クリエイターとしてのセオリーを示すものとなっていた。そんな作品を携えた今回のライブイベントもまた、アーティスト・雨宮天のライブ活動におけるニューセオリーを提案するものに。アイデアマンでもある彼女の本領発揮となるステージとなった。

会場には開演前から雨宮の楽曲の音源が大音量で流れ、客席の青き民(雨宮天のファンネーム)たちがクラップして早くも盛り上がるなか、この日のライブをサポートする“天ちゃんバンド”のメンバー、宮永治郎(g)、奥野翔太(b)、高尾俊行(ds)、荒幡亮平(Key/バンドマスター)がスタンバイ。ステージが青や紫の光に彩られるなか、バンドのエネルギッシュな前奏に導かれて、この日の主役・雨宮天が登場。演奏がストップして1拍間を置くと、雨宮の“ご期待ください!”という歌い出しと共に1曲目「ノンシナリオ・エチュード」がスタート。「“Room Theory”へようこそ!一緒に楽しんでいきましょう!」と声をかけて、自身がヒロインの水原千鶴役で出演するTVアニメ『彼女、お借りします』(以下、『かのかり』)第5期オープニングテーマでもある本楽曲を、笑顔で晴れやかに歌唱していく。

ストライプ柄のシャツにゆったりしたシルエットのパンツを合わせた衣装の雨宮は、続いて「PARADOX」を披露。こちらも自身がヒロインの氷室菖蒲役で出演したTVアニメ『理系が恋に落ちたので証明してみた。』の第1期オープニングテーマであり、ラブコメ作品らしいキュートネスが堪能できる楽曲。なおかつ雨宮が「THE FIRST TAKE」に初登場した際に歌った、ソロアーティストとしての代表曲の1つでもある。

雨宮は愛らしい仕草を交えながら明るくピュアな歌声を会場中に振りまき、バンドの竿隊2人もステージ前に躍り出て盛り上げる。自身の持ち曲の中でもラブリーな魅力をもった2曲で青い民のハートを奪う立ち上がりとなった。

今回は“Room Theory”というタイトルの通り、まるで雨宮が青き民たちを自分の部屋に招き入れるような、普段のライブよりも距離の近い空間作りを意識した「実験的な」ライブイベントになっているとのこと。MCで「10年以上やっててこんなに緊張する?」と笑いながら青き民たちに語りかけつつも、バンドメンバーの紹介や自身が好きな歌謡曲の話を経て緊張の糸がほどけてきたのか、昨年に開催したリサイタルの話題に触れて、同公演でカバーした歌謡曲の一節をアカペラで披露してだんだんいつものペースに。その歌謡好きの一面を自身のアーティスト活動に導入するきっかけとなったのが2017年のシングル表題曲「irodori」で、それ以降は歌謡やジャジー路線の“赤宮”とロック路線の“青宮”の二軸で活動を行っていることを改めて説明すると、「さっそく赤宮になっちゃおうと思います」と宣言。雨宮の衣裳を担当しているスタイリストの戸村優香を呼び込むと、赤い羽織り衣装を着せてもらいながら雨宮から戸村へ質問するコーナーへ。戸村はマイクを装着していないので、回答は雨宮がそのまま代弁して観客に伝える形になるのだが、「私の衣装選びのポイントは?」との質問に対し、「天ちゃんのかわいさとスタイルの良さを最大限に活かしつつ、こんなにかわいい天ちゃんもいるよ、っていう新しい提案をするようにしています」という回答を雨宮本人が口にする羽目になり、めちゃめちゃ照れながら一言一句漏らさず伝える雨宮がとてもかわいらしく、客席からは特大の歓声が巻き起こった。

