『3つの大きな疑問』専門家の見立ては?

 京都府南丹市で先月23日から行方不明となっていた、小学生の安達結希(あだち・ゆき)さん(11)。4月13日に遺体で見つかり、16日未明、息子である結希さんの遺体を遺棄した疑いで、父親の安達優季(あだち・ゆうき)容疑者(37)が逮捕されました。

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 安達優季容疑者は先月23日朝から今月13日の夕方ごろまでの間、南丹市の山林に結希さんの遺体を運び遺棄した疑いがもたれています。

警察の取り調べに対し「私がやったことに間違いありません」と容疑を認めていて、捜査関係者によりますと、逮捕前の任意の取り調べに対して「殺害を認める供述」をしていたということです。

 今回の事件には不自然とされる点がいくつか存在します。

 結希さんの死亡にまつわる『3つの大きな疑問』。そのうちの2つ目、「結希さんはどこで亡くなり、遺体はどう動かされたのか?」について、3人の専門家に聞きました。

■3人の解説者

 〇藤田義彦氏 元徳島県警科捜研
 〇棚瀬誠氏  元兵庫県警刑事部長
 〇西山晴基氏 弁護士/元検事

父親逮捕も残る不自然さ…「3つの大きな疑問」とは

【京都・男児死亡】3つの疑問/その2『結希さんの遺体の移動』複数の場所に転々とさせた疑いも…容疑者にとって「リスク」では?2つの可能性「捜査及ぶことを懸念」「近隣住民の違和感・発見」“警察の目”あるなか移動可能なのか【3人の専門家が解説】
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 今回の事件に関する大きな疑問は3つです。

 1.結希さんが死亡に至った経緯
 2.結希さんはどこで亡くなり遺体はどう動かされたのか
 3.結希さんが亡くなったのはいつ?遺体が動かされたのはいつか

 この記事では「結希さんはどこで亡くなり、遺体はどう動かされたのか」について解説します。

複数の場所を転々と…数日かけ遺体を移動させた疑いも

【京都・男児死亡】3つの疑問/その2『結希さんの遺体の移動』複数の場所に転々とさせた疑いも…容疑者にとって「リスク」では?2つの可能性「捜査及ぶことを懸念」「近隣住民の違和感・発見」“警察の目”あるなか移動可能なのか【3人の専門家が解説】
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 結希さんが行方不明になったとされているのは、通っていた園部小学校。そこから約3km離れた場所で「通学用かばん」が、約6km離れた場所で履いていたとみられる「靴」が発見されました。そして、遺体は学校から2km離れた山林で見つかっています。

 一方、警察によると、安達容疑者は遺体を山林に遺棄するまでに、別の複数の場所を数日かけ転々とさせていた疑いもあるということです。

元兵庫県警刑事部長「まだ解明すべき部分があると思う」

 遺体が移動していたとなると、遺体発見現場の意味合いも変わってくるのでしょうか。

 (元兵庫県警刑事部長 棚瀬誠氏)
 「遺体が発見された場所は特定できていますが、どこで亡くなったのか現状では分かっていません。遺体が転々と移動したとなると、なぜ移動させるのか、そもそもどこにいたのか。現状では分かっていないので、まだ解明すべき部分があると思います」

「本当に隠そうとするなら…」容疑者にとって遺体の移動は“リスク”では

【京都・男児死亡】3つの疑問/その2『結希さんの遺体の移動』複数の場所に転々とさせた疑いも…容疑者にとって「リスク」では?2つの可能性「捜査及ぶことを懸念」「近隣住民の違和感・発見」“警察の目”あるなか移動可能なのか【3人の専門家が解説】
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 遺体を移動させることは、犯人の視点で考えると“リスク”とも言えますが…

 (弁護士/元検事 西山晴基氏)
 「本当に遺体を隠そうとするなら、山中に埋める、あるいは遠くに運ぶといったことも考えられます。

あくまで推測ですが、とっさに隠したいと考えて、まずはどこかに遺棄したと」
 「ただ、警察の捜索が広く行われるようになり、だんだん自分が遺棄した場所が見つかるのではと考えて、位置を変えていったと推測されます」

