大飯原発3・4号機に対する国の設置許可の是非が争われている裁判。控訴審で逆転敗訴した住民側の弁護団は3日、「上告しないことを弁護団で決定した」ことを明らかにしました。



 福井県の住民らは関西電力・大飯原発3・4号機の再稼働にあたって安全審査基準に適合するとした国の判断は誤っているとして設置許可を取り消すよう求める訴えを起こしていました。

 2011年に起きた福島第一原発の事故を受け国は新たに原子力規制委員会を発足させ「新規制基準」を作りました。裁判で争点となっているのは「新基準によって厳しくなったはずの安全審査が、適正に行われていたのか」という点でした。

 2020年、一審の大阪地裁は「原子力規制委員会の判断の過程には地震の規模が大きくなる可能性を考えた検討がなされていない」として許可を取り消す判決を言い渡し、国側が判決を不服として控訴していました。

 国側は控訴審で「安全審査の実務では地震の規模が大きくなる可能性を考えて検討する必要はない」などと一審判決の取り消しを求めていました。

 大阪高裁は5月28日の判決で「原子力規制委員会の判断の過程に看過しがたい誤りや欠落があるとは認められない」などと指摘。

 地震の規模が大きくなる可能性について「考慮は必要」としたものの、関西電力は原子力規制委の指摘を受けて可能性を考慮していたなどとして設置許可を維持する判決を言い渡し、住民側の逆転敗訴となりました。

 判決後の会見で「(原発は)非常に危険な状態にあると。今後も我々は注意して注目して全国の仲間とともに一緒になって取り組んでいきたい」と述べた住民側。

 上告については検討中としていましたが、3日、住民側の弁護団は「上告しないことを弁護団で決定した」と明らかにしました。

 二審判決を受けて関西電力は、「国および当社の主張を裁判所に理解いただいた結果であると考えている」「大飯発電所3、4号機の運転・保全に万全を期していく」とコメントしています。

編集部おすすめ