「違うの!こんなに恥ずかしい、照れ臭いコーナーになるとは思ってなかったんですけど」と戸惑いながらも、今回はいつも舞台裏で行っている衣装チェンジの様子も見せたくて、このコーナーを設けたと説明する雨宮。「これから“赤宮曲”を歌うのでかっこつけなくちゃいけないのに…」と照れ隠しをしつつ、表情をキリッとさせてジャジーな歌謡風ナンバー「irodori」へ。マイクスタンドを用いてグッと艶味を増した歌声とパフォーマンスで青い民たちを翻弄する。そこから小悪魔的に魅惑する歌謡ロック「Catharsis」でカタルシスを解き放つと、最新EPより雨宮自作の新曲「TOXIC♡」を披露。強烈なエレクトロニックビートに乗せて、高圧的とも言えるほどに気高く力強い歌声を放つ雨宮は、まさに甘い毒のように蠱惑的だ。

ラストは締めの歌詞“後ろも正面も私♡”というフレーズに合わせて、後ろを向いて振り返るポージングでバッチリ決めて魅せた。

歌い終えて「だいぶ強めの選曲」「好きじゃない?この辺」と嬉しそうに語った雨宮は、ここからステージに用意されたソファに腰掛けてトークコーナーへ。今回はステージセットも衣装もルーム感をイメージしており、部屋でゆったりくつろいでいるような雰囲気の中、雨宮は最新EP『ノンシナリオ・エチュード / 雨宮天作品集2-Theory-』に収録された自作曲の制作エピソードについて語っていく。この日の公演でピックアップされたのは、ライブの1曲目にも披露された「ノンシナリオ・エチュード」。前述の通り雨宮が出演するアニメ『かのかり』第5期のオープニングテーマであり、雨宮が初めて自分で作詞・作曲したアニメ主題歌だ。彼女は自分の寝室から持参したというミニキーボードでメロディやコードを弾きながら、本楽曲のこだわりについて解説していく。

サビのメロディについて、当初はアニメのOPテーマであることを意識してよりわかりやすいメロディにする案も考えていたものの、「天邪鬼なメロディ」が好みな雨宮の個性を尊重して現在のメロディが採用されたこと、サビの和音は半音ずつ上がっていく構成にしてお洒落さを演出したことなどを楽しそうに語る雨宮。さらに天ちゃんバンドのバンドマスターで作曲家としても活動している荒幡から「天ちゃんは自然とメロディをリフレインさせるのが上手だよね」とこだわりを指摘されて大喜び。さらに歌詞の“ご期待ください”と『かのかり』の“5期”が偶然かかっていることにスタッフの指摘で気づいたものの、あとから確認すると周りにいるスタッフの誰もそんな話をした覚えがないという「夏の怖い話」も披露して「ノンシナリオ・エチュード」の制作エピソードを結んだ。

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いつもとは違った表情を見せてくれる、この日だけの特別なひと時

アロマキャンドルをキャンドルウォーマーにセットして、次に披露する楽曲の世界観を高めると、最新EP収録のしっとりとしたバラード「Heart Note」へ。アップライトベースやピアノが織り成すロマンチックなサウンドに乗せて、雨宮はソファに腰掛けたまましっとりとした歌声を会場いっぱいに広げていく。“ベルガモットのパフューム 香っては”といったフレーズが会場の雰囲気とリンクして、うっとりするようなひと時が作り上げられた。そして彼女が初めて自ら作詞・作曲した楽曲「火花」。

荒幡のピアノのみをバックにした繊細にしてしとやかな立ち上がりから、バンドが加わってジャジーに色づいていく展開と、気だるい微熱と情念が糸を引くような歌唱表現は絶品の一言。終盤での情熱的なフェイクとガットギターがぶつかり合う哀愁のスパークに、会場にいる誰もが酔いしれていた。

その歌謡的な世界観から一転、最新EPから届けられた新曲「白線」の都会的で洗練されたグルーヴが景色を塗り替える。バンドの張り詰めた演奏に背を押されるように、時に憂いを纏って、時に焦燥感に追われるように歌を紡いでいく雨宮。各楽曲ごと、それぞれのフレーズごとに様々な声音やニュアンスを使い分けて表現する彼女は、やはり役者であり、だからこそシンガーとしても超一級の才覚をもっていることが改めて実感できる。白線のように走るライトや逆光を含め、本楽曲ならではの演出が光る場面だった。

