◆第76回安田記念・G1(6月7日、東京競馬場・芝1600メートル)追い切り=6月3日、美浦トレセン

 目下の充実ぶりを証明する躍動感あふれる動きだった。重賞連勝で大一番を迎えるトロヴァトーレ(牡5歳、美浦・鹿戸雄一厩舎、父レイデオロ)は美浦・Wコースで先週と同じ相手のイゾラフェリーチェ(5歳2勝クラス)を4馬身追走した。

最後の直線入り口では内から早々に僚馬に馬体を併せると、抜群の推進力で一気に前に躍り出る。その半馬身のリードをキープするよう軽く促されつつ、スピードを保ったままフィニッシュ。しっかりと水分を含んだ馬場状態を考慮すれば6ハロン85秒4―11秒3の時計で十分だろう。

 1週前にしっかりと負荷をかけた効果か、シャープな反応が目を引いた最終デモ。鹿戸調教師は「最後まできっちり併せたのでいいと思う。先行していたのが稽古で走る馬なので、一緒に併入できたらベストかなと思っていて、1コーナー過ぎまで加速していったので、ベストな状態ではある」と万全を強調した。

 リベンジを期す。昨年のこのレースは17着と惨敗を喫した。序盤から出世を妨げてきた折り合いの難しさを見せ、見せ場すら作れなかった。その課題を克服すべく、陣営はこの1年で様々な策を打った。トレーナーは「ダートを使ったりして折り合いも良くなったし、ジョッキーも続けて乗ってくれて、よく教えてくれていたかと思います」。昨年の安田記念後から5戦中4戦で手綱を執った名手ルメールの“教育”に感謝を惜しまず。

何より年齢を重ねて徐々に落ち着きが出てきた点も好調の要因だろう。

 3歳時にはクラシック路線でも活躍を期待された素質馬。ようやく胸を張ってG1の舞台へ送り出せるところまでたどり着いた。指揮官は「最初から期待していた馬ですが、筋肉量も増えたし理想的な体になって、ようやく実が入っていい状態でGIに挑戦できる」。今度こそ春のマイル王の称号を頂く。

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