2つの可能性「捜査及ぶことを懸念」「近隣住民の違和感・発見」

【京都・男児死亡】3つの疑問/その2『結希さんの遺体の移動』複数の場所に転々とさせた疑いも…容疑者にとって「リスク」では?2つの可能性「捜査及ぶことを懸念」「近隣住民の違和感・発見」“警察の目”あるなか移動可能なのか【3人の専門家が解説】
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 元兵庫県警刑事部長・棚瀬誠氏は、遺体の移動について「遺体が埋められていた場所が移動した」という事件を過去に捜査した経験から、2つの可能性を指摘します。

 (元兵庫県警刑事部長 棚瀬誠氏)
 「その事件では、犯人の供述によると、最初は広い原っぱに穴を掘って埋めてしまったが、よく見るとそこだけ“真新しい土”なので、穴を掘ったことが翌日分かってしまったと。警察の捜査が動き始めて見つかってしまうと困るということで、急いで堀りなおして山に埋めたというケースでした。つまり、捜査の手が及ぶことを懸念して埋めなおした。これが1つ目の可能性です」
 「また、近隣住民が警察より先に発見、あるいは違和感を覚えて通報するケースがあります。犯人側としてはそうしたリスクがあるので転々と移動させた。これが2つ目の可能性です」

何回も移動させたとなると…今後の捜査のポイントに

 しかし、これら2つの可能性では説明し切れない“違和感”もあるといいます。

 「1回だけでなく何回も移動させたとなると違和感があります。逆に言えば、ここの動機や事情を突き止めていけば、主観的供述と客観的証拠が符合する。今後の捜査のポイントになってくると思います」

「腐敗が進んで臭いがきつくなると…」遺体の“臭い”きっかけになることも

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 また、元徳島県警科捜研・藤田義彦氏は遺体の“臭い”をきっかけとして移動させる例が多いと話します。

 (元徳島県警科捜研 藤田義彦氏)
 「過去に、遺体をブルーシートで二重に包んで押入れに入れて数か月夏場に放置していたという事件を経験しました。近所の人から『変な臭いがする』と。そして、海岸に埋めることもなくブルーシートのまま捨てた。腐敗が進んで臭いがきつくなると移動させる、通常はそういうパターンが多い」

「警察の目」がある中…遺体の移動は可能なのか

【京都・男児死亡】3つの疑問/その2『結希さんの遺体の移動』複数の場所に転々とさせた疑いも…容疑者にとって「リスク」では?2つの可能性「捜査及ぶことを懸念」「近隣住民の違和感・発見」“警察の目”あるなか移動可能なのか【3人の専門家が解説】
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 安達優季容疑者は結希さんの父親です。警察の目がある中、遺体を動かすことは可能だったのでしょうか?

 (元兵庫県警刑事部長 棚瀬誠氏)
 「外に出られない場合は警察官が寄り添う、困ったときに警察がサポートするなど、遺族を警察がケアすることはよくあります。警察官がずっと遺族と一緒にいるのかは、その人次第です。

したがって、容疑者が警察のサポートは要らないと言ったとすると、ケアの観点で言えば、警察はくっついていないということになります」

“時系列”は今後明らかになるか

 捜査の観点から、マークしておくことはあるのでしょうか。

 (元兵庫県警刑事部長 棚瀬誠氏)
 「ここは大事なポイントだと思います。父親=容疑者だという認定がどのタイミングでなされたものなのか。どのタイミングで遺体を移動させたのかについては、まだ明らかになっていません」
 「警察が容疑者だと思う前に遺体を移動させていた場合は、過去の事実になります。一方、容疑者だと警察が思った後に遺体を移動させた場合は、なぜ犯人はリスクを負ってまで移動させたのかという疑問が浮上します。いずれこの時系列は明らかになるのではと思います」

 (2026年4月16日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」より)

※関連記事:【京都・男児死亡】3つの疑問/その1『結希さん死亡の経緯』死体遺棄容疑で逮捕の父親は殺害認める供述 元検事の西山弁護士「他殺の可能性は高くなっている」司法解剖では“死因不詳”「顔が判別できないほどの腐敗」か【3人の専門家が解説】

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