「ヤバいね、楽しい!」と素直な感想を漏らした雨宮は、ここからロックな“青宮曲”を畳みかけていく。まずはオリエンタルなミディアムバラード「フリイジア」(TVアニメ『天官賜福』EDテーマ)を、なんとアニソンロックアレンジでお届け。原曲の壮大なスケール感はそのままに、テンポアップしてパワフルかつ昂揚感たっぷりに生まれ変わった“青いフリイジア”が咲き乱れる。雨宮もマイクスタンドに身を預けるようにして力強く歌い上げ、客席は青いペンライトを振りながら「オイ!オイ!」と盛り上がる。既存曲においてもライブならではの新たな可能性を追求する、挑戦の精神に満ちた1曲となっていた。

そこから間髪入れず「永遠のAria」(TVアニメ『七つの大罪 憤怒の審判』第2クールオープニングテーマ)に繋げ、誇り高き女神のような神々しさと共に真っ直ぐな歌声を届けると、続くMCパートでは、いつもとは違うアプローチでの「火花」や「フリイジア」を届けられたことに対する興奮が収まらないのか「音楽楽しい!」と笑顔いっぱいに語り始める雨宮。

彼女のファンであればご存知だと思うが、青き民に向けて語る時の彼女は本当に無邪気で心から楽しそうな表情になる。それは10年以上を共に歩んできた信頼関係の証でもある。

雨宮が「社会科見学コーナー」と呼ぶ、バンドメンバーへの質問コーナーでは、ギターの宮永に彼女が気になっていたことを質問。足元のエフェクターボードでどんなふうにギターの音色を変えているのか、1つ1つ説明を受けながら1つ1つ感心する。特にワウペダルには興味津々で「踏んじゃダメですか?」とお願いして、自らペダルを踏んでギターの音が変わっていく様子を楽しんでいた。

その後、ライブグッズの紹介や自身がブランドディレクターを務めるアクセサリーブランド「genuine blue」の第2弾アイテム発売決定の告知などを行い、自分でデザインしていることをデザイン画を見せながらアピールすると、ライブは遂にラストスパートへ。「みんなのご機嫌なサウンド聴かせてくれー!」と呼びかけて煽ると、自ら作詞・作曲したワイルドなロックナンバー「BLUE BLUES」を投下。常よりもはすっぱな歌い口で“ハートエンジン”を吹かして最高の時間を駆け抜けていく。雨宮の「じろっちー!」との声に宮永が前方に進み出てギターソロを披露するなど、もはやロックンロールレビューといった趣きのステージングだ。

そして最後は、最新EPよりラグタイム風の軽快なナンバー「マイブランケット」を歌唱。この楽曲は雨宮が親友のこと思って書いたとEPのリリースインタビュー時に語っていたが、“きみがいるから 世界はもっと膨らむ”という歌詞はライブで聴くと、彼女と青き民との関係性とも重ねることができる。雨宮はステージ上を隈なく練り歩きながら客席に向けて大きく手を振り、親愛なる青き民に素直なメッセージを届けていく。

ラストは“ずっと一緒だよ ずっと大好きさ”とにこやかに歌い、みんなでジャンプしてライブを締め括った。

“部屋”をイメージしたステージ作りと演出、ライブとトークを交えた構成など、始まりから終わりまでステージと客席の距離を感じさせない親密な空間が作り上げられていた今回の“Room Theory”。きっとこんな時間がいつまでも続くであろうことを感じずにはいられない、ブランケットのように温かなライブイベントだった。

LAWSON presents 雨宮天 Live Event 2026 -Room Theory-
2026.8.1@Shibuya LOVEZ
〈セットリスト〉
M01. ノンシナリオ・エチュード
M02. PARADOX
M03. irodori
M04. Catharsis
M05. TOXIC♡
M06. Heart Note
M07. 火花
M08. 白線
M09. フリイジア
M10. 永遠のAria
M11. BLUE BLUES
M12. マイブランケット

●関連リンク

雨宮天 オフィシャルサイト
https://www.amamiyasora.jp/

雨宮天 オフィシャルX
https://x.com/Amamiyastaff

雨宮天 オフィシャルYouTubeチャネル

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